我の異常な魔力量(風魔法編)
マギ・バンブー対策会議のようなものを開かないで何かすることになった。無策にもほどがあると思うのだが、里のエルフたちが飢えに苦しんでいると言われれば、それは何とかしないといかんなぁとも思うわけです。さて、起きているメンバーはエマさんを除き全員出撃することにします。イルゼ婆さんのつけていた額金は外してもらってエマさんにつけてもらうことになりました。これなら砦のみんなとも連絡が取れますからな。
砦を出ると、山際が明るくなってますね。日の出はもうすぐ。明るくなったからグラニーラムゼースミスの里がどんな感じかわかります…… 赤壁や! 切り立った赤い崖が川向こうにバーン! ところどころ穴が開いているのは風穴かな? 我たちがいる場所よりは背が低い絶壁です。ああその向こうにまた崖が見えます…… あちら側にも何か建物らしきものが見えますな。ぐるりと絶壁で囲まれているのか? そうでもない感じなのは赤い壁の右側に光が当たっていることでわかります。あ、朝日がキタ――(゜∀゜)――!! あーさひがサンサン♪ おはよーさん! 我の影が左側に伸びた。朝焼けの光の中に立つ影はーーー♪
「スネーク! 用心しろよ! バンブー共の様子が変わったぞ! 」
おおそうですか。光を受けて活性化したようですな…… ぶふっ! せっかく刈り取ったところから再び竹が生えてきました! あー、あのタケノコ、収穫できないかなぁ…… などとぼんやり見てたら、ちょっと? ちょっとちょっと! 何あの異常な速さのタケノコの伸びは?
笹が一枚あったとさ 笹の下にターケノコ ターケノコ♪
タケノコどんどん伸びてきて~♪
孟宗竹 笹いっぱい?
あっという間に マギ・バンブー!
マッマッマ―の マギ・バンブ~♪
あっ、やばい! 笹が飛んで来た><
「エアーウォーーーーーールじゃーーーーーーーー!」
とっさにゲル婆さんが空気壁を出してくれたおかげで難無きを得た。ふーっ! びっくりしたなー、もう! これがモーニング・スラッシュというやつかな?
「スネークよ…… 油断大敵だぞ! ゲルダ様ありがとうございます! 」
「ふぉふぉふぉ…… 蛇殿の真価を見ないうちに死なぬわけにはいかんからのぅ」
あんがとさんね。そんじゃあ我も皆の周りに空気壁を出しときましょうね…… 風魔法Lv.4空気壁…… ちょっと大きめのトンネルの感じで……
「ム! これが蛇ちゃんの魔法かぇ? なんという大きさのエアウォールか! 」
「あ~、すごい濃密なエァウォールだねぇ…… 儂の十人分ぐらいの厚みかねぇ…… すごいものを見せてもらったよ。これでいつお迎えが来てもええわねぇ」
なんということを言うんだ。ボケてんのか?
「スネーク殿よ、見えるだろうか? あの方向に下っていくと少しだけ開けたところがあるんだ……」
全然見えねぇ。我、ハート様の頭にジャンプ! どらどら? あー。なんかちょっとだけスペースがありますな。
「そこの空いたところの向こう側に可動橋があるのだ! あそこまで、夜明け前に見せてもらった坑道をつくってくれないか? 」
なるほどね。あそこからこっち側に登ってくる途中、土魔法でトンネルを作ったところじゃな。もう見えなくなってる…… よし! ここはひとつ、どでかい鎌鼬を出して竹を刈ってしまいましょう!
風魔法Lv.10鎌鼬・大! いっけー!
10m位の巨大な半月上の鎌が斜面に沿って飛んでいく…… 鎌って曲がっている刃の内側が鋭利な方だけど、あの鎌は外側が鋭くなっているようですね。でっかくしたおかげで鎌鼬がどんな構造になってるか、ちょっとだけ理解した。
「…… なんというか…… なんということか…… あのようなものはありえない…… ありえないはずのものが…… 」
アリエールなのです! ボックスティッシュなのです! 生前の我の愛用品だったのです! さて、刈った竹を丸呑みしていきましょうか…… とか暢気に思ってたら、ズズズズズズ…… ありえねぇーーーーー! また竹が生えてきやがった!
「アリエールだな。今朝方のバンブーの成長速度を考えれば、切った端から生えてくるぞ!」
ボルちゃん! アリエールを知ってるなんてありえない!
「いや、スネーク用語の一つだろ? ダイジョーⅤ、みたいなものじゃないのか?」
ク…… 無駄に言語学習能力が高いな。
お読みいただきありがとうございます。
もう一話書けそうだったらかきます^^
寝落ちしてたらごめんなさい><




