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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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贈り物は大事だね

GWが始まってしまいました^^



 我、ハンナちゃんに抱えられ、村長オーナーのところへ行きます。はい、ちょっとお邪魔しますよ。


「どうしたのかな、スネーク殿? 」


銭湯施設の従業員部屋なんだけどさー、東側に作ったところにはカーテン付けた方がいいですぜ? 朝、まぶしくって寝てられないさー! あと、子供らが元気になったら、そっちに移して、本館の4階は改築した方がいいっていったよな? お金は大丈夫か?


「なに、心配いらんよ。スネーク殿のジョッキのおかげでもう3階分増築することになった。やはり、大部屋は残しておかんとまずかろうと思ってな」


そうですか、ちゃんと計画性があるんやな? ほんならなんも言わんけど。


「それよりスネーク殿にはいろいろ世話になったな。本来なら宴会でもやって送り出したいんだが、まあ今日出発ということなら仕方ないか。ボルドウィン殿たちの任務が済んだらもう一度こちらに来てもらうことはできるのかな?」


「どうでしょうねー? 隊長はまじめですから、任務終了したら王里に直帰で報告されると思いますよ? 」


「王里というのはどの辺にあるのかね?」


「それは秘密です…… もっと西の方と言っておきます。これから向かうところよりさらに西ですので、こちらには…… どうでしょうね? スネークちゃんだけなら来るかもしれませんが? 」


でもなぁ。我、喋れないし。来ても、単なる蛇扱いだし。街や村には入らないと思うよ? 一番会いそうなのは外で冒険しているヴァッへ君やヴェヒター君じゃないか?


「スネークちゃんだけだと、人語を話せませんので街へは入れませんよね」


「なんじゃ、ずっと一緒なんじゃないのか?」


「隊長に聞いたのですが、スネークちゃんはあるお方から借り受けた従魔なのです。我々の任務が済めばまたそのお方のところへ戻るということでした」


「そうか…… じゃが、喋れなくても村のほうに来てくれればいつでも歓迎するぞ!」


「そう言って、我のことをこき使うつもりだろうw、と言ってますね」


「ガハハ! スネーク殿にはバレバレだな! じゃが、歓迎するのは本当だからな!」


「わかったわかった!気が向いたら村に行くから、我のこと討伐するなよ! だそうです」


それとだな、村と街の間で塩が取れることは領主に言うといた方がいいんじゃねーかな? 探すのに村人だけでは人手が足りんと思うが……


「それもそうじゃの。落ち着いたら話しておこう」


あと、ゴブたちやウリ坊たちをよろしくオナシャス!


「スネーク殿はやはり母親気性じゃのう。心配せんでも魔物や野生動物は勝手に育つもんじゃ」


しかしなー、よそから来た冒険者たちが谷に入ったら駆られてしまうんじゃないかと心配でなー。


「あの谷はよそ者にはちと厳しいところじゃよ……エルフ族ならともかく、基本人族はめったなことではあの谷に出入りはせんじゃろて」


あの谷、結構役に立つ植物が生えてたぞ? 金のためなら女房も泣かすのが基本人族じゃないのか?


「…… 女房は泣かさんがね? 金のためなら多少危ないことをするのは仕方ない。一攫千金を狙うやつも出てくるかもしれん」


となると、2日目に泊まったところで会談を作ったのは失敗だったか? でも階段がないと水も汲めないだろうしなぁ……


「スネーク殿は心配性じゃの。あそこに階段ができたので、ワシらは助かっとるよ。そんなに心配なら、事が終わったら見に来ればよいではないか」


それもそうだな。

♦♦♦♦♦♦



からころろん♪


ん? 誰か来ましたな? こんな午前中に泊り客? もしや、ドワーフおじさん?


「父さん…… ホテルオーナーいますか?」


オーナーの実の息子でギルドマスターの……名前なんつったっけ? 


「きたか。お前に聞きたいことがあってな。ギルドの会計課とつるんで不正をしていたここのフロント係とは別に、どうも料理長と給仕長が宿泊施設の備品を持ち逃げしているようでな。お前、ちゃんと給料払っておったのか?」


 なんやら難しそうな話になってきたな…… 我、ハンナちゃんに抱えられこそっと離れてもらうことに。調理場に戻ったら、ナンさんが帰ってきて、魔道冷蔵庫の中身をあれこれ覗いていた。そんなことをしたら冷気が逃げるだろ!


「やー、これは失礼いたしました。ほかの方々の調理場がどうなっているのか気になって……いろいろ拝見させていただきました」


何か気になるものでも?


「箱が魔道庫にたくさん入っているのが一番気になりましたね」


あれは下ごしらえをしたものが中に入っとるんですナンさんと頃はそんなんせんのん?


「それはもちろんやりますよ? ただ、分量がうちとは比べ物にならないくらい多かったのでびっくりしました。我々のところは普段でも20人前しか作りませんからね」


あれ?領主邸ってあまり人数いないのかな? お城みたいなところに住んでるんじゃないの?


「そんな無駄なものはありませんよ。ここは辺境ですので、実務重視です。それでも一度に20人分作るのは手間がかかりますよ?」


そうですか…… そんならこの箱いる? 中身が見た目の50倍は入るよ? 重さは1/50になって、中に入れたら時間の経過が1/50になるの?10個ぐらいもってけ、ドロボー!


「先ほどの鍋や、温める箱、あわせてありがたく頂戴いたします。何か差し上げられるものでもあればよろしいのですが……」


いやー、物よりもうちの料理人を鍛えてあげてください。前の料理長がトン面したせいで、お手伝いしていた人を料理長にしたもので、経験が足りんのですよ。


「わかりました、手の空いた時間…… そうですね、昼過ぎくらいに手ほどきをしにこちらに参上いたします。そこのお二人ということでよろしいですか?」


「あ、はい、よろしくお願いします」


「私は給仕をしていますが、人数が足りないので調理もやってくれって言われましたので……」


よし、料理の先生、ゲットだぜ! これで我がいなくなってもだいじょーV!



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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