緊急事態発生!
我、ぴょん跳びしてクロスポイントから南側広場に戻ります。ぴょんぴょんぴょんぴょん。
”スネーク殿、スネーク殿! 今どこにおられる? ”
あー、その声はハート様やな?
”あーあー、我は今、地下壕の中にいるよ。今、そっちに向かってる最中です、どーぞー”
”南の広場で急に竹が生えてきた! 今、皆で対処しているが、数が多い! 至急、こちらに来てくれ! ”
なんと! 南の広場の周辺は全部狩りつくして、地下茎もはぎ取ったと思ったのだが!
”了解! すぐ行く! ”
ぴょん跳ねしたんじゃ時間がかかる。ここは一発、我、ぴょんと跳ね、空中に浮かびまして、背中に風魔法Lv.4空気壁! 背後から風魔法Lv.3疾風! 前面に風魔法Lv.5空気錐! 空中に居ながらにして追い風を利用、全面の空気抵抗をなくします! しばらく跳ぶと重力で地面に落ちるので、落ちたときにもう一度! 空気壁の角度を変えたら、揚力が発生して落下せずに済むんじゃね? これをベルヌーイの定理と申します。おおお! 背中から風を受け、我は今空をとんどる! 正確には地中の空洞を飛んでいるわけですが……
飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで♪
回らないで、1分ぐらいで出口に到着! 我、急いで出口から出ると、竹が! 我の作った食堂付近にたくさん生えておりますな! エルフの皆さんが、竹の棹部分を一生懸命切ってますが。普通の剣ではなかなか切れないようです。あぶない! 笹がエルフさん達に向いている。
”風魔法Lv.4空気壁! 竹の笹部分より下をカバー!”
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ! 間一髪! エアウォールで笹の葉ナイフが止められました!
「スネークちゃん! スネークちゃんの作ったテーブルが! 」
いや、テーブルや椅子はどうでもいい! ハンナちゃんは怪我人の確認をしてくれ! ハート様! エルフさんの剣で棹を切れそうか?
「ボルドウィン殿からもらった剣ならやれるが、里にある剣では一撃では無理だ! 」
ばあさんの鎌鼬はどうだ?!
「イルゼ婆の鎌鼬は威力が弱くて、竿は刈れないそうだ! 」
なら、攻撃力のない人は里に帰して! ヒカリ娘達はどうした?!
「先輩たちは広場を出て東側でゴーレムたちと戦ってます! その間に竹が生えてきたんです! 」
そっちは大丈夫そうか?!
「わかりません! 連絡が取れません! 」
なら、この広場の竹を伐採してからそちらへ向かうぞ! 青空食堂の付近が竹の密集地だな! 鎌鼬! 鎌鼬! 鎌鼬! ん? 密集地って…… 貯水タンクを置いてたところ? あれれーーー? タンクの下から水漏れしてますね…… 水漏れなんてもんじゃない! 石でできているタンクに竹槍が突き刺さって穴が開いているじゃないか! とりあえずなんだな!?
”金魔法Lv.1抽出!”
“ン デデデデーン”
“なにをどうされますか?”
広場、そしてここから東側の範囲100m四方の土壌水分を抽出して!
“テ・テ・テ・テーン! テテテテンテテテテンテテテテンテテテテン テ・テ・テ・テーン テレレレレレ……………………………………………………………………“
地面から湯気がもやもや立ち上ります。じっと待っててもしょうがないので、ハンナちゃんを連れて広場の東側にぴょん跳ねしますと、ヒカリ娘+エマさんが呆然と立ち尽くしていました。
「みなさん、ご無事でしたか! 」
「え、えぇ……」
「あいつら、靄に隠れて逃げやがった…… 」
「何が目的だったんだろう…… 」
「ステーキが目的だったんじゃないですかねー? 」
「「「それは違う」」」
おそらく奴らの目的は、貯水タンクの水や……
「え? なぜ、水を? 」
陽動で戦闘力のあるエルフを広場から出して適当に戦わせている間に、広場まで地下茎を延ばし、貯水池のところで辺りを付けて一気に水を奪う作戦だったんだろう…… まんまとしてやられた。
「なぜ水を奪う必要があるのでしょうか? 周囲にはいくらでもマゼンタ・フロスの水があるのに…… 」
正確には水ではなく、魔力なんだろうね。だから、グラニーラムゼースミスの里を包囲してたんだと思う。マルス・プミラの魔力を奪うのが奴ら?の目的だったんだろうが、マゼンタ・フロスに阻まれていたのか、天候のせいもあったろうが里の中心にたどり着けてはいなかったみたいだ。やはりあれはデス・ファンガスと同様にマルス・プミラから魔力を奪う目的で周囲を囲ったに違いない。そうなると、マルス・プミラ以外に魔力をたくさん蓄えているモノから魔力を奪い取るのは必至だ。奪われた魔法水にどのくらい魔力があるかは知らんけど、まずいことになったかもしれない。早めに本体を叩く必要があるな!
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




