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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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戦端と兵站が同じ場所だ!


 我、とりあえず作業をするためマギハンドを出します。無魔法Lv.6 魔纏い!来たれ、我の両腕たちよ! マギハンド・千手観音!


”千手観音を登録いたしました”


ん? マギハンド出たはいいけど、カウントダウンが進まない…… 出しっぱなしだったか…… まあいいか。途切れさせないように出しっぱなしにしておきましょう。調理場の方ですが、道中作ってきたようにこっちでも野外キッチンセットを作りましょうね。


”構造物作成、野外キッチン。テーブルに洗い場、洗い場用の貯水塔、薪で調理するコンロ、具材加工テーブル出してくれ!”


ゴゴゴゴゴゴゴ……調理場が出てきたので、我、真っ先に飲んでいた水をドラム缶にして100本はあろうかと思われる貯水塔に入れていきます。コンビナートでよく見かける丸いやつね。ボルちゃんは麦粥・タウルスニクワイン煮の入った一石壺をコンロの上に置いてくれ。粥を食べ終わらせたら、ちょっと休ませてからニクを食わせた方がいいだろう。それとミルクを温めておいた方がいいかも知らんから、空の一斗壺鍋を用意して、その中に入れて温めてくれ。薪は…… 力の2号の荷鞍に入ってなかったかな?


「入っていないな…… どうする? 」


それじゃ、さっき刈った竹を乾燥させて薪代わりにするか…… って、さっき刈った竹はに波砦の向こうに作った倉庫に置いて来てしまったな。我の貯めている木を出してもよいのだが、ここは現地調達と行きましょう! 貯水塔の水は8割がた入ったようだし、また我が飲みながら体内に蓄えておきましょう。そんじゃあボルちゃんや、イタチちゃんと一緒に竹を切ってきてくれ。我、そのあとに刈った竹を回収していく。


「あの、僕らはどうすれば? 」


「誰か人が来たら待機させてくれ。よっぽど腹が空いている者がいれば」


我、おえっと深皿を500枚、スプーンを500本出します。ついでに鍋からお粥を掬うためのお玉も出しましょう…… お玉作ってなかったね。


”物品作成、汁取りお玉10本、具材取りお玉10本”


「一応、食べられるようにはしてあるが味付けがまだまだだとスネークが言っている。戻ってきてから味を調えるそうだ。どうしても我慢ができないものにはその粥を与えてやってくれ、だそうだ。 それではしばらくここをお任せします。スネーク、行くぞ! 」


ちょっと待て、ボルちゃんが先に行くと混乱するので、行くところはこっちで指定な! 長城の壁の日の照っている方向の竹を刈っていくぞ! イタチちゃんは長城に双方向で、ボルちゃんはここから放射状に広がる形で! 


「なぜそのような形で刈っていくんだ? 」


長城は兵站路だから竹に侵略されるわけにはいかない。日の当たる方からにしたのは、そちらが成長速度が早そうだと思ったから。ボルちゃんに頼んだのは拠点防衛の観点からや! 


「わかった。それでは、いくぞ!

空よ、無限の風を生み出す母よ、汝の子たる者の力を我に貸し給え。汝の子はわが魔力マナを与えさらに力をまさんことを欲す。その名は鎌鼬、そらから生まれ、くうを切り裂くものなり、その名は鎌鼬」


ボルちゃんが大剣・蒼天を抜き、呪文を唱える。すると、蒼天から出てきたもやもやがボル・イタチに! 天に向かって咆哮する!


「みぃーーーーーあぁぁーーーーーーー!!!」


なんかかっこええ演出やな>< 我も咆哮したい! 我が音を出すと、いつも、シュ――――だからなぁ……


「こ、これが、鎌鼬の究極奥義! 目にするのは初めてだ! 」 


「なんだかかわいい生き物のようですねぇ! 」


「ミィアちゃんだ! あまり時間もかけられないし、いくぞ! ミィアちゃん! 南側の壁の近くにある竹を壁に沿って刈ってきて!」


みゃっ! という返事が返ってきたかと思ったら、つむじを巻いて去っていった…… さすがに早いね。よし、我らもいくぞよ!

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 20分ほど竹林伐採と素材回収をして帰ってきたら、一つのテーブルが団体さんで埋まっていた…… あ、お皿が出ているところを見ると、もう食べちゃったのかな? そして、小屋の方を見れば栗毛の馬が3頭いました。


「隊長! リージー・ボーデン兵長到着いたしました! 」


「同じく! ヒーディ・フランメクライゼル上級兵、到着!」


「同じく! カルラ・トレーネ上級兵、到着!」


へー、リーちゃんが一番に挨拶するのか…… 兵長が上級兵よりえらいんだ。


「ご苦労。三人とも、朝食は食べたかな? 」


「いや~、こっちでスネークの作るもの食った方が旨いということになって、我慢してた! 」


「スネ君の料理、チョー楽しみ~!」


「師匠、期待してます!」


普通にしゃべるときはリーちゃんが最後なのな。ん? まてよ、馬も一緒に来たということは誰かの荷鞍に薪入ってない?


「薪は、全員の荷鞍にちょっとずつありますが…… 」


わざわざ竹を刈る必要なかった……


「よいではないか。順調にマギ・バンブーを討伐できているようだし、このままの勢いでいこう!」


破竹の勢いというやつですな! 意味は少し、いやだいぶ違うけれども。それはそうと、竹を刈ってもビローン音が聞こえてこないのだが……


「スネーク―、はよはよー! 」


さえずる三人のエルフのもとにやってきたのはハート様です。


「スネーク殿…… 帰って来て早々に悪いが…… もう粥は食べさせたのだが、あれだけでは足らんと…… すまないがニクをもらえないだろうか? 」


ニクならタウルスニクのワイン煮を置いていたはずだが?


「なにっ! あれを我らにくれるというのか? うまそうな匂いがしたから、そちらの隊だけのものだと思っていたのに…… 」


あんな分量一人で…… 食えそうなやつがいるな! でも、ニクだけじゃいかんぞ! 野菜もたんと食べさせるからな! 野菜残したやつは肉抜きジャ!


「ところでさぁ、スネークよぅ、その口元から出てる水はなんだ? 」


「見たところ水魔法のようですが…… 」


「水をがぶ飲みしてるね、師匠」


そんなもんいちいち気にすんなや! そんじゃ、三人は早急に飯食ってからは以前の手伝いしてくれ…… って、誰も額金付けてないね。ボルちゃんが指示してやって!


「私が指示か…… ボーデンに額金を貸しておくから、スネークの指示に従ってくれ。私はもう一度マギ・バンブーを伐採しに行く! 」


ボルちゃんよ…… 君は戦闘民族か?



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