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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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まずは普通に攻略してみる


 食事の終わったエルフさん達に通常業務をやってもらいます。守備隊の人には武器を持ってもらって竹林攻略。開墾部隊の人には通路を伝って畑の様子見。収穫できるものがあったら収穫。女性陣は赤子・子供のお世話。手の空いている人には夕飯の仕込み。


「仕込みって言われても、ねぇ? 」

「里には食糧は残ってないのですか? 」


ハンナちゃんの疑問ももっともだ。


「ソバとかローゲンとか、あとは魚の干物とかかしら? 」


野菜が足らんようだな。


「あとはネッセルとかフェルンとかクレッテとか、食べられそうなものは大概食べるわよ」

どっかで聞いたような単語やな!

「もうちょっとでシュピネンリーリエ食べることも考えてたわよねぇ? 」


食べちゃいかんモノまで食べそうになってたのかな?


「ねぇ!」


ねぇって言われても、ねぇ?


「それではスネークちゃん、果物を出しても構いませんか? 一人一つづつぐらいは行けると思うのですが? 」

「果物貰えるの? やった!」

「たくさん人数いるけど、そんなに数あるの? 」

「私たちだけ食べちゃったらダメかしら? 」

「それは顰蹙ひんしゅく買いそうね? 」

「ねぇ! 」


さっきからねぇねぇ言ってるのは誰だ! 自分の意見を言え。たぶんメルゼブルグで保存箱にたくさん詰めたから足りると思うが、足りなかったらアレを使うからいいんじゃねーの?


「と、いいうことで、皆さんには果物を出しておきます。テーブルの下に箱がありますので、そちらの中身をなるべく均等に分けてください」

「数がいくらあるかわからないの? 」

「残念ながら…… いったん外に出して数を数えてもらっても結構ですよ? 」

「それで、あなた達はどうするの? 」

「あー、隊長? これからの予定は? 」

「スネークの作戦次第だが? 」


え? 我が作戦立案係? 


「我らの戦略はスネークの魔法に依存しているからな? さっき言った通り、一気に移植魔法を使わないか? 」


うーん、魔力がどこまでもつかわからないが…… 念のため二手に分かれないか? 最初は風魔法で地上部を刈り取っていくということで。


「二手にか…… どう分ける? 」


ボルちゃんチームと我チームで分ける。我チームにはエマさんとハート様とゆかいな仲間の半分、ボルちゃんチームにはハンナちゃんとヒカリ娘とゆかいな仲間たちの半分でどうかな?


「なぜそのメンバー分けにしたのだ? 」


いや、風魔法鎌鼬を使える人で分けてハンナちゃんはボルちゃんの参謀、ヒカリ娘は参謀の護衛、エマさんは相撲の稽古のためこっちにもらっただけ。守備隊は竹素材をここに持って帰ってもらうため半分分けにした。額金はハート様に貸しといてくれ。


「開墾部隊はどうすれば? 」


額金をハンナちゃんから受け取ったハート様がお伺いを立ててきました。


「通信部隊の3人をそれぞれにわければいいんじゃね? とスネークが言っている」

「なるほど、それではカール! ヘルムを装備して3人でばらけてくれないか? 」

「分かりました。それでは私が開墾部隊に、ジャンはボルドウィン殿の方に、アンナはレオン様の方についていってくれ!」

「えー、兄さん、僕、スネークさんの方がいいなぁ」

「そういうと思った。お前は厳しくしつけてくれる方に行ってもらう。スネーク殿、妹をよろしく頼みます」


あ、そのヘルメット、額金とおんなじ役割なのね…… 変なことは考えられない><


「レオン様、スネーク殿…… バウアー殿とおっしゃいましたか、よろしくお願いします。アンナ・レイハーといいます」


年のころは14,5歳と言ったところか…… 真面目そうな子がやってきちゃったよ。御ふざけは許さない! みたいな感じやな。


「おう、アンナをこっちによこしたか。スネーク殿、討伐任務のまにまに、こいつも教育してやってくれ」


え? なんでそんなことまでせにゃならんの?


「あー、エマ・バウアーです~、よろしくお願いしますー」

「よろしくお願いします。バウアー殿は軍に入ったばかりとお聞きしましたが、いろいろお伺いしてもよろしいですか? 」

「その辺はおいおいだな。アンナはあと2年で成人して王里の軍に入隊希望なんだそうだ。年の近いバウア―殿にはいろいろ聞きたいこともあるだろうから、迷惑でなければ相手をしてやってほしい。それでスネーク殿、二手に分かれた後はどうするんだ? 」


そうだな、里の半径が2㎞ぐらいということは 川を越えたところで3㎞というところか、外周に沿って北側砦に向かったとして、平地だったら9㎞ぐらいになるんかな? 実際にはもっと入り組んだり崖で進めなかったりするだろうが、夕方までには北側砦で落ち合えるんじゃねーのかな? 


「北側砦にたどり着けなかったらどうする? 」


そしたら西側か東側砦まではたどり着くだろうから、そこからここに戻ってくるというのはどうだろうか。


「ここの防衛はどうする? 」


あー、考えてなかったね。


「私が残りましょうか? 」


ハンナちゃんが申し出ましたな…… 風魔法は使えないものの、火魔法・水魔法ともに魔力は十分。防衛戦力としてはいける気がする。


「むしろ開墾部隊の方が大丈夫か? 」

「それなら、ボーデン・フランメ・トレーネを開墾部隊に入れるのはどうか? 」


なるほどね。そんじゃそれで。あとはボルちゃんの魔力だが…… 起きて飯食ったから体の方は十分だろうが、水晶玉に魔力は残っているか?


「そうだな、補充してもらおうか」

「オレのも頼むぜ! 」

「私のも! 」

「僕のも! 」


一番のキモはボルちゃんの風魔法なんだから、予備にもう一つ水晶玉を渡しておきましょう。もちろん大きめ20㎝径のやつですよ。それぞれの水晶玉にそれぞれにあった

魔力をプープー吹込みお返しします。それじゃ、出発しますか。


「それでは東回りを私たちが、西回りをハート殿にお任せします」

「私に? スネーク殿ではなくて? 」


ま、リーダーは偉い人がなるのと相場が決まってますけん、よろしく!



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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