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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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川婆のお住まい



 フランクフォートの冒険者ギルドを辞し、教えてもらった川婆かわんばの営むポーション屋{マーメイド・グッドバイ}に行くことになった。霧雨は今は止んでいるようだがいつ振り出してもいい感じの空模様だ。この街は河を中心に栄えているようで我らが渡ったところはグロースフロスの中でも一番狭いところだったようです。グロースフロスは上流に大きな支流が3つあります。一つは我々が付きつ離れつして西進したシアンフロス。きれいな水が流れている河です。あとは北側から流れてくるマゼンタフロス、南から流れてくるイエローフロスとあります。川婆かわんばのお店は街の郊外にある、シアンフロスの川辺にあるとのことですが…… いったん街を離れないといけないそうです。入ってきた時の壁の検問所とは別の場所で街を出ます。馬に首輪がついていたので通行料金は一人銅貨1枚で3名分とお安い……のかな? 町の外に出るのにいちいち銅貨1枚払わなきゃならんのか? とおもったけど、住民は大鉄貨3枚払ってた。再び降り出した霧雨…… 視界も悪くなっていきます。道もだんだん上り坂になってきました。汗血馬ちゃん達にはなんだ坂こんな坂どんな坂こんな坂、機関車のように進んでいきますな。


こーんな雨の中じゃ~愛は見つからな~いー♪ 

こーんな雨の中じゃ~愛は戻ってこない~~♪

知って~いるのになぜ?

川沿いの一軒屋~ 涙ぐむドレス~♪

見知らぬ誰かが~ 君を誘いに来る~♪ 


往来はまるでない…… と思ったら向こうから騎馬してフードを被った人が通り過ぎていきました…… あの人も川婆さんにご用があったのですかねぇ? 結構速歩はやあしで去っていきました。基本人族の方にはこんな霧雨でも濡れるの嫌だろうなぁ…… ボルちゃん達エルフはそれほど濡れるのを嫌がっているようには見えないが。


「私たちも濡れっぱなしは嫌ですよ?」


「我慢強いだけですからね~?」


「すまないな、二人とも。スネークはどうだ?」


我、蛇だから特に嫌ということはないのだが…… 鼻の穴に水滴が入るのは嫌かな?


「「「結局嫌なんだ!」」」


まあそうですねーク。



 検問所を抜けてから意外と早く目的の場所に到着した…… 川辺とか言うてたが、崖の切っ先やんか! そりゃ崖の下は河ですけども! ここにも馬小屋はありますな。ボルちゃん達はお馬さんを留めていますと、母屋の方から人がやってきました…… まあきれいなお姉さん。きれいなお姉さんは好きですか? 好きに決まっとる! …… 髪は水色?で蒼い瞳のお姉さんです…… 河の合間にところどころにある大岩に座って歌を歌っていたら人魚に間違えられそうな美しさですな! どこかで見た気もします……


「あら、旅のお方ですか? こんな雨の中、お困りでしょう…… 宿を一晩お貸ししますよ?」


ウフフと笑いかけます……なんか民話調なお話になってきました! ここに泊まった客は誰も宿から出られなくなるという落ちか?


「いや、旅のものではない。ここらへんにはポーション屋しかないと聞いたのだが違うのか? 」


「川婆様にご用がおありでしたのね?」


「ああ。あなたが川婆ではないのか?」


お姉さん、息をすーーーっと吐いてから答えます。目力がありますな! 我、吸い込まれそう……


「私はジレーネといいます。ここの従業員です。川婆様にご用でしたら私が案内いたしますね。私の後に付いて来てください」


流水に導かれ~出会いは雨のジレーネ~♪


ついてこれないと宿の中で永遠に迷子になってしまいますよ? とか言わないかな? 何やらボルちゃんがじっとお姉さんを見ていますな? あまりの美人さに嫉妬したとか?はないな。何見てるんだろう?ハンナちゃんも同様ですな。 おっと、ついていかないと宿の中で迷っちゃうことになるぞ!


 我ら、従業員さんに導かれて宿の内部へ潜入します。 まさにいま、スネーキングの真っ最中…… あれ? 黙ってやらないと意味がないのかしら? スネークの王様、スネーキングやー!ing! ing! スネークの後にing! 


「スネークさんがはしゃいでますが…… 原因はお店? 店員さん? 」


えー? はしゃいでないよーーー? いつものことだよーーー?


「そうか? いつも通りのように思えるが?」


「スネークちゃんはいつも通りですよ?」


エマさんが、ポーチからスネークンを出すと我に押し付けてきた! あれ? 光りましたな? 状態異常解消スネークンですな? エマさん、ボルちゃんとハンナちゃんにも押し当てます。あれれ? また光りましたな?


「やはりー? いつもと違う燥ぎっぷりーーー?」


「ちょっと変かなとは思っていましたが、エマさんよく気づきましたね?」


「いつもと違うなーと思ってですねー?」


うーん。いつもと違ってたかな?


一番奥? の部屋に連れてこられ、ドアをノックするお姉さん。


「川婆様。お客様をお連れしました」


入っとくれ、というしゃがれた声が中から聞こえました。はてさて、川婆さんとはどんな人物かな?


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