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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第4章 ドラゴンへの道
320/786

情報は商売人とともに

また設定を考えといけないことが出てきた><



 砂煙がだんだん大きくなってきた…… ボルちゃんは気づいていたが、そのほかの二人は気づかないのかな? まあ一人はニクに夢中だから気づかないと思うけど。


「気配察知は風魔法が使えるものの特技だからな」


「ん? なぁにかきふぃているのでふか? 」


サンドウィッチほおばりながらしゃべるんじゃありません!


「やっふぁひふぁうるふのおんにふのあふぃふふぇふぃふぁふぁんふほふぉうふぁふぁひふぁふふぇーーーー!」 


もはや何を言っているのか? ニクはよく噛んで食えよ!


「盗賊のたぐいではなさそうだが、一応警戒するに越したことはないな」


やはりボルちゃんは隊長だけありますな。でも結構砂ぼこりがしてますなー。ご飯に埃突いたりしたらやなので風魔法でブロックしときましょう!


”風魔法Lv.4 空気壁エアウオール!”


砂煙が立ってるってことは結構急いでいるんだよな? それなのに動きが遅いのは、あれ相当遠くになるのかな?


「まぁあそこまでは下り坂だからな。遠くまで見渡せるし。あっちからすると上り坂だから時間もかかるのだろう。ヴィン、あれが通り過ぎてから出発するか? それともまだ休んでおくか? バウアーはどうだ? 」


「私はもう食べ終わりましたので、あとは片づけるだけですね」


何やらコップに冷たいものでも入れているのだろうか、水滴がついてますな! 氷水か? 


「名残惜しいですが、これ食べたら片づけまーす! もぐっ!」


もぐもぐと大きめにカットしたタウルスニクを一口でほおばり、アムアムアムと噛んでいる。ジーっと砂煙を見ているが徐々に接近してくる速さが速くなってきて……向こうからもこちらを発見したのだろうか、近づくスピードが緩くなった。ここで止まる気か? エマさん、急いで全部食べ終わり、皿をお片付けした。風魔法は解除だな。


「ヴィン、バウアー、念のためフードをかぶれ。いつでも戦闘に入れるように、帯剣しておくように。スネークは…… いつも通りだな」

♦♦♦♦♦♦♦


 馬車がボルちゃん達の馬が止まってるところで止まり御者の人が降りてこちらに近づいてきた。


「失礼ですが、私どももこちらで休憩してもよろしいですか?」


ちょっとメタボなおじさんが、目を除いた頭全体を変な布でまいていたが、口元だけを手で押し下げた。商人らしい丸顔に作り笑顔だった。


「ああ、かまわない。我々ももう発つところだしな」


「オルフェンから西へ行かれるのですか。オルフェンではきれいな水は手に入りそうですか?」


「すまない、オルフェンには入っていない。グレービッツの方から来たのでな」


「そうですか…… それにしては水をたっぷり使われているご様子。これなら期待できそうですな」


「白湯でよければ差し上げますが? 」


「そうですか、ではありがたく。代わりと言ってはなんですが、ここから西へ行かれるのであれば水の魔道具を持っていかれた方がよろしいですよ」


そう言いながら、腰につけていた水筒を差し出す。ハンナちゃんがまだ沸いているお湯を中に詰めていきまして満水になりました。


「ああ、これはありがとうございます。荷台の仲間たちにもあげられますね。申し遅れました。私はロレンスといいます。この街道で行商をやっております」


「ボルドウィンという。冒険者だ。水の魔道具は持っているから大丈夫だ。この先はどうなっているか、白湯のお代代わりに教えてもらえるか? 」


「ええ、でもその前にうちのやつらに飲むものをあげてきますね」


そういって、荷台の中にいるであろう人に水筒を持って行った…… ん? たくさんいるのか? 水筒を置いてきたのか、ロレンスさんは手ぶらでこちらに戻ってきた。


「あ、ロレンスさんは飲まなくってもいいのですか? お湯ならまだ残ってますが?」


「ありがとうございます。それではいただきます」


ロレンスさん、ショルダーポーチの中から木のカップを取り出しました。ハンナちゃんはそれを受け取ると、柄杓でお湯を掬い、カップに入れてあげます。ロレンスさん、カップを口もとに持っていくとフーフー冷まして、一口、口を湿らしてまた一口…… ゆっくり飲んでいきました。


「はぁー、助かりました。今まで泥水をしたものを飲んでましてね。水魔道具を持ってくればよかったと幾度となく後悔しましたよ。皆さんは馬車でないところを見るとあの荷鞍が相当性能の良いものなのでしょうね」


「まあそうだな。そこそこ値が張ったことは間違いない。それで、ロレンス殿、商人にしては馬車1台しかないのか。宝石商とかかな?」


「まあそんな感じのものを扱っております。それでお知りになりたいことはこの先、どうなっているかですよね。我々はフランクフォートから来たので、そこまででよろしいでしょうか? 」


「それでいい、フランクフォートは長雨が続いているという話を聞いたが、本当か?」


「ええ、我々が出発したころは二ヶ月近くしとしとと降り続いてましたよ。ブレスロー辺りでようやく晴れ間も出てましたが地面はぬかって馬車で通るのが大変でした。おまけに、この気候のせいか虫系の魔物がたくさん出現しているらしく、我々も蜂の魔物に何度か襲われましたよ。あそこを通るなら虫除け香を持っていかれた方がよいですよ」


「蜂の魔物に襲われてよく無事でしたな? 」


「いえ、全然無事ではありません。馬車の速度を上げるため水瓶を捨て終い…… あとはお察しの通りです」


「それはここから見てブレスローの先ですか、手前ですか?」


「先です。峠のあたりでやられました、捨てた水瓶も派手に転げ落ちていきましたよ…… こちらの方はどんな感じですか?」


「こっちはずっと晴天続きだな。グロースフルスのおかげでまだ水不足にはなっていないようだが…… 途中、作物を見てきたが生育はよくないようだった」


「あっちでは水がありすぎて困り、こっちでは水が足りなくて困ることになりそうですね」


「そうだな。水用の魔石を買っておいた方がいいかもな」


「なるほど、ご意見ありがとうございます! それでは我々はオルフェンへ入ります。良き旅になることを祈ってます、神の御心のままに」


「ああ、ありがとう、そちらも商売がうまくいくように祈ります。神の御心のままに」


最後のは何の神様に祈ったのだろうか…… ボルちゃん達はあたりを片付けて再び出発した。我は相変わらずボルちゃんの籠の中で楽ちんします。

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