表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
533/786

作戦会議

誤字脱字報告ありがとうございます。

ご指摘を受け修正させていただきました。


 グラニーラムゼースミスの里守備隊と王国近衛軍の援軍で作戦会議を開きます。場所は…… 我がせっかく会議室を作ったのに、我が料理用にこさえた野外テーブルです。ま、一応屋根も簡単に作ったからいいけどさ。会議の内容筒抜けだぜ。


「いや、我らだけで討伐をやるのは里の者の面子が立たんだろう。スネークだけで討伐すると我ら援軍の面子が立たないようなものだ。それに、里の皆にも意見を出してもらいたいのでな」


おいおい、いくら何でもこの得体のしれない竹の魔物を我一人で討伐できると思ってんのかよ!


「まあ、スネークならできるだろう」


なにその我に対する根拠のない信頼は? 我でもやれることとやれないことがあるのよ? わかってんの?


「さてと、この辺の東側のバンブーは1㎞半径までは伐採してきた。おかげで魔力はぎりぎりだがな。これで少しは時間ができただろう。里長は本当に来られないのか? 」


「あの子は昔っから怖がりでねぇ…… 笹の葉で怪我して以来、里から出ようとせんのじゃよ…… 」


「今も怪我をされているのでしょうか? 」


「なに、大したことはない。昨晩のジャン坊に比べたらなぁ」


「あれってそんなにひどかったの? みんなあれくらい怪我してると思うけど? 」


「怪我をされている人の人数は? 」


「百人くらいか? それで薬の方も持ってきてあるだろうか? 」


「もちろんあるが…… それよりもこれを使った方がいいな」


ボルちゃんが懐のポーチからスネークンを取り出しました。ああ、これなら1発で治りますな。


「怪我している人にこれを当ててくれ。切り傷ぐらいならすぐに治る」


「……… これはスネーク殿の形をしてますな……… 」


「まあ、信じられないかもしれないが。怪我人の話はここまでですね。次は、食糧の話です。里の蓄えはどのくらいありますか? 」


「もう本当にギリギリで、あと10日も持ちません」


「こちらの方で1ヶ月は用意しました。ですのでそれより早く魔植物を討伐しないといけませんね。それでは、これより作戦会議を行います」


この場にいるのは、ボルちゃん、ハート様、クラさん、この3人は額金を付けていますな。あとは、通信部隊のレイハー三兄弟、イルゼ婆さんとゲルダ婆さん、ヒカリ娘三人、そして我です。


「まず、あの魔植物のことを、マギ・バンブーと呼称することはよろしいですか? 」


誰も反対しませんな。


「それでは、マギ・バンブーの生態について、最初から説明をお願いします」


こうして会議は野外テーブルで行われた。まあ、初めてボルちゃんに会った時と大体の説明は同じだったな。昨年の冬の初め、なんかにょきっと見慣れない植物、マギ・バンブーが生えていたこと、その後雪が降り調査は翌年に後回しにされたこと。そのあと雪が解けたらマギ・バンブーが広がっていたこと。初めはグラニーラムゼースミスの里だけの問題だとして、自分らで討伐しようとして笹の葉のナイフに返り討ちに会ったこと。死者がたくさん出た時点で王里に連絡を入れ、討伐要請をしたこと……


「そこから先はボルドウィン殿もご存じの通りですね……」


王里は20名の近衛軍を送りだしたが、王里軍と里の防衛隊の連携がうまくいかず、あっさり敗北したこと。補給の問題のため、王里軍はすぐに撤収したこと。そこからしばらく長雨が続き、マギ・バンブーの活性が弱くなったこと。


「弱くなった時に刈り取りはされなかったのですか? 」


「行動が不活発になったとはいえ、近くに行って刈り取りをしようものなら、例の笹の葉が飛んでくるのです。夜中にちまちま刈り取りをしても、夜が明けるとすぐに芽が出て木になるのですよ」


あれは木じゃなくて草なんだけどな!


「鎌鼬での刈り取りは試されましたか? 」


「鎌鼬を使えるのはこの里では私だけじゃけんど、私のじゃ威力が弱すぎるみたいでねぇ。私じゃ、笹の葉を打ち落とすのが精いっぱいじゃった。あの幹を刈れるのは剣でしかないと思っておったんじゃが、青嵐ブラウ・シュトルムの妹御のなら申し分ないねぇ。なんで前の時に使わなかったのかぇ? 」


「申し訳ない。前回はまだ魔力がそれほど多くなかったので使えませんでした」


「すると、この2ヶ月近くで使えるようになったんだねぇ。苦労したんだねぇ」


ま、ボルちゃんの身の上話は置いといてだ。次は刈り取ったバンブーがどのくらいの速さで復活するかだな。


「うん。もう復活してるな」


えぇーーーーー? 我、ボルちゃんの頭の上に飛び乗り広場の東側を見ますと…… なるほど。元通りになってました。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ