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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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朝から、いきなりステーキ!


 どうやら竹の攻撃もひと段落したようですので、エルフの皆さんで刈り取りした竹を広場に作った建物の2階に収納していきます。


「スネーク殿、これはどうされるのですかな? 」


え? せっかく刈り取ったんだし、色々使えるから里のみんなで使えばいいじゃない。乾かして薪代わりにしてもよし、竹細工を作ってもよし。何なら貯金箱にしてもいいですよ! とりあえず、ここに保管な。


「それで、スネーク殿はこれからどうなさるので? 」


うーん、しばらく攻撃がないなら、南砦にいる二人がそろそろ来るはずだから、それを待ってからだね。そうだ、そろそろ相撲取りがお腹空いたと騒ぎ出すころだから、ニクでも焼いておくか。ところで、粥の方はどうなった? まだ残ってる? 昼までの分はありそうですか。それなら、ニクだけ焼いておくか。しかし、でかいフライパンはハンナちゃんが持ってるし…… 石で大き目の深皿パンを作りますか。


”物品生成、大理石で畳一畳の広さの深皿パンを。パンの下には火を燃やせる竈状に”


ズズズズズウ…… 地面から土がせり出したと思ったらあっという間に石になって指定した形になります。我ながら気持ち悪い。さて、この野外竈に火を熾して、熱々にしておきましょう。調理にはやはりマギハンドが必要ですな…… いでよ、自在に動くわれの腕! 千手観音!


【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと32!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと32!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと32!】


うーむ。また一歩、カウントダウンが進んだか…… 今度は注意して途切れないようにしないとな。さてと、料理はどうするかね? どうせ、エマさんのことだからニクニクうるさいし、タウルスニクのステーキでも焼くか。おっと、そのほかにもいろいろ下ごしらえをしておきましょう。ジャガイモを一山出してもらいましょう。あとは人参、玉ねぎ、出してもらって。


「これで何作るの? 」


野菜スープを作って、それにハンナちゃんが来たらカレーを作ってもらいなさい! ジャガイモは、我が高速で皮剥きをします!1000本の腕がジャガイモの皮を剥く!あっという間に皮剥き終わり。剥き終わったやつは使う分だけ残して保存箱行きです。動揺に玉ねぎも皮剥きしてこちらは四つ切。人参はヘタのところを通り、皮剥きして、皮は栄養があるので細かく刻んでスープに入れる予定です。それでは一石鍋を出して…… あれ? ハンナちゃんの乗っている馬の荷鞍に入ってるのかな? そしたら再び作りますか!

”物品作成! 1石鍋を脚付き蓋付き取っ手付きで。鍋の底には薪を使えるようにして! 10セットあれば十分でしょう”


ズズズズズ…… これで一石鍋ができました。こっちにも3つほど水を入れまして火を点けましょう。 



 さて、石でできた巨大フライパンを加熱します。薪よし! 火魔法Lv.1点火イグニッション! ここは荷鞍に入っていた薪を使います。パンが加熱するのを待っておりますと……


”スネークさーーーーーーん! ”


お! 連絡が来ましたな! エマさん、そっちの様子はどう?


”ハンナちゃんが目を覚ましましたー! 今からそちらに向かいますので、オニクをお願いしまーーーーすーーーーーーーー! ”


おうよ! タウルスニクのステーキでええかーーー?


”やったーーーーー! それではすぐ行きますよーーーーー! ”


うむ。とっとと肉を焼かないといけないな。石のフライパンを我の火魔法Lv.2で加熱しまして、その後油をひきます。ひと塊45㎏ぐらいのタウルスオニクを保存箱から出しまして、風魔法Lv.10鎌鼬でカットカットカット!5分割したら、さらにそれを20分割! こうしてひと塊450gの肉塊が完成です。これでも普通のエルフさんには大きすぎます! 3つ残して残りは三分割! このくらいがちょうどいいでしょう…… あとは、ステーキの調味液ですな。別に土鍋を用意して、玉ねぎを細かく切ったものをさらに切り刻んで、上で加熱します……茶色になってきたら水、ゾヤゾーゼ、白ワイン、糖を加えて一煮立ち。ちょっとだけ、ニンニク……クノープラウホを入れようか……迷うところですが、エマさんが食べるんだから入れないようにしましょうね。


「これは何を作っておるんですかな? 」


クラさんが鼻を引くつかせながらやってきました。


「これはステーキですよね! お昼はステーキかぁ! 」


ジャン君は今朝方食ったんじゃなかったか? まだ肉が食いたいと?


「オニクはいくら食べても食べあきません! アンナ、兄さん、喜べ! 」


「ジャン? 浮かれてないで、あなたのやるべきことをちゃんとやりなさいよね…… すみません、うちの弟がご迷惑かけました」


「レイハー君のお姉さんですか? 」


「姉というか、双子ですが」


「弟の怪我を治してもらい、お礼申し上げます。あなたがヴィンデルバンドさん? 」


「いえ、僕はボーデン上級兵です。ヴィンデルバンドはもうすぐこちらに来る予定になってますが…… 」


”スネ――――――クさーーーーーーーーん! ”


ん。来ましたな。長城トンネルから蹄の音が聞こえてきます! からっからっからっからっ! ぱからっぱからっぱからっぱからっ! ひひーーーーーーーーーーん!!!!


「ただいま参上! エマ・バウアー! ニクの焼ける匂いは素晴らしい! 」


まだ焼いてないよ? ハンナちゃんは?


からっからっぱからっぱからっぱからっぱからっ! ひひひーーーーーーーーん!!!


「おはようございます。ハンナ・ヴィンデルバンド! 眠りから目覚め、ここに見参! …… あれ? 隊長は? 」


ボルちゃんなら仮眠とっとるで?


「スネークさ~~~~ん、オニクオニクーーーー! 」


ちょい待ちや! 今から焼くから! ハンナちゃんはどうする? 


「あー、私はお粥で…… できれば冷たい飲み物を…… 」


というわけで、ニクの塊500gのやつを石のフライパンで焼いている間に、回転魔道具で蜂蜜炭酸レモン水を作ってあげました。ハンナちゃんの分をこしらえてたら、ジャン君が騒ぐので、ジャン君とアンナさんにも飲み物をあげます。


「メローネソーダじゃない…… 」


何時もおんなじ物が出てくると思うなよ! おっと、ニクを焦がさないようにひっくり返さなきゃだわ!


「こ、これは……?」


「ツィトローネとホーニッヒをこの魔道具で水と一緒に回転させたものです。おいしいですよ」


「どうしてこの暑い時期にこれほど冷たいのでしょうか……」


「それがスネーク魔法なのです! 」ヴィスィ! 


これこれ、人を指差すもんじゃありません! ニクが焼けたので、調味液をかけて最後の仕上げです。


「あ、あんな塊を食べるなんて…… 贅沢の極み! 」


あれは横綱だから食べられるんやで! 君も蛇の山部屋に入門するかい?


「スネークさんが、蛇の山部屋に誘ってますよー! 」


「なんだかわからないけど、するするーーーーー! 」


キラーーン! 良かったな、エマさん。弟弟子がここでもできたわい、くっくっく。 ニクが焼けたのでお皿に盛って、ナイフとフォーク、あとは小皿にゼンㇷ、塩・胡椒、ワサビーを擦ったものを用意します。


「わーーーーーい、オニクオニクーーーーーー!」


待ちきれなかったのか、ナイフで切らずにかぶりついてますな。あ、里のエルフさん達も寄ってきました…… これからステーキ屋になりそうです……


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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