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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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おっさんは放置しておく



 まあ、なぜ人が集っているかというと、いきなり現れた倒木を試し切りしまショーをみるためだ。我も、やっと来たおっさんのことは無視して、ナンさんに注目。ボルちゃんから受け取った剣を持ち、軽く素振りして、なるほどとかつぶやいている。何がなるほどなんだ? おもむろに倒木に近づいたかと思うと、一閃! 剣を振りかざしては、次の場所へ移動、振りかざしては次の場所へと移動していった…… 最後の場所で振りかざした後、ナンさん剣を鞘に収める。


「素晴らしい切れ味です。物は市販品よりも上のようですが、大金を積めばそこそこ得られるものです。しかし、それになにがしかの付与がついている模様ですね。でなければこの大木を最後まで切りきることはできなかったでしょう。すばらしい剣でした」


「……そうか…… 父上から頂いた剣だったのだが、普通の、どこにでもある、ありふれた剣でしたか……」


何やらうなだれているボルちゃんであった…… なんかあの剣、すんげー自慢していたからな…… ショックなんかな?


「これはスネーク先生が付与されたものですか? すると私の自慢の逸品もこのようになるわけですね……セビアーン!」


剣をボルちゃんに返した後、再び調理場へ戻ったナンちゃんとハンナちゃん、抱えられた我。ボルちゃんはそのまま薪作りという名の憂さ晴らしをするのであった……


「それではやっていただいても?」


ええでー! クナイは別にして刃物だけ先にやる!


青魔法Lv.4祝福セレブレーション

“プップ~”

“どのような祝福を施しますか?”

“頑強さと鋭利さを十倍増しというのはどうでしょう?”

“パヤヤヤ~ン”


この付与はボルちゃんの剣と同じや! あとはクナイの方だが……


青魔法Lv.4祝福セレブレーション

“プップ~”

“どのような祝福を施しますか?”

“頑強さと鋭利さを十倍増し、目標物にたどり着かなかった場合、自動で手元に帰る、というのはどうでしょう?”

“パヤヤヤ~ン”


でけたな。3本あるから、一本ボルちゃんにあげてもいい?


「いいですよ。手元に帰ってくるのなら2本あれば十分ですし。付与のお礼ということで」

やったね! これでメイドの仕事をしても暗器が持ち込めるよ!


”ま、今は必要ないがな! それより、あのドワーフ殿がやっと来たぞ!”


”ああ、確認した。それじゃ、貰うもん貰って、昼飯食って出発だな”


”ハンナちゃんや、昼飯の準備をするとしましょうかい!”


「そうですね、なんだか庭にたくさん人がいるのですが、あの人たちはお昼どうするつもりですかね?」


よく見たら、ギルドの職員さんがたくさんいますな…… 君たち、お仕事は? と思ったら、からーん・からーん・からーん…… 鐘楼の鐘の音が聞こえます…… 正午になりましたかな? するってーと、正午の休みになる前にすでに休憩モードになってたってこと? うーん、ゆるゆるだね。そういうの好き! ボルちゃんがドワーフおじさんに捕まっているが、こちらは食事の準備ですな…… ハンバーガーセットでええや! あ、石鹸の人がいる。彼に炭酸水を作ってもらいましょう!


「あの人はザイフェさんですよ。ザイフェさーん、お願いがあります」


「昨日やったあれですね。えー、炭酸水でしたっけ? を作ればいいんですよね。私もそのつもりでやってきました」


そんじゃ、そっちは任せた! ハンバーガーはもう出すだけだから、ドリンクをホットにするかコールドにするかだけだな! これ、いくらで売れるかな?


「これだとうちなら大鉄貨7枚……でしょうか? アー、でもハンバーグが小さいし……うーん、人件費も考えたらそれ以下はきついかも…… 」


うむ、人件費は考えないといかんが、宣伝費と思えば……昼はサービスしといて夜にがっぽりウハウハ、というのを考えてます。


「あ、グレーテルさんにもあげておかないといけませんでしたね? 」

ハンナちゃんがポーチから光るスネークンを取り出してグレちゃんに渡します。


「…… これは? なんだかすごくきれいな……スネークさんの人形ですか?」


お守りと思っておきなせぃ!


「エスコフィエさんにもリッツさんにも渡しました。ザイフェさんにも渡しておきますか?」


そうですね。取り扱いは料理人の二人に聞いて。ナンさんもいるかい?


「私はもう素晴らしいものをいただきましたから」


ああ、刃物の付与ね。そんじゃ残りはホテルに置いておくか? それより昼飯だな! ボルちゃんよ、ゲルちゃん連れて昼飯を食わせれば、みんなついてくるんじゃねーかな? まだ剣のことで落ち込んどるのか?


「落ち込んだりもしたけど、私は元気だ!」


へーさよか。そんじゃ、ゲロちゃん連れてきてくれ。


「それではご領主よ、昼食にしてはどうかとスネークが申している」


「そうか、それにしてもそなたらは今日街を出ると聞いたが、まだ出発しなくてよいのか?」


「バドエル殿も来られたようだし、食事が終わったら出発だな」


「そうか、まだまだいて欲しかったが、こればかりは仕方ないな。で、食堂の方に行けばよいのか?」


「新しくなったから、レストランと呼んでほしいそうだ。そら、お付きのものも一緒にと言っている」


 結局、領主閣下一行とポルちゃん一座(マハリク含む)以外からはハンバーガーセット(ハンバーガー、ポテトフライ、ドリンク(ホットオアコールド))を大鉄貨5枚、500円ぐらいの値段で提供することになった。追加したい奴は個別にハンバーガー大鉄貨5枚、ポテトフライ大鉄貨1枚、ドリンク大鉄貨1枚で購入してもらうことに。この価格帯ならギルドの若手職員にも払えるだろう。まあまずはゲロちゃん一行に食わせて、様子を見るか。…… 貴様ら一行、何人で来とるねん!



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