どれが使えなくなるのかな?
午前中に3度の襲歩と休憩を繰り返し、オルフェンという街の近くまで来た。
「なんだか休憩するごとに、襲歩の時間が長くなっているな! やはりスネークの治癒魔法には超回復の効果があるようだ!」
昼飯時になったのでエマさんが、たいちょ~お腹すきませんか~、と言い出したので、休憩がてらの昼食となり申したのだ。ここから街まで10㎞程の地点にいるらしく、そこそこ交通がありますな。ボルちゃんは大きな木のところで止まり、ここを休憩ポイントにした。我、土魔法でテーブルとイスを作ります。木陰でこじゃれたランチですな! そう言えば、昨晩と今朝は何食べたんだ?
「ああ、スネークの料理は節約しようと思って宿の料理を食べたな」
「はっきり言って、味が薄すぎました…… これまでスネークちゃんが作っていた料理を食べてて舌が肥えてしまったのかもしれません」
「でもねー、スネークさんの作った燻製肉がたくさんあったから全然大丈夫でしたよー!」
あらま! せっかく作ったサンドウィッチは食べなかったの? まだ二日しかたってないから、サンドウィッチを入れた箱の中では1時間もたってないことになるのですが…… 早めに食べた方がいいと思う。
「スネークが言うんならそうするか。お皿と…… お湯を沸かすか?」
まあ、暑くっても温かいものを飲んだ方がいいよね。
「冷たいものも出せますよ! 昨晩、例の氷魔道具と水魔道具で氷を作ってスネーク鍋に入れて置きましたので!」
なんだ?スネーク鍋って!料理みたいでいやだ!
「スネーク鍋はスネークちゃんが作った蓋つき1斗鍋です。その中に氷をできた分だけ入れていますよ。たくさんあればそれだけ溶けにくいし」
ああ、どっちでもええです。好きな方をお飲みなせぃ! 結局ボルちゃんは温かいものを、ハンナちゃんとエマさんは冷たいものを飲むことにしたようだ。それでは、サンドウィッチをマギハンド…… いや待て! マギハンドは無魔法、無魔法は結構最初の方で覚えた合成魔法ではなかったか?
「合成魔法は、スネークちゃんがよく使っている緑魔法と無魔法と金魔法、赤・青魔法のほかに何があるのですか?」
えーと? 何があったっけ?
「バフを飛ばす魔法はそうではないのか? 」
ああ、白魔法がありましたな。ついでに黒魔法も。
「属性魔法は5つあるのですよね? そしたらあと3つはできるはずですが?」
あーーー、なんだったっけ? えーと、銀魔法とか? 紫魔法? 黄魔法? そう言えば使ったことがないような?
「使ってないということは、スネークがそれほど重要視していない魔法ということになるな。仮に水魔法が使えなくても、属性魔法だけで十分戦えると思うぞ。大体スネークがいつも使っている緑魔法や金魔法、青魔法は戦闘向けではないよな」
まぁそうですねーク。あ、お湯が沸いたみたいよ。我にもお茶くだせぃ。
「ふふ、スネークはこちら側だな」
こちら側とは?
「暑い時に熱いものを飲んで暑気払いをするのは年寄がやることだと先ほどヴィンがいってたのでな」
「と、年寄りだなんて言ってませんよ!先達の知恵ですねと言っただけで…… 私はたくさん水分補給したいので冷たい方を選びました。たくさん飲めますもん!」
「おなじく~!」
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テーブルにサンドウィッチと燻製肉、タウルスニクスープを出して昼食にしてると、進行方向から砂煙を立てて何かが来ますな…… ツチノコ・アイ! キュピーン! 馬車が3台やってきてますな。ボルちゃんよ、気づいたか……
「ん? 向こうから馬車が来てるのか? 」
「この時間帯ですと、商隊でしょうね」
「ま、そうだろうが、油断はするなよ!」
「このタウルスのオニクの解け具合がまた何とも言えず……」
一人違う世界にいたが…… ま、こんなところで緊張してもしょうがないな。あんまり食べると馬に乗ったときに眠くなって落馬したりはせんか?
「そんなことあるわけないじゃないですか~」
いや、ありそうだから心配してるんだが!
本日はこれにて。
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