やっぱり~ここは~戦端さ~♪
グラニーラムゼースミスの里のお姉さま方にハオスエンテの解体を頼み、我は調味液の作成。味醂がないのがさみしいが、ないものねだりをしてもしょうがない。ゾヤゾーゼ、白ワイン、糖を一斗鍋に入れまして、ハオスエンテが解体されるのを待ちます…… 1個じゃ足らんから5つ作っておきましょう。
「た、大変だよ!」
いきなりリーちゃんがやってきました。何が大変なん?
「広場の西側がマギ・バンブーでいっぱいになってる! 」
西側というと、ボルちゃん達が刈り取りに行ったのとは反対方向だな。よし、ここはお姉さん方に任す! 解体終わったら、ニクを鍋の中に入れてつけて置いてくれ!
我、リーちゃんと、ヒーちゃんカーちゃんを伴って広場の西側に行く…… 教えてくれたのは開墾部隊の人ですな。
「可動橋でて西側に畑があったんだけれども、その様子見れねーかなあって思ってみてたら、あの魔植がどんどん生えてきてよー」
と、とあるエルフさんが報告してきました。けっこう訛ってんのね。様子をヒーちゃんの頭に乗って伺いますよ。んーーーーーー……………… 見える! 見えるぞ! タケノコがずんずん伸びている! もしやタケノコ刈り放題?
「あぶねーよ! あのマギ・バンブーっての、成長したら葉っぱがナイフみたいになって飛んでくるんだぜ! 結界魔法の使い手がいないと、すぐここまで侵略されちまう!」
毎日毎日エルフは葉っぱの~ ナイフで差されて いやになっちゃうよ~♪
そんなら近づかないで攻撃ですな。あっちには誰もいないんだよね? よし、風魔法Lv.10 いったれ鎌鼬! シユウウウ! ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ! バササササササァ~! うーん、いまいちの倒れ方……平坦じゃないから鎌鼬が地面に刺さってしもたか…… よし、もう少し中に入って刈ってくる!
我、ぴょん跳ねして広場を出ていく。 見えるところのマギ・バンブーに当たれ! 風魔法Lv.10鎌鼬乱れ飛び! あっ! こっちに竹が倒れてキタ――(゜∀゜)――!! 我、びっくりして吹き出していた水魔法の水をあたりにこぼしてしまった…… 同時に水魔法と無魔法が途切れてしもた…… 残念 ……
「スネーク! なにしてる! 」
「周りから芽が出てますよ! いって! ロングテール! 」
我、カーちゃんのパイツェから伸びた水の鞭で全身を巻かれると、すぐに連れ戻された。次の瞬間、我が元居たところはタケノコで囲まれ見えなくなってしまった……
「ふ~、危機一髪と言ったところでしたわ」
「珍しく活躍したな! 」
「珍しくとはなんという言い草ですか! 」
「でも、師匠ならあれはピンチには入らない…… 」
ま、助かったわ、あんがと、カーちゃん。
「師匠がお礼を言っている…… 」
「お礼ならおいしい昼食でお願いします」
はいはい。それにしても、あんなに早く成長するんだな! 我、ちょっとびっくり!
「マギ・バンブーというのは、あんなに早く成長するものなの? 」
いや、我の知っているバンブーはもっとゆっくりだな。1日に1mとか2mとか伸びるぐらいだ。
「あれは、マギ・バンブーというのでっか。あれの成長は確かに早いんですがね、さっきみたいな成長はみたことないですぜ。従魔さん、なにかしたんじゃないんですかい? 」
リーちゃんが我に話していたのを、自分に話しかけたと思ったらしく、近くのエルフさんが喋った。でも、心当たりがありますな…… あの辺で、我、魔法水をこぼしたのよねぇ…… 我の魔法水が原因であんなに早く成長したのだろうか? しかし、それにしても人がいない場所で繁茂してくるのか…… なんか嫌な感じだなぁ。マギ・バンブーの狙いはなんだ?そういや畑って何が植わっとったん?
「この辺では何を植えられていたのですか?」
リーちゃんが我に代わってやせこけたエルフさんに聞いてみる…… 大人の人は食事を切り詰めてたんですなぁ…… この人はちゃんと食事したのでしょうかね?
「蕎麦が主食で、麦をちょっとだべ。谷地形なもんで日の光が当たってる時間が短いのさー」
そうか、蕎麦が主食だったのか。そんじゃ蕎麦を麺にして食べるのかな……… あー、麺は普及してなかったんだっけ? こっちではどんな感じで食べてるんだ?
「蕎麦はどんな風に調理するの? 」
「だいたいは粥にしたり、粉にして水で練ってガレットにしたりだなぁ」
蕎麦はシュタイルハングでも粥にしてたな…… ガレットってなんだろ? パンみたいなもんか? しかし、時間ができたら蕎麦を麺にして食べさせよう! 幸い竹もたくさんあるし、流し蕎麦や!
「師匠? なんか変なワードが…… 」
あ!気にせんといてー>< 我の思考が駄々洩れだった。今考えないといけないのはどうやってマギ・バンブーを刈るかということでした。
本日はこれにて。
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