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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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過剰戦力



 入り口一杯まで水を入れたけど減る気配がありません。中はしっかりしているようですな。水漏れがないということは……… おぼれ死んでいるということかな? さっきからビローン音が鳴り響いてます。これが止まってから水抜きした方がいいでしょう。


「どうしたスネークよ?」 


”いや、魔物をやっつけて言ったらなんだがビローンって音がするんだけど? それが今も続いているから、まだ巣の中には生きている奴がいると思って待っているのだ”

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 ビローン音が止まったので、我、金魔法を使って穴から水を抜き出すことにする。唸れ、我の金魔法


”金魔法Lv.1抽出”

“ン デデデデーン”

“なにをどうされますか?”

穴の中の余分な水分を外に出して!

“テ・テ・テ・テーン“


穴の中に入れた水が噴水になって外に出ていきますな…… 傾斜のついた地面に落ちると傾く方向に流れていきます…… あらかた出終わったら、我内部に潜入! 暗いのでツチノコ・アイ! キュピーン! 女王蜂1匹と近衛蜂が5匹、幼虫が……おぇえーーーー、たくさん…… あとはなんだ? 女王のスープ? 変なガワガワした入れ物にクリームっぽいのが5斗分ぐらいか? あったので全部回収。ふぅ。我、にょろっと穴から出ると、ボルちゃんがやったのか、蜂の大群の死骸が落ちていた。あと、蛇の死骸もあった。でかい!


「魔物寄せ香というのは存外不便なものだな…… バウアーから煙玉をもらっておいた方がよかった……」


さすがにお疲れのようです…… ちびちびポーション瓶から魔力ポーションを飲んでますな。外に出ていた蜂の死骸だけで63匹ありました。我が全部片づけましょう、あと蛇も。はたから見ると完全な共食いですな。


”魔物寄せ香はどうなったのかな? もう消えたのなら、目印になるものはないんだけど?”


「ああ、ヴィンとバウアーには動くのをやめてもらった。私たちが作業終了次第、あちらに向かうことになる。回収は全部済んだか?」


”ああ、女王1匹と近衛だっけ?が5匹、幼虫がたくさん、女王のスープとやらが…… いっぱいあった。たぶん見落としはない、と思う。ブレスローの巣に比べると倍近くでかいな! ”


「確かヴィンの話だと群体で3桁近い数が普通ではなかったか? ブレスローのができたばかりで、こちらのは巣が分かれる前だったのかもしれない」


”巣はこれだけだと思う? ”


「いやー、わからないな。オルフェン近くで出会った商人の口ぶりだと、この辺りにはもともと蜂の魔物はいないようだしな。だからなんの対策もしていなかったのだと思う。ヘビとかフクロウの魔物が土着なのではないかな? 」


”ホールマウスはちがうのか? ”


「あれはただの野生動物だ。マッドボアやブラックベアなんかと同じだな」


”何とかラビーは? アナは確か魔物だったはずだが? ”


「アナちゃんはアナーキンラビットと言って野生生物が魔物化したものだと説明しなかったか? 」


”そうだっけ? 何とかラビーは野生動物なんだな? ”


「ラビーは場所によって名前を変えるのだが、この辺だとマウンテンラビーか? 魔石がないから野生動物なんだろうな」


話をしながら我らはハンナちゃんエマさんたちと合流した。その後、馬たちのいるはずの場所へ戻り結界を解く。お馬さんたちはリラックスしてましたな…… ボルちゃん一行は再び騎乗して、今度は常歩なみあしで辺りを警戒しながらゆったりとした坂道を登っていきます…… 特に蜂らしき気配は感じません……が、 何かが潜んでいることは間違いない。ですが、近くでもないし、通り道の途中にもいないようですので、無視していきます。


「ツァオパーべスぺだと、ヴィンやバウアーの訓練にはならないな」


”ボルちゃんが全部狩ってしまうからな!”


「素材を回収するには隊長の魔法が適切なので問題ありません」


”ハンナちゃんの魔法だと何が適切なのかな?”


「私の魔法は素材回収を気にしなくていい場合や、広域殲滅なんかに向いてますね」


広域殲滅! 怖っ!


「スネークちゃんだって、密所殲滅をやったではありませんか。同じことですよ?」


密所殲滅! そんな言葉があるとは><、 怖っ!


「あたしのは何にも向いていないですねーーーー」


”そんなことはないぞ。対人に対しては相当強い……ハズ。剣技を交わして接近すれば敵なし……のハズ”


「バウアーは対人戦闘の訓練をした方がいいな、ヴィンもだ。それとみんなで魔力増強訓練も必要だな。もう少しでグラニーラムゼースミスの里につくから、ちまちまとしかやれないが」


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