グラニーラムゼースミス南砦に到着
朝の予約投稿して寝る…
たどり着いた場所は切り立った崖の上だった。こんなところによく石で砦なんか作ったな。
「里を開墾する際に土魔法使いに頼んで作ってもらったそうだ。里を中心にして東西南北の4つ砦があるそうだ」
伝聞の助動詞、ソーダか。
「中に入ったらメロンソーダ飲みたいですね」
「そうだな。そうするか」
「おおっ、隊長さんが気の利いたダジャレを言ったぞ! 」
「これは洒落ではない。それより、誰もいないのかな? 」
我、気配察知で誰かいないか探ります…… 結構大きな構造物ですな…… 上の方に誰かいますね……
「確か砦の屋上から中に入れたよな。私が行ってくる。みんなはここで待機だ」
よっしゃ! 我も行ったる! ボルちゃんの頭にぴょんと飛び乗ります!
「よし、ではいくぞ! 空中闊歩!」
ボルちゃん、その場から砦の屋根に一直線に宙を駆けていく! 完全に使いこなしているね! あっという間に砦の屋上に到着。屋上には小屋があり、そこから下へ向かう階段があるようです。ボルちゃんドアを開け、階段を下りていく……
「誰かいないか! こちらは王里からやってきた援軍だ!」
「…………」
気配があるな! 寝てんじゃねーの? ボルちゃん、ポーチから我が渡しておいた光の水晶玉を取り出した。
「う、うーん、もう朝かえ? 」
なぜかエルフのババアがベッドで寝ていた。隣には、ケガ人らしき男が寝かされていた…… 呼吸をしているところを見ると生きてはいるようだ。
「残念ながらまだまだ深夜だ! 私は王里からやってきた援軍を指揮している、ミア・ボルウィンだ。ここで寝ていたということはグラニーラムゼースミスの方と推察したが?」
「あーーー、起き抜けで頭が回らんて…… 何か飲むものをもってはおらんか?」
「冷めたものでよろしければ」
ボルちゃん懐から弁当箱についている水筒かとカップを取り出し中身を注ぎます。あれはお茶ですな。ババアはじろじろとカップの中身を見ます…… やっぱ飲みつけないものは飲まないのかと思ったら、おもむろに口をつけてグビッと一口。それからあとはぐびぐびと飲みだした。
「ボルドウィンとやら。もう一杯貰えるかい?」
「ああ、これごと飲んでもらって構わない。いろいろと話を聞きたいのだが、その前にここの入口に仲間を待たせているので、中に入れていただきたいのだが?」
「何人で来なさった?」
「六人、騎馬が6頭、従魔が一匹。そら、私の頭にいるだろう? 」
「え? それは従魔かえ? 王里で流行ってる奇抜な帽子かと思ったぞい、ふぉふぉふぉふぉう」
ババア、二杯目の緑茶を飲み干すと、何やらぶつぶつ呟いてた。もしかして、開け方知らない?
「えーと、たしか、この辺に扉を開ける魔法が書いてあったはずだが…… これだったかな? すまないが、あんた、この呪文を1階で唱えてくれ」
「私が唱えても開くのか? 不用心だな」
「ま、120年も前に作られた砦だからな。それに里のもん以外は誰も使わんて」
「わかった。仲間を砦に入れたら、扉を閉じてまたすぐに来る」
「ああ、戻ってくるなら何か食べ物と飲み物、あとは傷を治す薬かなんかあるといいわな」
「この砦にいるのは二人だけか? なら二人分用意する」
どうやら、この部屋は3階だったようです。階段を下りて一番下まで向かうと駐車場ならぬ駐馬場のようになっていましたが、最近馬が入った様子はありません。さてと、扉らしきところに来ましたよ。さあボルちゃん、合言葉を唱えなせい!
「うむ。『開け、ドア』」
開け、ドア~♪ いまはもお~ 流れでたらぁあああ ァジア!
ドアが開きましたよ。なんという合言葉か! 開け、ゴマとかじゃねーの? 不用心にもほどがあるわい!
「開いたな……」
ドアの向こうで待ってた人たちもきゅうにドアが開いてびっくりしたようです。
「あ、開いた!」
「ささ、入ろうぜ~」
「入りましょう入りましょう!」
「用心しないと中にどんな仕掛けがあるかわからない」
「種も仕掛けもなかったから安心してくれ。フランメ、トレーネ、ボーデンは馬の世話をしてくれ。栗毛の3匹は今日一日トレーニングしたから疲れてるだろう。スネークの光魔法を使ったからと言っても精神的な疲労は取れないはずだ。水と飼い葉と寝床の藁を引いてゆっくり休ませてくれ。終わったら階段を上ってきてくれ。ヴィンは食事の用意、たぶん消化に良いものがよさそうだな、それと治療具の用意をして私と一緒に来てくれ。バウアーはヴィンの荷物をもって付いて来てくれ」
「「「「了解しました」」」」
「わっかりました~」
エマさんはそろそろみんなと返事を合わせた方がいいと思うぞ。




