樹人一族の存亡
夕方の予約投稿・・・
ボルちゃん達も食事を終え、そろそろお迎えが来るかと思いましたが来ませんな。樹人さんたちの何とかファンガスを取り除いただけでは問題解決にならないらしく、エマさん特製の虫除け液を使うことになったのだが……夜明けに迎えに来ると言っておきながらもう日は出てますな。雨は止んでるけど…… 何かありましたかな? お馬さんたちに水と飼い葉をあげてたら、外に出たボルちゃんが叫びます!
「スネーク! 感じないか? 」
ん? どうした? 我もお外に出ますと、何やら感があります! 昨晩の方向ですな! 樹人さんたちに何かあったか? 急いで感のある方へ向かわないと。ボルちゃんはポーチ付けて大剣背負って腰に帯剣、エマさんは虫除け液持ってきて! ハンナちゃんはどうする?
「スネークよ! 小屋に結界! ヴィンも来てもらう!」
わかった! お馬さんたち、もう少し大人しくしててや!…… 誰にもわからないように…… 気づかれないように…… 馬のいるところだけでいいか…… 目印はこっちのガラス容器を作った小屋…… よし! 我ながら、どこに馬たちのいる小屋があるのか、全然わからなくなった!
「ヴィン!バウアー! 遅れずしっかりついてこい!」
いやいや、ボルちゃんのスピードにはなかなかついていくのは大変ですぜ! 我はジャンプで距離を稼げるけども! しかし、なんだこの感! 蜂の時とは全然違うな! 数はたくさんあるが、ほぼ動いていない!
「そうだな…… 蜂とは違い、動きがほぼない……そして」
ああ! 一つだけデカいのがあるな! 日が出て視界はあるので進むスピードは昨夜よりずっと早くなっている。もう着いたぞ! 昨日の樹人族の集落? いたところに来てみれば…… きぇーーーーーーーーーーーーーーーー! きもい! なんだ? 虫? この拳大はあろうかという大きさの黒い塊! みっちり木に張り付いている! それに! あれ虫かよ? なんというかでっかい半球? 犬小屋くらいのでかいやつがオーレルさんだった木の上に取りついていた!
「虫の魔物だな! 」
ボルちゃん、腰の帯剣を抜き、オーレルさんを駆け上るとあっという間に虫のおばけを真っ二つにした…… 弱くね? ねぇ、この虫、弱くね? あとから追いかけてきたハンナちゃんとエマさんが追い付きましたな!
「こっ、これは? 」
「シルドラウスがいっぱいだー…… シルドラウスにしては大きさが違いますねー」
「これはコッコイデアとか、貝殻虫とか呼ばれている虫がかない大きくなったものですね…… 魔物? 」
「カイガラムシはこんな大きさじゃありませんよー、もっと小さなものですよー? 」
「バウアーの作った虫除けは効くのか? 」
「試してみまーす! ハンナちゃん、筆貸してー! 」
ハンナちゃんが筆を貸すと、エマさんは筆を1石壺に突っ込んだ。溶液を筆に浸しているのかな? ずぼっと壺から手を抜いたぞ! 手に持ってるのは筆ですな! それを虫との間に塗っていきます…… なんだかころっと落ちました。エマさんは筆をハンナちゃんに渡すと、エマナックルを取り出して両手に装着しましたよ? どうするかと思ったら、ナックルとナックルで挟んであっという間につぶしました。
「簡単につぶせますねー! 」
「うむ。手で剥がそうとしても取れないな…… 剣で切っても木にくっついている部分は残ってしまう…… バウアーの作った虫除け液を使うのが確実だな」
「待ってくださいー。これってエマさんみたいにつぶしたら貝殻部分を回収できなくなります! 」
たくさんあるから、片っ端から木から剥がしていけばいいんじゃね? 我、上から液体吹きかけていくから、落ちた分をハンナちゃんは回収、エマさんとボルちゃんは壊していくということで。我は壺の中の液体を飲みこんで貯めます…… 辛ぇ~~~、虫がついているところの根元におぇっ! おぇ! おぇ! おぇっ! おぇ! ぼとぼとぼとぼとぼとっ!
「…… あああ…… ありがとうございます………… 雨が止んだと思ったらまた虫たちがやってきて…… 」
「このデカいのが元凶ですか? 」
「たぶん…… その大きな虫がやってきたと思ったら小さな虫を殻の中から出してきて…… あっという間に取りつかれてしまいました…… 」
おぇ! おぇ! おぇ! おぇ! おぇーーーーー! これでオーレアさんについた分は全部外したな。次! 我、辛い液体を貯める! 木に飛び移る! 液体吐く! おぇ! 全部落としたら次の木へ…… 次々と落としていきましたがな…… はぁ…… なんでこんなに虫いるの? 葉っぱを見たらもう萎萎になってますな…… ボルちゃんよ…… アレ、使うぞ!
「ああ、あれしかないな…… 」
我、ジャンプ+風魔法Lv.6上昇気流で、木々の樹幹を越えまして
”緑魔法Lv.3養分吸収+Lv.4成長促進”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと79!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと79!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと79!】
いまにも枯れんばかりの木々が、緑魔法を一面に受けて葉がぴんぴんのつやつやになっていった……




