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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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どんどん増エル、エルフ族


 赤子にちょい甘めのホットミルク…… を少し湯煎で冷ましたものを飲ませます。飲ませている間に、最初に麦粥食べてた連中にタウルスニクワイン煮を配り終えました。あちこちで、うぉーとか、うみゃーとかの雄叫びが聞こえますな。さて、おばあさんたちも麦粥を食べ終わったようですのでこちらにもワイン煮を出しますよ。ついでに野菜サラダも食べなさいね。婆さんたちはさすがにがっついてはいないようで、周りの婆さんたちとこのニクはどうだ、料理法がどうだ、調味料がどうだ、隣の娘が産んだ子がどうだと会話しながらゆっくりたべておりますな。ヒカリ娘も食べ終わったらしく赤子を連れたお母さんたちと一緒に来た幼子に食事を与えていますよ。これは助かります。今のうちに次の仕込みをしますかね…… と思った矢先、次の団体さんがご到着。クラさんが先頭にいますな。あれが、開墾部隊か? いや、違うな……女性のエルフもいますな…… それもたくさん! なにこの団体さん? さっきの守備隊? の人とは違って貧弱な感じがしますが、我が持っていたエルフのイメージそのままだと思えばあながち間違ってもいない。


「あー、レオンさーん! スネーク殿はどちら―? 」


「スネーク殿なら、大きなテーブルで調理をしているぞー!」


ハート様よぅ、食うのに夢中になってはいないか? あれらは何の集団さ?


”ありゃ開墾部隊のやつらと…… その家族かな? まだ席はあると思うが…… ざっと見、百四五十はいるか……”


するとここには里の半分以上の人数がいることになるのか? 君ら、里の防衛は大丈夫なの?


”それはそうなんだが…… 何せ、粥だけでもありがたいのにニクまで食えるとあっては、皆は動かないだろうな”


そうかいそうかい、食ったら動くんだな! そんじゃ、飯食った連中をとっとと働かせんかい!


”なにすればいいんだ? ”


今まで君らは何をしてきたのだ?


”この二月ふたつきほどは雨ばかりで、里に引きこもっておったからなぁ。その前の晴れてた時期に奴らを伐採しようとして例の笹にやられ放題だったんだ。夜には奴らの行動も沈静化するので夜間にこっそり切り倒していたのだが、日が明けるとあっという間に元の状態に戻ってしまってな”


元の状態に戻るというのは、刈ったやつが再びくっつくとかではないんだよね?


”ああ、刈り取ったところの近くから新しいマギ・バンブーが生えてきて見かけは元通りになる、と言った方が正確だな”


本当はそういう話を夜明け前に聞き取りしたかったのだが。それじゃ、新しく来た人たちを長テーブルに案内して。あと、調理を手伝ってくれる人を何人かこっちに寄こしてくれ。食べながら働ける人がいいな。我も調理ばかりしているわけにはいかんのだよ!


”わかった。そう伝えてくる”




 ハート様が5人のお姉さまたちを連れてきた。エルフって言うのは細かい年齢の違いがわかりませんな! ま、ヘタなことは言わないでおこう。


「スネーク殿は賢明ですな! ああ、こちらの人たちが配膳を手伝ってくれるそうです。皆、この蛇がスネーク殿だ。援軍の隊長ボルドウィン殿の従魔だそうだ。良く指示を聞いてくれ…… と言っても向こうの話は、この額金がないと伝わらんのだった。こっちの話は理解しているから、何か聞きたいことがある者はこの額金をしている者に聞いてくれ。ところで、スネーク殿。守備隊は飯を食い終わったので本来の仕事をしようと思うのだが? この額金は誰かに渡しておいた方がいいんではないか? 」  


うん、そうだね…… それじゃ、リーちゃん…… リージー・ボーデン、援軍で2番目に小さい子に渡して。んで、守備隊の人たちはボルちゃんが刈った竹を集めてここに持ってきてくれ。ああ、ササの葉ナイフには気を付けてね。


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