やぁ! クラさんだよ!
やぁ、私ですよ!
ちょっと休むとすぐ設定を忘れてしまう><
待ち合わせ時刻の6時になった。何やら壁の一部がこっちに向かってゆっくり倒れてきましたな! あれが可動橋というやつかな? どうやって動いてんだろう?
「あれは魔道具で、魔石を使って動かしている」
そうかよかった。てことか滑車とかの応用で人力を使っているのかと思った。ガラガラと音を立てて橋がこっち側にやってきました。向こう側にはハート様と同じくらいの背格好の人が仁王立ちしてた。
「レオンさん!何事もなくて安心しました!」
「ハンス、お前も来たのか。とりあえず、カールの坊やはどこにいる?」
「レイハーなら里長のところに報告に行きましたが? それより援軍との合流は無事にできたようですね! 」
「ああ、こちらが王里近衛軍のボルドウィン殿だ。あとは…… どれほどの人員で来られたのでしたかな?」
「総勢6名と従魔1体です。ハート殿、こちらの方は…… 前来た時はあった記憶がないのですが? 」
「彼は、ハンス・クラインガルデンです。そうですか、前回会ってなかったのなら自己紹介をしてくれ」
「はい、私はハンス・クラインガルデンと言います。里で開墾部隊をやってます。要は食料調達係です。それで、ボルドウィン殿…… 申し上げにくいのですが…… 」
「ああ、わかっております。食糧の件でしょう。前回はそれで失敗しましたからね。とりあえず、あちらで話をされませんか? 」
ボルちゃんが目線で方向を差した先には我が作った建物があります。それを見てクラさんは目を見開いておりました……いつものことながら口はあんぐりですね。
「ボッボッボルドウィン殿…… これは一体……? 」
「従魔のスネークの土魔法です。スネーク、挨拶代わりに飛び跳ねて」
我、ホップ・ステップ・ジャーーーンプ! スネーク空中三回転! 見事な着地!
「ハンス、何か言ってやれよ? 」
「お見事な空中三回転でした…… スネーク殿がアレを土魔法で作った…… 土魔法が得意なのですか? 土魔法で建物ができるとは信じられん…… 」
「スネーク殿、ハンスも土魔法の使い手なのだ」
あれーーー? ここって風の里なんじゃないの? みんな風魔法しか使わないと思ってた。
「そんなことはないぞ。いくら里が小さくても、水魔法や火魔法使いがいない里はありえない」
へぇさよか。ちなみにハート様は何魔法使い?
「私は魔法は使えないな。だから剣技のみしか役に立たんよ」
なるほど、剣技だけでボルちゃんとやり合えるのか。やるね!
「レオンさん、さっきから誰と話しているのですか? 目線が下の方になっているのですが…… 」
「ハンスは観察眼が足りんなぁ。オレの額に何がついている? 」
「額金ですが…… 」
「ハンスは知らんのか? この額金には通信機能がついているのだ。そして、見ろ。ボルドウィン殿の従魔にも同じものがついているだろう? つまりはそういうことだ」
「どういうことですか? 従魔には涎掛けはついているようですが…… あれれ? あれ額金? 」
「すまんな、スネーク殿。ハンスは察しが悪い方でな」
「スネーク殿? ボルドウィン殿の従魔の名前がスネークと言ってましたが? 」
「ああ、喋っているのはスネーク殿だよ。婆様、すまんがこいつに額金を貸してやってくれませんか? 」
「物わかりの悪い子にはそれしかないよねぇ…… それ、ハンス坊。これを付けてみれ!」
クラさん、婆さんから額金を受け取り、額に装着!
”やぁ! クラさんだね! 我がスネークだよ!”
「…… え? 今聞こえたのは? 」
「スネーク殿…… 話し方がおれと全然違うのだが? 」
”あれー? そうだっけ? めんごめんご! ”
「時々何を言っているかわからないことがありますが、そういう時はあまり意味がないので受け流してくれると助かります。それではそろそろあの建物に入りますか。そろそろうちの隊員が来る頃だと思うのですが」
ボルちゃん、今度は目線で長城トンネルの出口付近を見る。
「あ、あれはなんですかーーーー! 」
クラさんはまたも放心状態になりましたな。
「うん、いろいろと聞きたいことはあると思うが、まずは建物の中に入るぞ」
さすがは安定のハート様やね。トンネルの中からは蹄の音が小さく聞こえてきた。だんだん大きくなりますな!
”たいちょ~~~”
……… エマさんの声が額金を通じて聞こえてきました。……カラッカラッ…… パカラッツパカラッパカラッパカラッ。ヒヒ~ン! あ、力の2号の嘶きですね。
「たいちょ~、エマ・バウアー到着しましたー! 」
「また、立派な馬に乗っておられますな……」
赤兎馬に圧倒される里の皆さん。ハート様は見てなかったかな? まあ馬たちは1階で寝てたから見てないか。
「バウアーも来たことだし、行きますかな」
馬のことには触れずに建物に行くことを勧めるボルちゃんであった。
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




