樹人一族の正体
朝に予約投稿してみた・・・
一通り願い事を叶えた我ら。あとは石小屋に戻りまして、ボルちゃんは濡れた服を脱いでます…… 我はハンナちゃんとエマさんが入った後でぬるくなったお湯に火魔法Lv.6火纏いを使いましてお湯を再びあっちっちにしますよ。熱すぎたら魔石を使って水を出して薄めてくれ。しかしまあエルフさんたちは、我の前で裸になるのをためらわないのですな…… 我、もう人として見られていない><。ま、いいか、蛇だから。
暖炉のある部屋に戻りますと、もうエマさんはふがふが寝ています…… ハンナちゃんが見張りをしているようですね。ここ暑くない?
「そうですね、やはり暖炉があるとですね…… 」
我、風魔法Lv.4空気壁で暖炉回りを覆います。これで温かくなった空気は煙突を伝わって逃げていくでしょう。代わりに下の方にすこーし小さな穴を開けておきましょう。そこから空気が流れ込むようにしますよ。そうすると室内に風が吹きまして、多少快適になるかもしれません。それにしても…… あの葉っぱといい、あの匂いといい…… どこかで見たり嗅いだりした記憶があるのだが……どこですかね? うんうん唸っても何も出てきませんな。こういう時は、物を作りましょう! たくさん蜂が狩れたことだし、ガラスの保存容器を作りますかね。部屋の中でやると熱がこもるので、お外にもう一つ石小屋を作ります……
「あれ? スネークちゃん、外に出るの? 」
うん。小屋を新しく作って、蜂の容器を量産しようかと。あ、エマさんは虫除け作ってくれたかな?
「なんか作ってましたけど、あれって虫除けだったんですね。結構たくさんクノープラウホとパプリカ刻んで、エッスィヒにつけていました。そう言えば、スネークちゃん、中に入れたもの時間経過が速くなる壺って持ってきてましたよね? あれに付け込んでありますよ? 」
ああ、あれ持ってきたんだ。あったら何かの役に立つかもね。と思ったけど、さっそく役に立ってますな。まあいいか、我、お外で作業してますけん、ボルちゃんがお風呂から出たらそう言っといて。我は入り口を少し開けてもらい、にょろりと外へ這いだした…… 外で石小屋を作り、その中で土魔法を使って女王蜂が入れる大きさのガラスの保存容器を100個、蜂が入れる大きさの保存容器を……そうですね、とりあえず1000個作っておきましょうか。全部に蜂を入れなくてもいいのだ。たぶんハンナちゃんがたくさん解体すると思う。作ったはいいけど冷やすのに時間がかかりますな…… 最初の小屋に戻ると、ボルちゃんが起きて見張りをしていた。あれ、もう結構時間が経ったのか?
「そうだな、スネークがヴィンに言伝てをしてから3時間は経ったかな? もう少ししたらバウアーと交代する時間になるから、その時睡眠魔法を頼む。あれはカウントダウンには含まれないんだったよな?」
そうそう。カウントダウンしないでよかった…… タイマー付きだから青魔法使わなくっていいし。今日は蜂、一杯狩ったけど、どうするんだ?
「どうするんだとは?」
ボルちゃんは領主や村長に蜂を送ったが、自分ところの王様には献上しなくっていいのかよって話です。
「…… そうだな、考えないわけではなかったのだが…… 今は極秘任務中なので、うかつにそういう献上をすると、あいつはまじめに仕事をしているのか?と疑念を持たれるのではないかと思ってな…… 」
ちゃんと考えてた! そしたら、ことが終わってから任務の途中で遭遇したので新兵の訓練代わりに討伐しました、とか言ってればいいんじゃねーの?
「お前はそういうことには頭が回るな!」
ちょっと感心された…… のか? ふつうそれくらいは考えそうなものだが…… やはりポンコツなのか? しばらくしたらエマさんが起きてきたので、ボルちゃんに赤魔法Lv.1入眠5時間後に目覚し、をかける。我も少し寝ておきましょうね…… と思ったら、エマさんがトンカツ作ってーと騒いだので、油とフライパン、それにスクローファと各種材料を出してもらってド深夜にトンカツを作った…… コールもスライスしておいたからちゃんと食べなさいね! それでは我もひと眠り。ボルちゃんの石できた棚ベッドの下の隙間に這いずって丸まります…… やはり寝るときは狭くて体が隠れるところがいいですね…… おやすみなさい……
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クン…… クンクン…… 何か匂いますな…… んーーー? ここは……? 我、起床! 立ち上がって頭を伸ばーーーーす!がっつん!目から星が出た彡☆。イッテー! 我涙目! ここは…… 石ベッドの下だった。我のめーざーめー! 完全に目が覚めた。上に何もないところに這い出して伸びをする。ついでに腰を右回転ツィッツィッツ! 左回転ツィッツィッツ! 背中を後ろにそらせてグギギギギ! ツチノコ体操、終わりです。んで? 目覚めから何の匂いだ?
「あぁ、スネークさんおはようございますー! 」
エマさんが朝食の準備をしていた…… 我、寝る前にトンカツ作ったよね? それはどうしたの?
「そんなものもう食べたに決まってるじゃないですかー! 」
で? この匂い…… カレーだよね? あと、暖炉のお鍋はタウルスのワイン煮…… いったい何をした?
「スネークさんがカツカレー作るって言って全然作ってくれないから、トンカツにカレーをかけてみたら、すんごくおいしかったのでーーーー!」
おいしかったので?
「タウルスのオニクとどっちがおいしいかと思ってワイン煮の中のタウルスニクを温めて、お肉だけ出してカレーの中に入れて食べたのですー!」
で、どっちがおいしかった?
「んーーーー、甲乙つけがたし! どちらもほっぺが落っこちそうでしたー!」
そうかい…… それはそうと、虫除けってできた?
「もうばっちりできてると思いますよー? スネークさんが作った、あの、時間が経つのが速くなる壺の中に漬けてありますので、もういいんじゃないですかねー? あ、朝ごはんどうしますー? 」
うーん、起き抜けにカレーの匂いで起きたから…… どっちも早く食った方がいいと思うのだが…… タウルスのオニクを食べた方がいいのかな?
「ざんねーん! タウルスオニクはもう残ってません! あるのはスープだけですー! 」
そんじゃそれとローゲンブロートで。あ、ローゲンブロートは一口サイズに切ってくれる?
「ほーい、これがスネークさんの朝ごはんですねー! 」
我、エマさんから小さくなった黒パンとマグカップに入った色の濃いスープをもらいます…… ニクのないタウルスニクのワイン煮…… 煮汁も十分うんまいですねーク…… 。あれ? 葉っぱが入っとるがな! 誰だ? こんなもんいれたのは? 料理長を出せーぃ! 海原蛇山は怒り心頭!
「それはスネークさんしかいないのではー? 」
「ふぁーあーーー、おはようございます。朝からお二人とも元気ですねー? 」
あ、ハンナちゃん聞いてくれ! 我が料理の中に葉っぱを入れたというのだ!
「え? 葉っぱ? 」
これが証拠ジャ! 我、スープの中に入っていた葉っぱを見せる。
「スネークちゃん、これは香辛料としてつかっていたのでは? ロールベールブレッターですよ? スネークちゃんはローリエとか言ってたと思うのですが? タウルスのオニクを漬けるときも使ってませんでしたか? 」
…… あ! 我、思い出した! そんなのあったね…… んーーーー、この葉っぱ…… この葉っぱ…… ハンナちゃんよ、これって残ってたっけ?
「どうでしたっけ? 香辛料はちょっとずつもらってきたのですが…… あれから使ってないからあると思います! 」
ハンナちゃん、荷鞍の中をごそごそしたと思ったら、葉っぱを数枚、とってきた。あーーー、これやな~。昨晩のオーレアさんの葉っぱと一緒やな! 我、匂いを嗅ぐ! クンクン! きゅ~ん! よくわからないが、昨日嗅いだ匂いのようです。なーんだ、見覚えがあると思ったら、これだったんだー! 蛇山、ちょっと安心! てへ!
「あー、朝から元気がいいな!」
いつの間にか起き上がってたボルちゃん。おはようさん。
「ああ、おはよう。バウアーはもう食事は済ませたのか? 眠くはないか?」
「大丈夫ですよー? 昨日は早めに休みましたしー? 」
「ヴィンはどうだ? まだ深夜の番はあまりさせたくないのだが? 」
「私はもう立派に任務をこなしてますから。真夜中に見張りくらい、全然平気です! 」
「そうは言うもののだな、やはりきちんと睡眠はとらないと、成長に良くないと思うのだが。あまり無理をするなよ。 それでは朝食にするか。スネークはもう食べたのか? 」
ああ、今食ってたところ…… ところで、ラウルス・ノビリスというのはこれのことだったぞ! 我、ボルちゃんに葉っぱを見せる。
「ん? 気が付かなかったのか? スネークはとっくにわかっていると思っていたのだが? 」
あれ? ボルちゃん知ってた?
「途中で気が付いた。そう言えば、樹人族にはそういう種類がいたな、と。ギルドでたまに討伐依頼がでていたな? 」
あれ? 人なのに討伐するのか?
「樹人族というのは、分類に難しい種族なのです。人族と名前がついているのは人化ができるからなのですが、人化の出来ない樹人の方が圧倒的に多いのですよ? 歩ける樹木、と主張する人もいますし」
あいつら歩けるのか!
「人語を解するので一応、人族の一種とみなされていますが…… 討伐依頼が出ていたのは、農場あたりで悪さをしたか、それとも素材目当てで誰かが討伐依頼を出したか、でしょうかね?」
あんまり悪そうな感じはしなかったけど……
「人目を避けて生活していたのかもしれません」
樹人さんたちも苦労してるんでしょうね……




