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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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竹槍には地下壕でお返しです


 里のエルフさん達の昼飯はハンナちゃんにお任せします。ボルちゃんがだいたい11時頃に起きるのでその辺よろしく。ニクの次はカレーとか野菜スープとかを作っとくれ。下拵えはしといたから。


「スネークちゃんはどうするのですか? 」


この里をぐるりと竹林が囲っているのなら、北の方に行って分断しようと考えてる。


「北の方に行かれるのなら、砦を使われるとよいですぞ! 」


北側砦か…… 誰かいるの?


「いえ、人が通りませんので放棄してました。他にも東側と西側に砦が残っておるのですが、どちらも放棄してました。南側はフランクフォートへの通行のため誰かが詰めてましたが…… しかしどうやって移動されるのですか? 」


我はツチノコ。ツチノコなのです! 風魔法では狙い撃ちされるかも知らんが、土の中ではそうもいくまい! 


「よろしけれは、その土魔法を見学させてもらってもよろしいですか? 」


クラさんがお願いをしてきた。大男なのに物腰丁寧な人だ。そんじゃ、どなたか額金を貸してあげてください。北の砦の案内人として同行してもらいます。それと、ボルちゃんの持っていた方位を示す魔道具って誰か持ってる? 土の中だと方角がよくわからないのよ!


「隊長のを借りればいいんじゃないですかね? 私がちょっくら借りてきます! で、隊長はどちらに? 」


新しく作った建物の3階に寝かせてるから! その間にも里のエルフたちが寄ってきているので、冷水を作り置きしておきましょう。


”物品作成。1斗入るクリスタルポットを10個”


地面からズズズズズ…… 出てきたポットをマギハンドでテーブルの上に置きまして、中に体内にためておいた魔法水をポットの半分まで出しまして”凍結焔”で凍らせます。そのあとはまた体内の魔法水を出しまして…… これで1日は持つでしょう。エマさんなら持てるよね。18Lのポットぐらい。そうこうしているうちにハンナちゃんが方位魔道具を持ってきたのでクラさんに使ってもらうことに。


「この建物から出発するとなると、里を挟んであの方向になりますね」


クラさんの頭に乗って魔道具を見る……真北よりやや西寄りということだな! それでは、建物の一階部分に地下室を作ってそこからスタートします!


”構造物生成! 建物に地下室を作って!そこに行く階段も! ”


ガガガガガガガ……………… 


「………… 」


「スネークちゃんの魔法は相変わらずデタラメですねー! それではいってらっしゃい」


あとは任せた! 冷たいものなら大きいポット作っといたからエマさんに注いでもらって! ささ、クラさん、出発進行! 我、クラさんの頭に乗っかり移動します。

♦♦♦♦♦


 階段を下りていくと真っ暗です。


「何も見えませんね……」


あ、しもた、クラさん引き返して!ハンナちゃんからヘッドランプ借りよう! 我、暗闇でも見えるから気づかんかった! クラさん、引き返してハンナちゃんからヘッドランプを借りて、もう一度地下室へ。一応崩れないように壁は石でできています…… さて、どっちの方向に向かえばいいの?


「方位盤だとこちらの方向ですね」


というから、その方向に…… ちょっと待て! まっすぐ進んだら、川にぶち当たるんじゃないのか?


「確かに。この深さだと地下3mと言ったところでしょうから、もう少し深い方がいいのかもしれません」


それじゃ、一旦斜め下に掘っていって、そこからある程度行ってからまっすぐ掘り進めよう! 行くよ!


”坑道生成! ”


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ! 下へ向かうトンネルができました。クラさん、慎重に歩いていってますな…… 


「1,2,3,4、…… 」


何を数えているのでしょうね?


「あ、これは歩数を勘定しているのです。大体どのくらいの距離を進んだかわかりますので。ちょっと角度がわかりませんが、この辺が川の下あたりだと思われます。水漏れしていないようですので、ここからはまっすぐ進んでも大丈夫でしょう!」


里の向こう側の川も同じような深さなんか?


「そうですね、何事も変わってなければ」


それじゃもう一度


”坑道生成! ”


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………………… 暗い穴がぽっかり空いていますな! どこまで作ればいいかわからんから、この辺でストップしておきますか! クラさんは慎重に歩数を勘定しています。結構歩いたところで、クラさん立ち止まります。


「この辺りが里の中心になると思われます。何か目印を付けてもらえないでしょうか? 」


そうですか。空なら、ここから十字になるように右壁と左壁にトンネルを掘っておきましょう。


”坑道生成! ”


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………………………………………………… 左右に穴が広がっていきます。穴と言っても馬車が2台通ることができる広さです。しかも壁は石できているので崩れる心配必要なし! どこまで掘ればいいかわからんけどこんくらいでいいか。


「…… それでは先へ進みますか」


何か言いたいことがあるんなら聞くぞよ? 


「これだけ魔法を使っても、魔力欠乏にならないのですか? 」


そうみたいね。全然平気やな。クラさん、ハァとため息をついた。そして、何も言わずに歩きだします。再び暗闇に足音だけが響きます。カツカツカツカツカツカツカツカツ…………………… 結構速足ですね。これまたしばらく歩きましたらクラさんが


「この辺りが北の方の里との境界のマゼンタ・フロスのあたりだと思われます。ここから上に掘ると例のマギ・バンブーの地下茎が広がるのではないでしょうか? 」


そうだねぇ…… 北側の砦って言うのは、南側の砦みたいに崖の上の方にできてるの? 


「そうですね、似たような感じにはなってると思われますよ? 」


そうかぁ………… 強行突破、する?


「強行突破、ですか? 」


そう。ここから斜め上に掘り進めていくと。地下茎が出てくるだろ? そしたら、そこから一気に穴を開けて地下茎ごと焼き尽くす!


「す、スネーク殿は火魔法も使えるので? 」


あれ? 見てなかった? さっき、竈の火って、我が熾したんだけど?


「いや~、そこまでは見ておりませんだな…… いったいどれほどの魔法を使われるので? 」


さぁ、あんまり勘定したことないね。それでは、ここから普通に土魔法でいくよ!


「やはり、今までのは普通じゃなかったんですね!」


土魔法Lv.3大穴ビッグホール!斜めに掘り進めて! ボコボボコボコボコボコボココボコボボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコッ! クラさんの照らしたヘッドライトの先にマギ・バンブーの地下茎が現れた! 構わず大穴を開けていくと、地下茎が弧を描いて垂れていった…… よし、ここから、風魔法Lv.10切り裂け、鎌鼬! そのまま鎌鼬が土壌を貫いて、地上へ出た! こっから火魔法Lv.5火炎放射ジェットフレーム! 周りの土壌ごと加熱していきます! 水蒸気がもわもわもわもわ! 水蒸気が出終わった後は地下茎の根が燃えていきます! 我々の来た方から風が吹いてますよ! 地下茎を焼き尽くすと我ら地上に出ますな! トンネル作戦は地上に出てからが肝心なんだそうで…… 煙に紛れて頭を出して、再び風魔法Lv.10 鎌鼬! 辺り一帯を刈りつくせ! 南の広場と同じくらいの広さを刈りつくしました。地上部はそれでいいのですが、ちゃんと地下部もやっつけないといけません! クラさん、北側砦はどこにある!


「あ、あの崖の上です! 」


それならあそこの砦の右側に、くさびを打つ!


”土魔法Lv.27地割れ(アースクラック)!”


ッガガッガッガッガッガッガッガッガッガッガ――――――! 使い道がないと思っていたが、こんな場面で使えるとは! 北側砦の横に深さ10mの地割れが発生しました!そこには地下茎がかろうじてつながっています! あれも切り裂け、鎌鼬! 縦に大きな鎌鼬を放ちまして、地下茎は見事に分断されましたさて、これで、マギ・バンブーは東西に分かれた形になりますが、どっちに意識があるのでしょうね?



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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