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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
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何をするにも準備が肝心



 我らは冒険者ギルドの建物をでて正面にある建物に入った。コンビニのように商品展示されてますな。何がどこにあるのかさっぱりわからん。


「いらっしゃいませ。何かお求めの物がありますか?」


お店のお兄さんがにこりと笑う。


「虫除け香と虫寄せ香、魔物除け香と魔物寄せ香、あとはヴィン、何か必要なものはあるか?」


「そうですね、墨汁と色紙はありますか?」


「墨汁と色紙は隣の雑貨屋で売ってますね。こちらはポーション販売店ですので」


「燃やしたら煙がたくさん出る奴ってありますかー?」


「煙玉のことですね。もちろんございますよ」


「えー?ポーションじゃないのに?」


「はい、ポーション以外にも薬草・毒草、薬木・毒果などで作れるものはそろっていると自負してます」


「虫の針とかも置いてますか?」


「そうですね、倉庫の方を確認すればいろいろあると思いますよ」


「つまり、植物に限らないというわけだな。やはりギルドから買い取っているのか?」


「まあそうなりますね。直接買取をするなとのお達しがありますので」


「わかった。それでは先ほど言った、虫と魔物の忌避香と誘引香、煙玉を……値段はどうなっている?」


「煙玉はひとつ銅貨1枚、それ以外はどれもひとつ銅貨3枚です」


「それじゃあ…… 全部1000玉ずつもらえるか? 」


「1000…… ですか?」


「ああ、ちょっとした魔物退治をするから、それくらいは必要かと思ってな」


「少々お待ちください。在庫を確認してきます」


お兄さんはカウンターの裏へと回っていった。


「ところでバウアーよ。煙玉なんて何に使うんだ?」


知らずに注文したんかい! 


「ひょっとしたらお昼にフントって出てくるかもしれないなーって思ってですね…… ああいう鼻の利く魔物って煙に弱いんですよ。子供のころ、狩りに荷物持ちとして連れていかされたときによく持たされてましたよー」


なるほど、過去の経験ですか。


「犬の魔物って臭くって食べたくなかったですねー」


まさかの食肉のための犬狩り? エマさんが食べたくなくなるほどのニクなのか……


「あれに比べれば、ホールマウスはまだましだったのですねー」


エマさんが遠い目をしていた…… 


人知れず エマさんの 中に住むホールマウス♪ 

さようなら~ もう二度と 食べることはない♪

オーマイリトルスウィートミート♪ 

オニクはまるで~スィートミート♪

小さいままさ~スィートミート♪


替え歌歌っていたら、店員のお兄さんが戻ってきた。


「申し訳ありません。煙玉はたくさんあるのですが、他はその数がそろわなく、それぞれ800しかございませんでした」


「たいちょー、煙玉は他にも役に立ちますんで、たくさん買っておきませんか~?」


「そうだな、たくさんあると言ってたが2000くらいあるか?」


「それは大丈夫です。それでは煙玉を2000、虫除けと虫寄せ、魔物除けと魔物寄せをそれぞれ800ずつですね。えーと…… 」


煙玉2000個銅貨1枚で大銀貨2枚、その他が合計3200個で銅貨3枚だから大銀貨9枚銀貨6枚、合わせて大銀貨11枚銀貨6枚やで! 金貨1枚大銀貨2枚渡すと銀貨4枚のお釣りや!


「相変わらず早いな、金貨1枚と大銀貨2枚だ。銀貨4枚返してくれ」


店員さん自分で計算した紙を見比べて頷きました。


「計算速いですねー。お姉さんは著名な商人か何かですか? 」


「ただの冒険者だ…… すまないが急いでるので物を持ってきてくれ」


店員さん、軽口に答えてくれなくてやれやれといった表情で再び裏へ回る。やがて大きな木箱が乗った台車がやってきた。


「木箱には100個ずつはいっています。白いのが煙玉、薄い青が虫除け、濃い青が魔物除け、薄い赤が虫寄せ、濃い赤が魔物寄せです。箱ごとなら別途銅貨1枚かかります」


「箱はいらない。バウアーは煙玉、ヴィンは薄い色、私が濃い色を持つ」


そう言って、いったん箱ごとポーチの中に入れ、今度は箱だけポーチから出した。うーん、エルフ魔道具、便利。


「ポーション類は必要ないのですか?」 


「ああ、今のところは間に合っているのでな、それでは世話になった」

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 唖然とする店員をよそに店を出るご一行。今度は隣の雑貨屋に入る。


「すまないが、ここに色紙と墨汁があると聞いたのだが」


「あと、点火魔道具ありますか~? 」


店にいたのはおばあさんだった。


「墨汁と色紙…… 筆はいらんのかぇ?」


「あー、筆も必要ですね。なるたけ太い奴をお願いします。色紙も一番大きい奴で。それと手ぬぐいを10枚。30㎝程のペンのようなものが入るケースと、大き目の瓶を10個お願いします。あー、隊長ここは個人的な買い物ですので私が自分で出します」


おばあさんが筆と色紙、墨汁の入った壺、ペンケース、瓶を10本を持ってきた。


「あとは、点火魔道具だったかね? 魔石も必要かい?」


「はいー。あたしだけ点火する道具持ってないのでいるかなぁと思いましてー」


「おばあさん、墨汁はもっと大きい壺でお願いします。瓶はこれくらいでいいでね。それと色紙は失敗したときも考えて10枚ください! 」


なんだろう? 蜂を解体するときに必要なのかな?


「はいはい、一番大きな色紙が10枚で銅貨3枚、筆が大鉄貨5枚、つぼいり墨汁が銅貨2枚、手ぬぐい10枚で銅貨6枚、ペンケースが銅貨2枚大鉄貨5枚、瓶が大銅貨1枚で合計銅貨24枚、大銅貨2枚銅貨4枚だね。点火魔道具は大銅貨1枚銅貨2枚だよ。今入っている魔石がいつまでもつかわからないから、魔石一つサービスしておくね」


「これ、どうやってつかうんですかー? 」


「これはね、ここのボタンを押すと火が出るんだよ。ボタンを離すと火は消える。魔石を交換するときは、ここをスライドさせると魔石が入っているから、火がつかなくなったら交換することだよ」


「はい、銅貨24枚」


「こっちは大銅貨1枚と銅貨2枚ですよー」


「はい毎度おおきに」


これで準備は万端……なのか? 余分なもの、買ってない?


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