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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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青空食堂


 さて、そんじゃ、まずは竈に火を入れてくれ。君らの朝食は何がいいのかな?


「師匠が、僕らの朝食のメニューを聞いてるよ? 二人とも何がいい? 」


「あー、オレ、昨日食ったコーイのなんとかがいい! 」


ニクじゃなくっていいんかい!


「私、ナーギーのかば焼き! 」


却下! ナーギーを捕まえてから! とか思ったけど、我は捌けない!


「それじゃ、スネ君におまかせで~」


任せるんだったらヒーちゃんとおんなじもんにするで~!


「僕はメローネソーダがあれば! 」


ぼ・ぼ・ぼ・ぼくはメロンソーダが好きなんだな!


「僕はもう一回ステーキ食べたい! 」


ジャン君や、ステーキはさっき食べたでしょう? それと野菜も食べなさい! ところでハート様、あっちに並んでいる人たちは、急に肉食べても大丈夫な部類の人たち?


「ああ、防衛隊のメンバーだ。女・子供・年寄り共に食い物を分けていたので、しばらく粗食だったがニクをくれると助かる。また元気に働いてくれるだろう」


急にニク食ったら消化するのにエネルギー必要なんだけど? 大丈夫かな?


「師匠! 考えてる間に何か作って! お腹空いた! 」


リーちゃん! 君も言うようになったねぇ! よし! そんじゃあ、ハンバーグつくったるわ!


「おい! そりゃ、昨日食べたコーイの何とかよりうまいのか? 」


いや、好みは人それぞれだから…… ハンバーグはお肉を食べやすく・消化しやすくする食べ物だ!


「そんならそれでいいから、早くしてくれ…… 腹減った…… 」


いやいや、ハンバーグはすぐにはできんよ?  昼飯ぐらいにならないと…… もうあるもん食べろよな! リーちゃんは、竈に火を熾す! カーちゃんは1斗鍋にミルクを入れて温めてくれ。ヒーちゃんは…… とりあえず、麦粥食っとけ!


「あれ、味付けしてないやつだろー? あんまり食が進まないなー」


贅沢ゆーなや! もう! とりあえず食材をここに持ってこい! 保存箱の中にいろいろ入っとるだろ! リーちゃんとカーちゃんは動いてくれるのだが、ヒーちゃんは腹が減ると動かない人のようだ。エマさんとおんなじタイプか? 



 動けるエルフ二人を助手にして、我はここでも料理長をやることになり申した。ハンナちゃんがいたらやってもらえるのにね。他のエルフどもはどうやって料理してるんだ?


「スネーク殿!もうすぐ婆様たちが赤子たち連れてこっちに来るから、女衆に手伝ってもらってくれ」


なにーーーー! 赤ちゃんたちが来るのか? 1斗鍋でミルク足りるかな…… カーちゃん、もう一つ一斗鍋でミルクを温めてくれる?


「スネ君は赤ちゃんには優しいのね」


我は誰にでも優しいと思っているのだが…… あ、無礼者には容赦しないよ! 子供だろうがジジイババアだろうが容赦せんからね。ハート様、そこら辺はよろしく!


「えっ…… 私はどうすれば? 」


あんまり無茶な要求をさせないでねという話です。



 一通り材料がテーブルに揃ったので調理をします。お粥を食べた人はお皿をそこのシンクで一度洗い流して、タウルスニクのワイン煮を受け取ってくれ。あ、ハート様がそこのお玉でお皿に注いでね。貰ったら、こっちのテーブルにフォークを置いておくのでそれを使って長テーブルで食ってくれ。三人はこっちの作業テーブルですぐにブロートとタウルスワイン煮を食ってしまってくれ。食い終わったらすぐ作業が待ってるからな! のんびりしてる暇はないんだからね!


「スネークはエルフ使いが荒いなぁ! 」


あほか! そっちこそ蛇使いが荒いんじゃ! とっとと食ってくれ。我、ネギ刻み……ラウホ刻みで忙しいのよ! あ、調味料がここにあるね。マスタードとケチャップとマヨがある。そしたら、野菜を刻んでサラダを作る! きゅうり…キュキュミスとトマト…トマーテとレタス…コプフサラトがあるから、酢と油と塩・コショウを混ぜ合わせてドレッシング作って……野菜サラダの完成です! これ食べないやつはニク食う資格なし! ハート様、そう言ってくれ! ひでぶっ!とかは無しの方向で!


「いや、何を言ってるかわからないが…… ともかく野菜も食べさせればいいのだな? 皆聞け! ここにいる蛇は王里からの援軍、ボルドウィン殿の従魔、スネークという! スネーク殿がこの料理を作ってくれるのだ。皆、ありがたくいただくように! なお、ニクを食うためにはこの野菜サラダを残さず食べないといけないそうだ! 」


我、長テーブルに今作った野菜サラダを…… 何人いるんだ? 50人ぐらい? よっしゃ、マギハンドでもってけー!


「うぉっ、魔力の塊が皿を持ってきた!」


「なんだこれ? 皿が浮いてるぞ!」


「お前は見えないか。魔力であの従魔さんが運んでるんだ」


「なんかすごい従魔だな。こんなの食って、大丈夫かな? 」


「馬鹿、お前、さっきの麦粥もあれが作ったらしいぞ……」


「言っちゃなんだが、あれはそんなにうまくなかったな……、ニクの方も大したことはないんじゃないか? 」


「お前、鼻が利かないのか? あんなうまそうな匂い、久しぶりに嗅いだぞ! あれは絶品にちがいねぇ! オレは食うぞ! 」


なんかざわざわしてますな…… そんなことにはお構いなく、麦粥の味を変えるため、我、保存箱からタウルスニク一包み取り出します。リーちゃん、ちょっと剣を貸してくれる?


「いいけど、なにするの? 」


ニクを細切れにするんじゃー! 我、フランクフォートの宿屋で余った木をまな板にしたものを取り出しました。この上で、ニクをひき肉にする! ホチョーーーー!チョウチョウチョウチョーーーー! ふぅ! タウルスニクの挽き肉終わり。次はスクローファニクを保存箱から取り出して、我、再びの挽き肉作り! 今宵の剣は血に飢えているわ……


「師匠、怖いwww」


嘘つけ! わろとるやないか! そんな茶々は置いといて、我、ハオスエンテのタマゴをたくさん割りまして、大きなボウルに入れます。そしてシャカシャカ溶きまして少しゾヤゾーゼを混ぜまして、野菜類のうち、香草があったよな……サルバイの葉っぱでいいか。大量にあるので刻みまして香付けします。シソに似たこの匂い…… 食欲も出るでしょう。準備しているうち、またまた大量のお客さんが! 今度はババア軍団が来た! こっちに集団で来た!! 怖い!


「ヘビちゃん、お友達連れてきたよ~」


「蛇殿の料理、期待しとるよ~」


「初めまして、従魔殿~。うまい飯が食えると聞いてやってきましたですじゃあ」


「この子が従魔殿で間違いないのかぇ? イルゼさん、ゲルダさん?」


ババアが10人いる! 誰が誰か知らんが、婆さんたちは歯は大丈夫か? ニクとか食べられる?


「婆さん達は、歯とか平気かと聞いているぞ? 年の割にはぴんぴんしているから大丈夫だとは思うが」


「堅いものなら木の根っことかよく噛んでたので大丈夫ですじゃよ」


「それより早く食わせてくれよー」


「はよはよー」


落ち着け! まずは麦粥食ってからだ。年寄りだから、急に栄養入れると胃腸がびっくりするからな。ゆっくり噛んで食え! あっちのテーブルで待ってろ!


 ババア共に溶き卵入りの麦粥を出して、さて次はワイン煮を出そうかとしたとき、次の集団が来た! おんぎゃあおんぎゃあおんぎゃあおんぎゃあ!エルフべィビィがお母さん連れでやってきた><。幼児連れの人もたくさんいます!


片手に赤ちゃん♪ 片手に幼子♪ 唇はガサガサ~♪ 背中に人生を~♪


「あの、こちらでミルクをもらえると聞いてやってきたのですが……イルゼお婆ちゃん?」


「ああ、ここでたんまり飲み食いしていきなよ、アンネちゃん。ほかの子らもなぁ。皆にいっとく。あそこのテーブルの上で動いとるのがスネークと言って、今度の援軍の隊長の従魔さんじゃ。蛇だけど怖がらないでもいいんじゃよ? 普通に接してくれたらいいらしい。ヘビちゃん、そうじゃよな?」


そうじゃそうじゃ! そんで、赤子のミルクはどうやって飲ませる?


「あー、娘よ。お前哺乳瓶は持ってきたか? 」


ハート様の娘だったのか。哺乳瓶使ってたのね。


「だってお父さん!ミルクなんてしばらく里に入ってないじゃない! 哺乳瓶なんてどっかにしまったきりよ!」


まあそんなところでしょうね…… それでは、


”物品作成。クリスタルで哺乳瓶! 飲み口は吸い飲みの感じで唇にやさしく丸めて、1合入るように。50個つくって”


地面からゴゴゴゴと現れましたのは、クリスタル製哺乳瓶もどき。飲み口が柔らかくないのは勘弁してください。マギハンドでテーブルの上に置いて、カーちゃんに、あっためて置いたミルクに糖を入れて少し甘みを強くして哺乳瓶の中に入れてもらいます。ハート様は子供連れのエルフさん達をテーブルにつけて。


「スネーク殿が料理を持ってきてくれるから、皆はここでおとなしく待っていてくれ」


赤子は何人いるんだ? 子供は? お母さんは? とにかく人数を把握してくれ! 人が増えるにしたがって混乱カオス状態になってくるぞ!



本日はこれにて。

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