表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
512/786

通信部隊見習いジャン君


 我、南砦に戻る。扉が開きませんな! 我発声できない! 仕方ない、ここは風魔法Lv.4空気壁エア・ウォールで階段を作りましてぴょんぴょん跳ねていきます。天国への階段ですね。高いところから見下ろしますと、我らが刈り取ったところはほんの一部分にすぎないことがわかりますな。ま、あれだけ広く刈り取ったんだから、ササの葉が飛んできても対処はできるだろう。砦の屋上に到着。我下へ向かう階段へ…… あ、ここもとびらがあったのだった。


”誰か、屋上のドアを開けてくれーーー。マギハンドは使いたくないんじゃー”


”カウントダウンが進むからな。ヴィン、頼まれてくれるか? ”


”大丈夫ですよ、スネークちゃん、すぐ行きますからねー”


待ってる間に我、刈ってきた孟宗竹をおえっと吐きます。どのくらい狩りましたかない? たくさんここに吐いてみましょう。おぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおえぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇおぇええおぇおぇおぇおぇぇおえぇ。


「お待たせしましたー……って、スネークちゃん。これは?」


敵を知るにはまず味方から。いや、ちがうな! それは敵を欺くには、だった。敵を知らないと。と思って刈ったものをもってきたのだ。あと、素材が役に立つのでちょっと出してみたのだ!


「この素材が何になるんですか?」


この節と節の間は空洞になってるから~、節を両端にするように切り取って~節近くを削って~、貯金箱とか。


「び、微妙ですね」


それは冗談だ。竹で一番重宝しそうなのはナーギーの串焼きの串に使えるところだな。木よりも簡単に作れるんじゃないかな? いろいろできそうだから持ってきたのだ。それはそうとして中に入るかい。

 ハンナちゃんの後についていくと、そこはカレー臭漂う部屋だった。


「来たかスネーク。これが今回の最重要戦力だ。スネークよ、こちらのご老体が……」


イルゼ婆さんだったっけな。よろしゅうに。我、ぴょんぴょん跳ねて自己アピール。


「そして、こちらが……」


ジャンと呼ばれてた青年か。うむ、大儀である! 我、胸を反らす!


「なんだかイルゼ婆様の時と態度が違うような……」


だってー、なんだか貧弱貧弱ーだしー? 君、戦えなさそうだけど、ここにいて大丈夫なの?


「そう言ってやるな? ジャン殿はカール・レイハー殿の弟なのだそうだ」


誰だっけ?その人?


「メルゼブルグ最後の日に連絡をしてきた人ですよ? 通信部隊を名乗ってました」


そしたら君も通信部隊の人なの?


「ジャン殿はまだ未成年なのでそういった仕事は任されないそうなのだ、本来なら」


「兄がずっとこの砦に出ずっぱりだったので家族が心配してて…… 防衛隊の人に頼んで交代をしてもらうよう頼んだのです」


笹の葉だらけだったのは?


「笹の葉に刺されっぱなしだったのはどうしてか聞いているぞ?」


「私の結界魔法が鎌鼬だったからのう、許してくれ、ジャン」


あ、そうそう、なぜに鎌鼬が結界魔法なのさ?


「前にスネークちゃんに言いましたが、結界にはスネークちゃんのように認識阻害系とは別の結界があるのです」


知ってる、シュタイルハング村の近くにいたゴブリンがやってたやつがそうだね。


「あれはおそらくだが技能結界の一つだな。スネークが使うのとは別のやつだ」


「そして魔法で外敵を排除するのが魔法結界…… スネークちゃんの空気壁エア・ウォール土壁アース・ウォールもある種の結界なのです」


するってーと、なにかい?  鎌鼬をたくさん出して身を守るのも結界というんかい?


「私の鎌鼬はぁ、数がだせんでのぅ…… ジャンに迷惑をかけることになったわ」


それでジャン君、YOUは何しに砦に?


「砦に来たのはなぜかと聞いてるな」


「それは兄がフランクフォートに連絡を入れてから2日経っても援軍がこないので、どこかで連絡が取れないかと思い……」


我らが来るのが遅れたから心配してたのか…… そういや、一日で来れるとか言ってたよね? 


「まあ、魔物との遭遇があったし安全を見て丸二日かけたと言ってもらいたい」


「やはり魔物と遭遇されたのですか?」


「フランクフォートに連絡を入れた種類と、あとリーズィッヒ・コーイもいたな」


「リーズィッヒ・コーイ! どのような魔物でしたか?」


興奮するジャン君に、ハンナちゃんが色紙を見せた。


「じゃーーーん! これがリーズィッヒ・コーイのイラストです! 」


「こ、フ、これが…… フフへへ…… リーズィッヒ・コーイ? ププププーーーーー! 魚に顔がついてますよーーーーーーーーーーー!」


「よかったですね、スネークちゃん! 大爆笑が取れましたよ!」


いや、我はまじめに絵を描いたのだが?


本日はこれにて。お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ