里長が会見に来ないけん
もう時刻は早朝という時間はとうに過ぎてしまいましたな。朝8時ぐらいでしょうかねぇ…… ハンナちゃんが起きるのは何時ごろんなんでしょうか? ハンナちゃんぐらいのエルフの子供らもいますな。この子らもご飯食べたのかな?
「そろそろ里の大半は来たでしょうね」
と、クラさんがいう。あと来てないのは誰ジャ?
「ここに来れない怪我人ですね…… 料理をもっていかせてもらえればそっちに運ぶのですが……」
だから~中に入る許可くれればすぐにでも行くのだが…… おい! 里の長とやらはまだ来んのか? いい加減起きてんじゃねーの? と思ってたらヘルム被った人が! フフフッ、おまえら、オレの名前を言ってみろ! とか言ってそー。
「ああ、通信部隊長が来ましたよ。おーい、レイハー! こっちこっち!」
ああ、アレが通信部隊長ね。ジャン君のお兄さんか。隣に一人女性がいますな。ジャン君とそっくりです。確か双子の妹? 姉?がいるっていってたね。
「レイハー、里長はどうしたのだ? 」
レイハーさん、ハァとため息をついて一言。
「里長におかれましては、援軍部隊長ミア・ボルドウィン殿には会われないそうです」
えーと。何を言っているのかな?
「ああ、僕は近衛軍部隊のリージー・ボーデンと言います。その話は隊長が来てからでいいですか? 」
”隊長、通信部隊の方がこられましたが、どうも事情があるようです。こちらに戻ってきてください”
”あー、了解した。もうすぐ魔力が尽きそうだったからちょうどいい。今から戻る”
「隊長はこれから戻られるそうです。里長がこられないとなると、何方と話し合ったらいいのでしょうか? 」
「そうですね。里長がこられないなら、レオンさんか、イルゼ婆様…… あとはエンゲルさん? 」
エンゲルさんか、食費が安いか高いかを示す人だな!
「ハンスさん、エンゲルさんは怪我人の看病の方に行ってるからダメででっしゃろ。やっぱりここはレオンさん…… でも、レオンさんどこに行ったずら?」
よくわからない訛りだな。ハート様なら、さっきボルちゃんの手伝いに行ってなかったか? あ、ボルちゃんが帰ってきた。来るのはえーな!
「スネークのくれたブーツのおかげでな! 大まかに話は聞いていた。あなたが、通信部隊長か? 」
「はい、フランクフォートのシュッツ様から話は伺っておりましたが、到着が遅いようなので弟を砦の方へむかわせたのですが」
「おっと、話は後程、里の方々は食事制限されていたようですので、道中食糧を調達してきました。里の中に入ることができたら里のどこかで配給したかったのですが…… 召し上がっていない方もおられるようなので、先に食事を摂ってください。あと、何方かハート殿を呼んできてください。里長がいらっしゃらないのなら、何方に話を付ければいいのか確認したい」
「そうですね、何方かハートさんを呼んできてください。それと、あなたがスネーク殿? 」
我を見て、殿と呼ばれておこがましいが、そうです、我がスネー――――――ェー~ー~ー~ー~ク殿ォ―――――――で!えぃ!ひょー~―~―~―~―~ございますーーーーー! テン!テン!テンテンテンテン…………テテン! 決まった!
「何が決まったか全くわからないが、こいつがスネークだ。メルゼブルグで話した通り、なにからなにまで相当頼りになるぞ!」
おはようからおやすみまで、ゆりかごから墓場まで頼られても困るのだが。んで、そっちの人はレイハーさんの妹?
「そうです、こちらがジャンと双子のアンナです」
妹? 姉? どっちでもいいか。アンナさんは無口なようだ。こちらを見て会釈して終わった。
「あ、兄さんたち戻ってきた。アンナもいるじゃん! 早くご飯食べなよ。食べ終わったらメローネソーダ出してもらおーぜ!」
…… 皆、こいつは何を言っているのかという顔をしているな。メロンソーダがわからないんだろう。食事のたびにあれを出しているとこれだけの人数ではメロン足りるかな? まあ、いざとなったら緑魔法使うけど。
「…… ジャンよ、あれは、この里の人の分だけあると思うのか? 饗応してもらったものとは思わなんだか? 」
「え? 食事し終わったら毎回出しているのと違うの? 」
まあ、とりあえず子供優先で作るけどな? ところで、やっぱり30以下は子供でいいのか?
「早くマギ・バンブーを討伐してしまえば、ゆっくり味わえるでしょう。ともかく、食事をされていない方は食事を優先してください」
ボルちゃんの勧めにより、やってきた2人の通信部隊に食事をさせたのであった…… なんかここも人が多くなって手狭だね。広場を広げていいものか……
本日はこれにて。
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