スネーク食堂・お昼の部
久しぶりの料理回。
我、噴出している水の上でくるくる回ります! 回ります! 目も回る~! 出しっぱなしのマギハンドを使って脱出です! 水が噴出している部分を抑えて、地上に到着。その場をすぐに離れます! マギハンドを離しますと再び噴水! あ~、これでは金魔法・乾燥は使えませんねぇ。
「スネーク! 無事か? 」
ぶじブジ無事セーフー! ボルちゃん達が駆け寄ってきましたが、ノープロブレムです。濡れネズミ…… もとい、濡れヘビになってしまいましたので、まずは土魔法Lv.2穴埋め(デホール)で、噴水のもとを塞ぎ、そのあと、我と辺りを金魔法Lv.1抽出で水分を抽出させます。
「その様子だと、やはりマゼンタ・フロスからここの地下まで水を引いていたようだな」
ボルちゃんの言う通りでした。地下茎が地上茎みたいになってて、あれ、節と節の間が筒抜けになっているに違いないわ。この辺りの地下は水だらけや。金魔法はやるだけ無駄やな! ちょっと作戦を考えないといけない!
「スネークさ~ん、そろそろお昼ですよ~」
さよでっか。それではお昼を食べながら考えるとしますか。
♢♢♢
広場に戻りますと、いまだ昼食の準備中……というか、何も始まっちゃいなかった。それはそうです、竹が机やらテーブルやらをひっくり返してしまったので、かたずけをしないといけないのです。
「あ~、隊長、スネークちゃん、ごめんなさい。全然準備ができませんでした~」
「ま、仕方ないな。先に荒らされたものを元通りにする方がいい」
「それにしても、バンブーのやつ、派手にやりやがったもんだ。このタンクなんか。穴が開いてやがるぜ」
石に穴を開けるほどの威力ですか。まあ水でさえ石に穴を穿つくらいですから、竹槍でも十分なのかもしれません。…… しかし待て! 竹槍で石に穴が開くということは、長城にも穴を開けられるということではないか!
「スネークさ~ん、考え事の最中で悪いんですけど~」
ん? 何やエマさんか、どうしたん?
「そろそろお昼食べたいんですけど~、スネークさんならパパッと何か作ることができますよね~? 」
なるほどなるほど。昼飯、みんなの分準備してたら時間掛かってしょうがないから、我にやらせようというわけやな! よろしい! ならば戦争だ! ハンナちゃーーーん!
「どうしました、スネークちゃん? 」
調味料一式とでっかいフライパン、出したってや! 我、今からハンバーグ作る!
「ああ、わかりました。スネークちゃんが調理するのが一番早いですからね。それでは、お任せしまーす」
え? 手伝ってくれないの?
「お手伝いがいりますか? 」
そりゃいるさ、我、何がどこにあるか全くわからんよ?
「ここにいるエルフのお姉さんたちがいても?」
そう言えば、朝に手伝ってくれてたお姉さんたちがいますが、この人たちは何がどこにあるかわからないでしょう? それより、早くしないとエマさんが暴れ狂うぞ?
「そうですね。それでは私は何をしたらよいでしょうか? 」
そやね、食材を調理テーブルに持ってきてくれる? 大根は確かレティッヒっていったっけ、シソはシーソ、チーズはケーゼ? バターはブタ―っていったかなぁ? ワイン、小麦粉出してくれ! 我、その間に、テーブルをきれいにします! 飲み込んでいた水をおぇっぴゅー!マギハンドで拭き拭き! 終わったら光魔法Lv.4で滅菌滅菌! 次は…… 挽肉を混ぜ合われるための大きいクリスタルボウル作るか! 3斗(60L)ぐらい入るクリスタルボウルを一つ、
”物品作成!”
地面から透明なボウルが出てきました。マギハンドで拾い上げ、水をぶっかけマギハンドできれいにして、こちらにも光魔法Lv.4滅菌!
「スネークちゃん! 材料はどこにおけばいいですか? テーブルの上? 」
それでようがす! それじゃ今からハンバーグ作ります。一番大きなフライパンは竈の上に置いといて、焦げないように油を少し引いて。まずは玉ねぎ刻んだやつをフライパンで炒めます。マギハンドでフライパンに目いっぱい入れて、加熱がめんどいから我の火魔法で下から加熱!加減が難しいが…… あー、赤くなってきた。この辺でストップ。ターナーもないから我のマギハンドで混ぜます。しばらく放置している間に、タウルスとスクローファの挽き肉を…… エマさんタウルスニクが好みって言ってたから7対3でタウルス多めにしてボウルに投入! マギハンドで高速攪拌! 終わったら塩をすこーし加えて再び高速攪拌! 空いている手で朝作ったボウルにパン粉と牛乳を混ぜます。炒めた玉ねぎが茶色くなったらパン粉牛乳の方に入れて混ぜます! 混ぜ終わったら保存箱の中から氷を取り出して、パン粉牛乳にあめ色玉ねぎを入れたボウルをしたから冷やします。冷やしている間に空いたフライパンにバターと刻んだ玉ねぎを再び投入! まだまだフライパンは暑いのでこのまま余熱で調理! そして、ヴァイツェンメールの星印のない袋が、薄力粉だったな! それをフライパンに投入! へらもないのでマギハンドで炒めていきます。焦げそうになる前に水をちょっとだけ投入。水の次はワインをちょっとだけ投入。ちょっとちょっと入れてったら、ゾヤゾーゼと糖をちょっとちょっと投入。あとはトマト味になるように、ケチャップもちょっと投入。フライパンの中でかき混ぜて…… デミグラスソースの完成です! 味見してみたが、やはり何か一味足りない気もします…… ま、それはさておき、フライパンから1斗鍋に入れ替えましてふたして放置です。さて、ハンバーグの種づくり…… 合い挽き肉にパン粉牛乳あめ色玉ねぎを混ぜましてこねこねこねこね。さらに! こここそ千手観音の本領発揮! 五百本の手に手のひらサイズの種200gを乗せまして、種から空気を抜くために空いた五百本の手でぺちぺちぺちぺち投げ合います! ハンバーグの種、完成です!
「師匠君が一人で何か作っているわね…… 」
「私たち、特に何かすることないんじゃない? 」
「そんなことはありません! おねー様方にはボウルを洗ってほしい…… と、スネークちゃんが言っております! 」
「でも、水もないし…… 」
「水なら私が出します!
水よ 水よ 我ら命の運び手の水よ 流れのままに 命を運びたまえ」
あっちはあっちで仲良くやっているようですな。そしたら、こっちは一旦フライパンを水洗いして、火魔法でフライパンを加熱して水気をとったら、今度は油をひきまして、ハンバーグの種を投入! じゅうわあぁああぁ!
「ニクの焼ける匂いはすばらしぃ! 早く食べた~い! 」
どこからか、デーモンの声が聞こえてきます…… あとはニンジンとジャガイモも焼いておきましょう! ジャガイモは朝に皮剥き終わってたから、それを使いまして、にんじんはヘタを切って縦に4つ切り、上下に二つ切り、上半分はまだ太すぎるのでさらに半分に切りまして、ハンナちゃんや!中ぐらいのフライパン出して! ああ、もう小さいのも出しといてや!
「ぜんぶつかうのですか?」
そやねん! 中ぐらいのは野菜を油で炒めるねん! チッ鯉のは半熟目玉焼きを作るねん! おっと、そろそろ片面焼き終わりかな! マギハンドでひっくり返します! いい色合いになってきた! もう一度、下から火魔法で加熱! あとは余熱で! 中ぐらいのフライパンを出してもらったのでそれにバターを入れて火魔法で加熱! 人参とジャガイモ入れて…… 蓋をしたいが蓋がない! エーい、どうせだからフライパン3つの大きさに合わせたクリスタルの蓋(取っ手付き)を”物品作成!”。地面から出てきた奴をひろって洗ってフライパンにかぶせます。その間にお皿を準備…… 朝作ったお皿、洗ってる?
「ああ、あるそうですよ! 」
それじゃあ調理テーブルにのっけて! 焼けた奴から盛り付けます!
「もちろんあたしが味見役です~!」
あとは、キャベツを千切りにします。マギハンド! キャベツを半分にカットしてから、あとは高速スライス!
「コールはいらないです~! 」
あ、ドレッシングもつくっとこ! 酢と油と塩・胡椒で朝方作った大きめのボウルに入れてマギハンドで高速攪拌! 乾燥パセリもあったよね? 風味付けにぱらぱらと、ドレッシングの完成です! ハンバークがそろそろ出来上がりそうですが、いくつかチーズをのせた奴も作りましょう。蓋を取ってスライスチーズを10個ぐらい乗せてまた蓋をします。あとは…… 味を変えるため、大根おろしを作ります。ハンナちゃん、おろし金だして!
「久しぶりの出番ですね!」
ハンナちゃんから渡してもらったおろし金を使いまして、大根を高速すりおろし! これまたボウルに保存します。そろそろ完成かな? おっと目玉焼きを作りましょうね。小さなフライパンに油をひいてハオスエンテのタマゴを割って入れます。あとは蓋して火魔法で下から加熱! じゅわわわわ~!蓋を取ってすこーし水を入れまして再び蓋をします! しばらく蒸らせばいいでしょう。 さて、あとは盛り付けですね。用意してもらったお皿にジャ別の千切りをこんもり盛り付け、上からドレッシングをかけます。焼けたハンバーグの一つを乗せ、デミグラスソースをかけます。ニンジンとジャガイモも焼けたようですので2,3個乗せまして完成です! 最初に味見するのはエマさんなので、あと3種類、チーズハンバーグデミグラスソースかけ、おろしそハンバーグ醤油掛け、ノーマルハンバーグ半熟目玉焼き乗せ、すべてにキャベツの千切りとニンジンジャガイモを付け合わせます。そら、4種類のハンバーグや! ナイフとフォーク付きで! 野菜も残さず食えよ! 野菜残したら…… 相撲の稽古です!
「あああ、ついに出来上がりましたか~、それではさっそく!」
聞いちゃいねぇ! つーか、額金つけてないから聞こえないか!
「ナイフで切ればいいんですね…… あ~力入れずにオニクが切れます~ ホロホロです~。お味の方は…… パクッ」もぐもぐもぐもぐ。
回りからゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
「ごくり。は~~~いつ食べてもスネークさんの料理はおいしいですね~!!!」
その後、我はひたすらハンバーグを焼きまくった……
本日は一話のみです。
お読みいただきありがとうございます。




