鍛冶師とは?
本日短め2話。
次回、第3章完結…… できるかな?
「誰が無能か? 無能に辺境領土の管理が務まるか! 大体貴様のような無法者がいるからこの地で騒乱が起こるのだ!」
また始まったか…… ここは君ら銭湯にでも入ってリラックスしなせぃ! おっともう出発するんで我らが出てからだな!
「無能ですぅ! 賢蛇様たちに何も差し上げていないではないか! 無能領主~!」
「これからやるもんね~!バーカバーカ! …… ということで、エルフ族の者たちよ、これを受け取るがよい!」
「これらは? 」
「貴殿らは急いで出立するのであろう? 出るときにこの書状を見せるとよい。すぐに通行の許可が出るであろう。それと、こちらは家紋の入ったムシュワールだ! これを門兵に見せればいつでも街に入れる許可証のようなものだ。任務を終えたらまた遊びに来てくれ。歓迎するぞ! 」
「ああ、かたじけない。ありがたく拝領するとしよう…・・・それとだな、領主閣下には頼みごとが一つある」
「なんだ? 」
「この剣は、そこの鍛冶師殿に打ってもらった。なかなか良い剣だとは思わないか? 」
「まあ、剣はそこそこ打ちよるかなら、そいつは」
「ふん! やせ我慢しよってからに! 儂の打つ剣は世界一だ! 皆が欲しがっとるわ! 」
「ふーっ、やれやれだな…… 剣を打ったのはバドエル殿、そして領主殿にはこの剣の銘をいただきたい。優れたる剣に銘がないのは寂しいからな……」
お! なるほどね。名と実に分けて、揉め事にある両者を和解させようというのだな! いいんじゃね? 我なら、バルムンク、とか中二病的な名を付けてしまいそうだしな。
「よいですね! お父様なんか、誰にも理解できない名前を付けてますし! 領主様なら良き銘を考えていただけそうです! 」
「まぁお父様、責任重大ですわね! しっかり考えて良き名をつけてあげてくださいね!」
なぜか、両者の娘ドンちゃんとネルネちゃんがゲロちゃんにプレッシャーをかけてくるぞ? 領主ゲロちゃん、むむむと唸り声をあげる。
「……少しその剣を貸してくれ……」
ボルちゃんから剣を借り受けると、ゲロちゃん、刃を確認するように空に向けて光にあてる……
「…… 先ほどのボルドウィンのは風魔法だったな…… 魔力を込め、風を解き放ったとき、まるでこの青空のように輝いていた…… 風を生み出すのは空…… ここは単純明快に、”蒼天”というのはどうだろうか?」
「蒼天! なるほど! 風を生むから青い空、蒼天か」
「私の貰ったステッキにも名前を付けてもらいたいですね」
それはマジカル☆ステッキにしときなさい!
「この絹はあたし用の防具って、どーゆーことですかー?」
「それは賢蛇様がどうにかするということで……」
「むーー、なんだかよからぬ気配がしますねー!」
その2つは道中で何とかしましょう! おっと、そうだ、髭おやじは鍛冶師なんだから、フライパンも作れるよね? あとスライサーとかおろし金とかも作って、ここのホテルに卸してもらえないかいな?
「…… と、スネークちゃんが申しておりますが? バドエルさん? 」
「えーと、儂、刀鍛冶専門なもので、日用品は打っておらんのだが?」
ぶぉーーーーーーーーーん! なにぃ? 日用品は作れないってかー? 貴様、基本人族を無能と罵りながら、日用品も作れないとはどういうことやねん!
「…… と、少しお怒り気味ですが? なにかおっしゃりたいことはありますか?」
「いや、儂、日用品はやらないので」
だからなんでやねん! もしかして、日用品は無能が打つものだと思ってるのか? 鍛冶師とは、人の幸せのために金属を加工する職業なのではないのか! 貴様は鍛冶をわかっとらん!
しゃーーーーーーーーーーーー!
「あ、スネークちゃん、怒りの魔法がさく裂しそうです!」
「え?え? 儂、何か悪いことをしましたか?」
ドーワフ鍛冶師よ…… 貴様は、ここのオーナーが村長を務める、シュタイルハング村というところを訪ねよ…… そこにスミスという鍛冶師がいる。村でただ一人の鍛冶師だ。そのものに鍛冶とは何かを学んで来い! 人を幸せにする金物を作れなくって、何が鍛冶師か!
本日はこれにて。
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