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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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夜間行軍


 寝ている三人が起きるころには、夕食というには遅い食事の準備が出来上がっていた。それと行軍用弁当箱、光魔法を込めた水晶玉を光源にしたヘッドランプが完成した。ヘッドランプにはあらかじめ作っておいた魔力を込められる水晶玉を土魔法Lv.18石細工ストーンワークスで6分割して再び球形にし、あとは物品作成魔法で光源を一定方向に向ける反射板をクリスタルグラスで作って、それに銀魔法でメッキをかけた。目論見通りにヘッドランプを向けた方向はよく見える懐中灯(懐にはなく額についているが)の出来上がりです。弁当箱もやはり物品作成魔法で作った。サンドウィッチは弁当箱の形に合わせて4角形にしてもらい、ついでにのどを潤せる程度に500mlの水筒を抜き差し可能な形で弁当箱にくっつけた。エマさんのだけは他の人の倍の長さの弁当箱にしたのは我の思いやりです^^。寝ている三人が起きる前にハンナちゃんが新たにお風呂にお湯を張り、我を連れて1番風呂を堪能してたのは秘密です。我、じたばたと抜けようとするが、無魔法Lv.4表面潤滑スリッパリボディを使うと容易に抜けれるのだが、カウントダウンが進んでしまうと思い、使わなかったのだ! ロリでもない我はロリとお風呂に入っても親戚の子供をお風呂で洗ってやる感覚なのだ! ハンナちゃんが風呂から出て、しばらくするとどろどろになった二人が帰ってきたので、風呂に入ることを勧めた。その間に調理をしていたという寸法だったのだ。


 夕食は、起きたばかりのエマさんが眠くならないように軽めの軽食っぽい感じだった。ローゲンブロットにバターとチーズをのせて火魔法で軽く炙りチーズがとろとろになったところで加熱ストップ。あとはトマーテ(とまと)とキュキュミス(きゅうり)、コプフサラト(れたす)、ツヴィーベル(たまねぎ)を使ったサラダ、そして根菜類を入れてコトコト煮込んだスープにハオスエンテの溶き玉子をいれたもの。朝食のような夜食を取るとすぐに出発する。


 谷底に掛けた橋を渡り、少し川下の方へ進むと、また坑道ですな…… ここは崩れないのかな?


「今から120年ほど前に、この地に入植する際に土魔法の使い手にトンネルを掘ってもらったそうだ。だからまあ大丈夫だろう」


そうかい。魔法で掘ったトンネルか。すると、ここまでに入ってきたトンネルは全部そうなのか?


「まあそういうことだな」


そうすると、あの鼠らはどうやってあそこに入ったのだろうか?


「それもそうだな…… ここも奴らがいると思った方がいいのか? 皆、油断するなよ! 昼間の魔物が出るかもしれんぞ!」


マジかよっ!とビビってる声がするのは置いといて。このトンネルは長さはどのくらいあるん?


「そうだな、昼間のに比べればだいぶ短いな……300mぐらいか? ここを抜けると南側の砦までもう少しだ」


そうですかい。お馬さんたちを常歩なみあしで歩かせるとすぐに出口が見えてきた……と同時に、例の鳴き声が…… あれ? 一か所からたくさん聞こえますな? どーゆーこと?


クヴィークヴィークヴィークヴィクヴィクククヴィヴィヴィヴィヴィ…………


あ? 散らばった? ドトンネルの中で鳴き声が反響する。


クヴィーク!クヴィーク!!クヴィーク!!!…………… 


最初に鳴き声が舌、トンネルの道の真ん中には何か大きなものがありますが…… 動いた!?


「あれが、シュッツ様の言っていたストーンゴーレムのようだな!」


そうみたいね! なんだか大きな石の塊に手足が生えている……キモッ!


「あれだけならオレでもなんとかできるんだが、ネズのやつが……」


そんじゃ、奴らを引き離すか! あのゴーレム、足をやっつければあとはカーちゃんのムチで何とかなるんでね?


「あの手で鞭を引きちぎったりされませんかね?」


「それじゃ、手の方は任せて! 足は師匠、お願い!」


よっしゃ、行くでー、土魔法Lv.24礫弾ストーンショット!足を狙って、テーーー!


「こっちは、手を狙って……Bang! Bang!」


よし!手足ともに命中や!大きい石、岩というには形が整っておりますから、あえて石と呼びますが、石の足が崩れ落ちたと思ったら、横倒しになって、ゴロゴロと転がってきた! 手の抵抗は?


「よっしゃ! あいつだけなら、オレでもやれる!」


「せんぱーい、がんばってくださーい!」


たぶんエマさんなら張り手一発で出口まで飛ばせそうだが…… さてはこいつ、怠けてるな?


「そんなことないですよーー?」


そんなことあるですよー! 人に働かせて自分は楽をする、それがエマ・バウアー! 社長の器!


「ま、やる気になっている奴の気をそいでもいいことはないからな。ここはフランメに任せる」


「よしまかされたー! ガントレット装着! いっくぜー!」


あとはこっちに向かってきたゴーレムをオラオラしてぶっ壊したヒーちゃんだった。このゴーレムは見かけのわりに石材が少ないね……と思ったら、中が空洞になってるようですな?というか、はち? 石臼いしうすのようなものに手足がくっついた、気持ち悪い系の魔物です。まぁ、魔物で気持ちいいのは毛皮付きのやつだけですが(例;アナーキンラビットのアナちゃん)。我が、壊れた魔物を観察している間に、カーちゃんとリーちゃんが火鼠を全滅させていた…… モノを回収するために呼ばれたのは言うまでもない。


「ふーん。そうすると、このゴーレムが火鼠を運んできてたのは間違いないようだな」


たぶんそうじゃないかな?  壊した石には魔法陣と魔石がついてて、魔法陣の方が壊されていた。この魔石もなんだかよくわからないから、我が丸呑みしておきます。魔法陣の方はところどころ欠けているので、そこ以外をハンナちゃんがスケッチして、残りは交通の邪魔なので我が丸呑み。さて、すぐそこが出口ですな…… 再び馬に乗ったボルちゃんの頭に乗る我。


「さて、出るとすぐに南砦だが…… 奴ら、どうなってるかな?」


奴等とは?


「見ればわかるさ! 坑道を抜けるぞ!」






我、トンネルを抜けると…… 外には月明かりに照らされた竹林が広がっていた。



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