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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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飯を食いに来ただけか?



 領主閣下ご一行、朝からいたのと合わせて20人になった。なぜそんなに?


「ほーほー、これではこちらがお屋敷のようですな! 全員で出払ってきてお屋敷は大丈夫なのでしょうか?」


などとつぶやいたのは、お屋敷の料理人、ナンさんだ。さてはナンさんがいないと昼飯にありつけないから全員出てきたな! ナンさん、武器は片づけて! ここで従業員たちに昼飯食わさなきゃだわ! ボルちゃんとエマさんとハンナちゃんは領主んところ行って、ドリンクはホットかコールドか聞いてきて! オーギュ君とセザール君はお膳立てや! 全部作ってあるから! グレちゃんはすまんが手伝ってくれ! 石鹸の人は炭酸水たくさんできた? そしたらジョッキに氷入れて汲んでくれる?


 結局客以外に従業員とご領主一同で作り置きしてたハンバーガー全部のうなった。子供らには…… もうこれ食わせてええか! ただし、ジンセンの糖煮は追加やな! もう後は知らんで! 客の中には3人娘+1がいた。満席で座るところがないようだ。そういう時は外で食べてもええんやで!


「それなら、こんな混んでるところじゃなくてお外でもいいか!」


銭湯施設で食ってもらってもええのだが…… トレーとグラスは返してな! あ、ドンちゃんの後をこそこそとついていく髭おやじ発見!貴様はストーカーか!


 ハンバーガーセットを出してしまった我は、朝から煮込んでいたワイン煮とビーフシチュー、ついでに昨日作ったカレーとおでんもどきとを1斗鍋に詰め替えます。これはポルちゃん達の道中の飯ですな。ついでに新しくカレーを仕込んでおきましょう。使った1石鍋を水洗いしてきれいにして、再び水を入れて、竈部分に先ほどボルちゃんが作った薪をセット。火魔法Lv.1点火イグニッション。人参、ジャガイモ、玉ねぎを余分なところをカットして、鍋に放り込みまして…… スパイスは昨日作った分で足りるな! 足りないか? 我がゴリゴリするか! 元の唐辛子、胡椒、クミン、ターメリック、コリアンダーはたくさん、もうたくさん緑魔法で増やしているのです…… 種も確保してるからいつでも増やせるし。マギハンドですり鉢すりこぎを使って高速回転! 飯食ってる人にかからないように風魔法Lv.4風壁を同時に展開! そう言えば、我、魔法を同時に複数使えるようになりましたな…… いつの間に? 考え事してたらいつの間にか1斗壺にたくさんのパウダー香辛料が出来上がってました。この壺、確か内容量が10倍増しのやつでは? 作りすぎたか?


「たくさんできたようですので、少し分けていただいても?」


おーう、もってけ泥棒! カレーのスパイスにするのでいろいろ研究してちょーよ! まだまだスパイスたくさん入れられるはずだ! 配合も変えられる! 自分がおいしいと思うカレーを作ってくれたまえ! ハンナちゃんも持てる分だけ例の袋に入れときなさいよ!


「大丈夫ですよ。持ってる分を売ればもう3回一生遊んで暮らせる分ぐらい持ってます!」


えー? そんなに持ってるのー? でもお仕事で使う分ですよね?


「もちろんですよ!」


げへへーと笑うロリエルフであった……どこかで売るつもりだな! まあ相場を崩さないようにちょっとずつにしときなさいよ。


「スネークさーん、あたしもお腹空いたのでお昼食べていいですかー? できればオニクたっぷりで!」


まあそうでしょうね! 飯食ってないから静かにしてたのかな? エマさんは調理場の方に来なさい! 昼飯が自分だけニクって反感買うぞ! そら、タウルスニクのワイン煮だ、たっぷり食え! 300gのオニクの塊4つプレートにのっけて、調味料にマスタード、七味唐辛子、ワサビ、大根醤油で食らいやがれ!


「わっふーー! 山盛りオニクー! 」


ちゃんと付け合わせの野菜も食べなさいよ! あとブロートも食べていいんやで! ハンナちゃんはもう食べたのか? 


「ええ、作業しながらいただきました。座って食べなくてよいのでいいですね、{はんばあがあ}! あと{ポテトフライ}。お助けイモがあんなにおいしくなるとは思ってもいませんでした。やはり、{ケチャップ}と{マヨ}、それにゼンㇷのおかげですかね? ただのイモなのにお代わりが絶えませんでしたね?」


そうですか。大人気でしたか。そりゃなにより。イモが主食になる日も近い……かな? ローゲンブロートも味わい深いが…… チーズと合わさるとまたこれが前世では味わえなかったうま味……


”あーあーあー、テステステス、ただいま通信テスト中、ただいま通信テスト中”


何この音?




本日はたぶんこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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