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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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氷魔法


 ハンナちゃんには昼飯の時に作った基本タレを1斗鍋に入れて作ってもらった。あとで大銀貨1枚分請求しよう。醤油が1升瓶10本分で100万円の価値なんて狂っとるとしか思えん!基本タレを調合し終わったハンナちゃんが、ウナギ調理用の小屋で1斗鍋をポーチから出した。


「ゾヤゾーゼは何の料理にでも使えるんですね」


ハンナちゃんの言う通り! 醤油万能! 醤油はえらい! 醤油さまさま! 自分で作れたらもっと安くなるのになぁ!


「ゾヤゾーゼはゾヤボーネが原料なのですが、作り方はわかるのでしょうか? だったら私作ってみたいのですが」


うーん、我もわからんのよねー。最初、味噌を作ってたら浮いてきた液体が旨かったのでそれを別にして作ったという話は聞いたことがあるのだが。味噌の方が簡単じゃないか? 簡単と言っても難しいのだが。


「さっきから、”ミソ”とか”ショーユ”とか言ってますが、それはラーメン戦争と何か関係があるのでしょうか?」


え? なに? ラーメンのことで戦争があったりしたの?


「前にも話したと思うのですが、勇者文献に書いてあるのです。ラーメンの味で勇者達が自分の好みの言い合いになり、それで争いが起きた、と。スネークちゃんの話は勇者たちの世界の話と通じるものがあるので、同じ世界から来たのではないかと思ってまして」


なんかそんな感じですな。我の知らない話もあるようだし、勇者文献とやらを一度見てみたいもんです。


「あ、スネークちゃんには読めませんよ。だってエルフ語で書かれてますから」


神様よ~、転生させるんなら言語翻訳とかつけてくれるんじゃないんですかい? あ、こうして話ができていることが言語翻訳の機能なのか。文字は努力して覚えろってことなのかな?


 他愛ない話をしていたら、いつの間にかボルちゃんが木剣を振っていた。ちょっとの隙間時間にも稽古をするのか。武人の鏡ですな。ただの脳筋かもしらんが。さてと、こっちの幼女エルフには魔法談義でもするか。


”なあハンナちゃんよ、さっきマーメイドがやったこと、見たか?”


「いえ、何か呪文が聞こえて、魔力を感じたので振り返ったらオニクが冷凍になっていたところしか見てませんでした」


”ハンナちゃんは氷魔法使えないの? アレができれば、火傷した患部を冷やしたりするのに便利なんだけど、衛生兵としてはどうよ? ”


「そうですよね。私の知っている限りでは伝説の賢者ぐらいしか使えることができる人は知りません」


”あれ、我かハンナちゃんなら使えるかもとか言ってたぞ? ”


「私もそう思うのです。スネークちゃんが、魔法を同時発動させる練習を教えてくれたでしょう? あれできるようになってからなんだか火と水魔法をいっぺんに使えるようになったのです」


”魔法の同時使用が氷魔法の使える条件なのかしらね? ”


「そうですねぇ、あとは水魔法と火魔法の両方が使える、ということなのではないですかね。私とスネークちゃんの共通点はそこですし」


”そうなると、水魔法で出した水を何とかして氷にすればいいわけか”


「それか、水魔法で範囲指定した水を火魔法で加熱ではなく、減熱したとか? 」


減熱? そんなこともできるの?


「魔法は自然現象に魔力を込めることも抜くこともできるのです」


”水魔法で出している水なんかはどこから来てるの?”


「自然と湧き出るという説があるのですが……本当のところはよくわからないのです」


”ふむ。文字のない時代から使われているのによくわからんのか。魔法自体がよくわからないものだからな”


「スネークちゃんの前世の記憶では魔法はどのような扱いだったのでしょうか? 」


”魔法はない世界だけど、物語にはなってますな”


「なぜ、魔法がないとわかっているのに、物語になるのでしょうか? ないものは想像できないと思うのですが? 」


え? ないものは想像できない? …… それもそうね…… え? そうなのかな? 我、神様はないものと思っていたが…… 死ぬ前までそう思ってた。それなのに生前、神はあるものとして教えられてきた。もしかして、神はあったのか? 我、転生して神の存在を知ったし。すると魔法も前世ではあった?


「スネークちゃん? どうしましたか? 」


”ああごめん、考え事してた。えっと、魔力を抜くってどうするかわかる? ”


「やったことはないのでよくわかりませんが、私の魔法の先生は、魔法はイメージ、といつも言ってました」


”イメージか…… 水魔法は使わないから、火魔法でやってみるかな…… ”


”火魔法Lv.2ファイア! ”


いつものように、口から火が出ます。ここから魔力の吸い上げ…… 放出しているのに吸収する…… 口に2本のストローを突っ込んで、密閉された瓶に刺したストローの一方に息を吹き込み、もう一方で吸い上げる…… 吸い上げる速度と量を大きくする…… 吹き込み速度と量を小さくする……


「スネークちゃん! 火が! 火が凍ってます! 」


言われて目の前に集中すると、火の色が白くなってますな! 新しい魔法? にしては、テロリン音がなりません。


「スネークちゃん! そのまま1斗鍋にその火を当ててみてください! 」


 我、言われるがまま、白い火を1斗鍋に向けますと、何やら霜が降りてきましたな……これ、氷魔法? なんか違う気がする!



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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