グラニーラムゼースミスの里で配給することになる
「バウアー。向こうの様子を教えてくれ。何か変わったことはなかったか? 」
「先輩たち三人が起きましたー」
「で、そのあとは?」
「さぁ、身繕いをしてましたけどもー?」
「ヴィンはまだ寝ていたか? 」
「はいー、たしかハンナちゃんにはしっかり休むように言ってませんでしたっけー? 」
「そうだな…… そうすると調理ができるのはスネークということになるな……」
ん? 昨日作ってた料理があるんじゃなかったか? 確か麦粥とタウルスニクのワイン煮が一石鍋でつくってあったはずだが?
「いや、あれだけでは足りない気がしてな……」
うそーん? 一石って言ったら容量は180Lだぜ? お粥1杯が2合(360㏄)だとしても500杯はいけるはずや。里の人数が400人ちょっとっていってたよな。お粥だけでも足りるはずやが。それにプラスしてカレースープとかもつくっとったろ?
「どのみち1、2食したらすぐ次を作らないといけない。ヴィンは働かせすぎたから休ませないとな」
我はいいんかい! ま、いいけどよ。そんなら材料をこっちに持ってこさせないと。
「とりあえず、すぐ食える分はバウアーの荷鞍に入れてきてもらった。あとはヒカリ娘を呼んできてもらう。バウアー、頼むぞ。伝達が終わったらヴィンが起きるまで待機だ。起きたらこちらに合流すること。バウアー、頼むぞ」
「わっかりましたー。先輩三人に馬でこっちに来てもらって、あとはハンナちゃんが起きるまで待機ですねー。そしたらスネークさん、お水貰っていいですかー? 」
エマさん、自分のリュックから水袋を取り出した。我、水魔法Lv.3ぐらいで水袋を満水にします。ついでにエマさんの口にぴゃー。あと出しっぱなしにしてもカウントダウンは1度しか進まないので自分で出した水を自分でゴキュゴキュ飲みますよ! ついでにボルちゃんよ。水を使いたいところがあったら言っとくれ!
「そうだな、風呂に水を貯めておいてもらえるか? あとは、私の水袋にも水を補給してもらっておこう。あとは、バウア―の荷鞍に1石鍋がたくさん入ってなかったかな? それにも水を補給してもらうか」
我、水魔法Lv.3で水を出しながら、場所を移動し、風呂桶の中(男女別だから2か所あるのだ)、馬用の水桶、建物に備え付けた水タンク、ボルちゃんの水袋、エマさんの乗る汗血馬の荷鞍に入っていた祝福1石鍋10個に水を満たします……
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと33!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと33!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと33!】
警告音は相変わらず1回だけでしたが、いいのだろうか? 我水魔法出しっぱなしで自分で出して自分で貯蔵!
「それではバウアー新兵、任務のためいったん南砦に戻りますー!」
荷鞍を降ろして身軽になった汗血馬、力の2号はエマさんを乗せるとさっそうと長城内トンネルを駆け上っていった……
「それでは、腹が減ったらなんとやらですから、朝食でもいかがです? 」
「食う食う! 僕ステーキ! 」
「オレも! 」
「儂も! 」
「わしゃカレーをもう一度食べてみたいねぇ! 」
「ちょっと待て! そんなに食べていいのですか? 」
「ハンスよ、食える時に食っておかんと! 」
「すまない! 里の皆を置いて自分だけ先に食べるわけにはいかないのだ。ボルドウィン殿! ここに里の人間を呼びますが、よろしいですか? 」
「よろしいも何も、そのためにここを作ったのだとスネークが申しています」
「わかりました! それでは里の者たちを呼んでまいります! 」
「ああ、私らも行くとするかい。自分らだけいい思いするのもまずかろうて。ふぉふぉふぉふぉ」
「そうじゃそうじゃ、ゲルダさんの言う通りじゃなぁ。どれ、ワシらも人を呼んでくるわ。蛇ちゃんや、あのアイスクリームとやらをたくさん作っておいておくれなぁ」
「ジャンよ、お前はいかなくってもいいのか? 」
「僕には通信部隊としての役割がありますので! 」キリッ!
決め顔で答えたジャン君だったが、ニク目当てだったのは言うまでもないだろうな。そんじゃあ、準備するかいな。結構広めに作った広場だったが……50人掛けの横に長いテーブルを4つつくりゃ大丈夫か……
”物品作成! 長テーブルとイスを…… 椅子の高さは子供からお年寄りまでいるから4段階調節でそれぞれ100個ずつ。テーブルは4つ”
何もないところからイスとテーブルがせり出してくるのはいつ見てもイリュージョン! 魔法なんてそんなもんか。我が出している水魔法なんて空中から突然現れてくるからな。
ちょっと切るところが・・・
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




