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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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レッツ プラクティス!


 皆さん食事が終わったようですな。なんだかテーブルにうっ伏している食いすぎエルフは放っておいて、ボルちゃんとハンナちゃんがいるので聞いてみます。


”新しい武器はどうよ? ボルちゃんのはすごい威力だったが、ハンナちゃんのはよくわからなかったな…… 蛇がでっかくなったのは認めるが”


「ああ、そう言えば私はラセンダちゃんにあまり魔力を蓄えた感じはしませんでしたね。そのまま杖から魔力を放出した感じです」


”ちょっと試してみーひん? どうやって魔力を宝玉に蓄えるの? ”


「剣や杖の素体はミスリルだからな。直接触れて魔力を流す感じだ。それと、スネークよ。口に何をくわえているのだ?」


”これ、我の魔力の練習用にさっき作った。ボルちゃんがさー、宝玉に魔力を貯めてたらふらふらになっていたでしょー? もしかして我もどこかに魔力を蓄えられるんじゃないかと思って”


「面白そうですね。みんなでやってみますか!」


「全員でやって全員気絶したらまずいだろう。まずは君らでやってみるとよい」


「それでは私は赤い方に魔力を込めてみます」


え? 赤と青の両方に込められるんじゃないの?


「魔力はそれぞれに異なるのです。だからそれぞれの属性の魔法づつしかつかえないのです。私はなぜか例外で使えるのですが、両方一遍にはできませんよ?」


あれ? そうなの? 我、使えそうな感じが…… ちょっと待ってね? 今確かめます。


”火魔法Lv.7火弾ファイアショット!+土魔法Lv.24礫弾ストーンショット!”


我の放った火の弾と礫弾が同時に近くの大きな岩にぶち当たった。


「…… できるな! 」


「……! どうしてできるのですか? 教えろ! とっとと教えろください! 」


え--? なんだか二つ同時に考えられるみたいなので……


「だからそれをどうすればできるようになるのか! さっさと白状するのです!」


トレーニングすればいいんじゃね? 右手で〇を書いてるときに同時に左手で×を書いてみるとか? そんなことを言うと、ハンナちゃんがテーブルに一生懸命右手と左手で〇×を別々に書く練習をしだした……


「それで? スネークは魔力を蓄える練習をするのだろう? 気絶しそうになったらポーションを無理やり飲ませるからな!」


へーい! あ、ブレスローの冒険者ギルド解体職員の口癖が移った! まあいいや、水晶を咥えてるから直接触れてることになるよな。あとは魔力を流す感じ…… うん、だんだん目の下が輝きだしてきた感じ! おお、どんどん明るくなってきた! 


「ちょっ、スネーク! そろそろ!」


ん? ボルちゃんがストップをかけましたな。それではここらで止めておきますか。我、咥えていた水晶を顎を外してテーブルに置きます。


「これに魔力を貯めたのか? どれだけ貯めたというのだ! なぜこんなに輝く!」


なぜと言われても…… これ魔力放出もできるから、ボルちゃん使ってみて!


「使うと言っても…… あれ? 触ったらなんだか元気になったぞ? 」


ハンナちゃんが練習の手をやめ、ボルちゃんから水晶を借り受けます……


「これはスネークちゃんの光魔法と同じような感じですね。あれとは違い、単に疲れを取るだけのようなものですが。隊長に魔力を譲渡したいのなら、風魔法の魔力をこれに流し込めばいいと思いますよ」


さよですか。そしたら水晶をもう一度咥えなおして、いったん魔力を吸収します。徐々に輝きがなくなっている感じがしますな。


「あー、もう輝かなくなりましたね。それでは風魔法の魔力を込めてください」

具体的にはどうすればいいの?


「いつもスネークちゃんが風魔法を使っている感じを水晶に加えればいいのでは? いいのでは?」


なぜ二回言った? よし、わかった! 風魔法Lv.10 鎌鼬!を水晶に! 透明だった水晶がまた輝きだしましたな。


「あああ! すごいですよ? 透明だった水晶があんなにも蒼く濃くなっていく……」


先ほどの光ったときと同じくらい魔力を込めたところでやめておいた。実験だからね。ボルちゃん、今度はそれ使ってみて? ボルちゃん、先ほどの輝く水晶と同じ感じで気安く触るが


「くっ! なんだこれは! 魔力が流れ込んでくる……!」


あ、やばいかな? ボルちゃん、蒼天に魔力を受け流すんだ!


「蒼天に……魔力を…… 受け流す!」


背に負った大剣を水晶を握ったのとは反対の手に掴んで魔力を込めだした。水晶の魔力が蒼天の宝玉に流れ込んでいく様子が、蒼の輝きによってわかった。成功ですな! 我が魔力を流した水晶は再び透明になり、その代わりに蒼天の柄部分に組み込まれたスカイブルートパーズは青を通り越して紫に輝いている。


「試し切りをしたいところだが…… 」


まだやめとき? ハンナちゃんのマジカルステッキにもやってみようよ?


「そう言えば、私はまだ宝玉に魔力を込めてませんね。それではやってみます! まずは水魔法から!」


小声で呪文を唱えているのが聞こえる。いつぞやメルゼブルグの公園で唱えたあの呪文ですな。


「水よ、水よ、が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁にはわれ魔力マナが願い満たすだけ受け取り給え。水よ、水よ、が杖となってわれを守り抜け。汝の名は泉蛟いずみづち


なんか変わったか? ハンナちゃんの全身から薄水色のオーラが握ってる杖を通してアクアマリンの宝玉に流れ込んでいく…… どんどん輝きを増していきますな…… だけど輝き方が違うな…… 流れている水に映る光の反射のような、揺らいでいるきらめきです。


「…… ブッハーーーーー! もう無理!もう無理ーーー! これ以上は無理ーーーー!」


魔力を込めるのって息を止めてやるのかしら?


「そうだな、そんな感じだな。ヴィン、ポーションを飲みなさい」


差し出されたのはブレスローで買ったエクストラ・ハイポーション? エクストラハイ・ポーション? ハンナちゃんもングング飲んでます! 魔力切れは相当つらいようですね。


「つらさを通り過ぎて気絶するスネークちゃんはたがが外れているのですよ!  普通は魔力切れになるまで魔法を使えません!」


ボルちゃんは昨日バシバシ使って魔力切れぎりぎりまでいってたようだが?


「この際言っておきましょう。隊長はM気質なのです! 自分をいじめて能力を高めたりするのはMのケがあるのは間違いありません!」


本日はこれまで。

お読みいただきありがとうございます。

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