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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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謎植物とは竹だった

長らく引っ張ってきましたが謎植物は竹、竹でございます。



 これが謎植物の正体か――い! ただの竹林やんけ!


「スネークはあの植物を知っているのか? いや、説明は後だな、今は砦へ入ることを優先!」


こんなに近づいたんなら、もう額金使えるんじゃね? この会話も聞かれてる?


「本来ならもっと遠くても使えるのだ。第一ここまで来たのに砦が見えないとはどういうことだ?」


さあ? 夜だから?


「それだけあれが生い茂っているということですね! ここから先の道が、スネークちゃんの言う”チクリン↘”で覆われていますが、どうします?」


「もうあと300mだ! 夜は奴らも行動がなかった! 強行突破する! 私とスネークの鎌鼬で道を切り開くからあとの者は続け! スネークは左側、私は右側、真ん中を」


ボル・イタチに任すんやな! 了解した!


「ボル・イタチって、言うなー! いくぞ!


空よ、無限の風を生み出す母よ、汝の子たる者の力を我に貸し給え。汝の子はわが魔力マナを与えさらに力をまさんことを欲す。その名は鎌鼬、そらから生まれ、くうを切り裂くものなり、その名は鎌鼬」


ボルちゃん、背に背負う大剣を抜くと呪文を唱えた。剣についているスカイブルーの宝玉がきらりと光る! 剣からもやもやしたものが立ち上ったと思ったらだんだんと形を表し……


「みぃあ!」


出た―――――、ボル・イタチや! お久しぶりーフ!


「あれが、ボルイタチか……」


「ミィアちゃんと言ってませんでしたっけ?」


「隊長の魔法から生まれたヴィーゼルです! 魔法生物? いや、生物魔法? 」


「かわいい……」


「あれは食べられるんですかねー? 」


「ミィアちゃんは中央を力続くまで切り裂いて! お願い! 」


頼むで、ボル・イタチ! 我もやりますよ。風魔法Lv.10 切り裂け、鎌鼬!

 

「すごい! ミィアちゃんがあれをどんどん切り裂いていく!」


「隊長も前の時よりずばずばアレを切り裂いてるぜ? 前回の攻撃はほぼ効かなかったのに!」


「たぶん、魔力を剣に込めてるからでしょうね。さすがはミスリル製!」


「それにしても、スネ君の風魔法もすごいですわよ!広範囲にアレを切り裂いていきます。隊長より刈り取り面積が広い!」


「あの葉っぱも飛んでこないし、今がチャンス! 進むべし! 年長者がいうから間違いない!」


「急に積極的になりましたわね」


「だが、リーちゃんの言うとおりだな。いくぞ!」


坂を駆け上っていくボルちゃん小隊。我も刈り取った竹を丸呑みしつつ駆け上る。一応道らしきものはある! 道を駆け上れ!


「ミィア!」


どうしたイタチちゃん? なんかいたっちか? と思ったら、行く手に石臼が見える! なんかぶつぶつ言うとるぜ?


「ヒカリノタマ…… アレハ ヒカリノタマ……」


「タマノエノタマ……」


「チカラカンジル…… ホシイ…… アレガ ホシイ……」


「ヨコセ! タマヲ ヨコセ!」


「タマヲ!」「タマヲ!」「タマヲ!」「タマヲ!」「タマヲ!」


「ヨコセヨコセヨコセヨコセヨコセヨコセ!!!!!!!!!!!!!!!!」


石臼がごろごろ転がってきた! どの口がしゃべってるんだろう? あれにかまわず、イタチちゃんは竹のみに専念!


「フランメ! さっきのゴーレムが転がってきている! すぐに対処を! 転がって来てるからあの火鼠は入ってないと思われる! しっかり叩いていってくれ!」


「了解!」


「それと、バウアー! フランメの補佐だ! いけるか? 」


「わっかりましたー。ただの石ならだいじょうぶですーー! 」


「あれこれする必要はない。進路を変えさせるだけでいいぞ? できるな? 」


「そんじゃ、えーちゃんや。私の撃ち漏らしを馬たちに行かせないように頼むぜ! 」


「はいー! 」


「ま、力のない私たちは今回見物ですわね」


「あの葉っぱが飛んでくることに注意だね! 」


「夜は大丈夫だと思いますよ? 」


こうしてごろごろ転がってくるゴーレム石を躱しつつ、時には砕きつつ、竹林伐採をしながらボルちゃん小隊は砦とやらに到着した。ボルちゃんが砦に来た時はすでにイタチちゃんは消えていて、ボルちゃんがかわいがる暇もありませんでした。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。


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