我、大きな鳥さんに襲われる
雨が上がった。我、お外に出てみる。地面は濡れているものの水たまりはできていない。そりゃそうだ、坂になってるからな。我は水を貯めるように掘った穴を見に行く。穴に水が入っている・・・が、大きすぎたのか、場所が悪かったのか、少しも溜まってない。よし、ならば水魔法の練習だ!レベル2だか3だかわからないけど
“水!”
三重苦を乗り越えた人のようだ。これが水よ・・・ヘビン・・・
ヘビン・ケラーのできあがり。ホントにこれ水なのかな?ざぶざぶ出てくるところを見るとレベル3かな?穴にはまだまだたくさん入ります。
“水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!”
“水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!” “水!”
“水!” “水!” “水!” “水!”
ちょっと溜まりました・・・
“テロリン”
おや、レベルアップですか。
“水魔法Lv.4”
水が出る、たくさん水が出る、の次は何だ?
“水魔法Lv.4 癒しの水が出る”
なるほど。癒水と名付けよう。
我、水魔法Lv.4を使おうとしたとき、急に空が陰るのに気づく。ん!なんかまずい!我、前方に飛び上がる!飛び上がる前にいたところに大きな鳥さんが舞い降りた!これまたでかい!ウサギさんが片翼に入るぐらいだ!我のこと、襲いに来た?!我、ヘビだからおいしくないよーーーーーー・・・いや、トリはヘビ食べますがな!良質のたんぱく源やがな!いやいや、我、落ち着け!素数を数えるんだ!数えとる場合か!相手をよく見るんだ!
我、鳥さんを観察する。くちばしは長細いな・・・足はすらり・・・翼は広いものの胴体がやたらと細い・・・長距離飛行をする鳥さんと見た!目的は我ではなく、神樹さまの赤い実ではなかろうか?もしかして、神樹さまの言ってた、花吹雪(うん〇まき散らし)鳥??
“誰がう〇こまき散らし鳥か!”
あーーー、この鳥さんもしゃべれるんだー!
“レベルの高い魔物は喋れて当然じゃ!”
はー、さよですか。魔物さんでしたか・・・
”おい、お前!“
なんすか?
“ここの木枯れておるぞ!お前が枯らしたのか?”
そんなわけないでしょ。なんでそうなるの?
“枯れた木のところにおかしな生き物がいたら、誰だってそう考えるわ!”
我、やっぱりおかしな生き物なの?自分でもそうだと思ったけど、ほかの人(鳥だけど)に言われると、やっぱりショック!神樹さまはそんなこと言わなかったけどなぁ。
“おかしいにきまっとるわ!レベルが低いくせにぺらぺらとしゃべりおってからに!”
あ、我のレベル見れるんですか?もしかして、ステータス魔法使える?
“そんなことより、ここの木は何で枯れてる?ワシ、この木の実がないと目的地までたどり着けないのだ!お前持っとらんのか?”
あー、我持ってますね・・・我の知りたい情報と引き換えね。たくさんはあげられませんけどね!
“あれ程の実、一つ食えば十分満足じゃ!ほれ、よこせ!はよよこせ!”
我は簡易ハウスに行って赤い実を一つくわえて戻ってきた・・・
“よし、とっととよこせ!”
おっと、これが欲しけりゃ、全部吐くんだな!お前の知ってること、全部吐け!
“寄越さなきゃ、なんもしゃべらん!”
しゃべらなければ、寄越さないですぜ、旦那!ふへっ!




