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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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ボルちゃん裁き!



全員が2階の会議室へ入ると、そこにはロの字に並んだ会議テーブルの向こう側に、昼間いた関係者が4人、並んで座っていた。他には立っている職員が二人いますな。立っている職員の一人に促され、我らは席に着いていく。奥へ入っていくエルフ三人、若手門番二人、村長、ポルちゃん・・・


「あれ?オレの席がないぞ!」


「お前はそこで立ってろ!」


「お前は学校の先生か?」


「・・・失礼しました。タルさん、椅子を一つあちらの方に・・・それと」


「儂はここで立っている」


「・・・わかりました。それでは昼の嘆願をお聞き入れくださりありがとうございました」


「来たくもなかったのだがな」


ボルちゃんが小声でつぶやきます。




「それでは、先に報告させていただきます。シュタイルハング村の{ランドルド}様からご依頼のあった、献上品に対する、鑑定・鑑定証の作成・献上品の輸送についてです。すべて終わりました。鑑定・鑑定証が四品、鑑定一品に銅貨5枚、鑑定証作成一枚に大銅貨1枚がかかります。献上品の輸送ですが、領家への輸送が大銅貨3枚、王家への輸送が銀貨3枚となっております。合計で銀貨3枚大銅貨9枚となります。ご確認ください。それでよろしければサインをお願いします」


椅子をポルちゃんに持ってきたタルさんが、今度はトレーを村長に渡した。その上に紙が乗ってますな。明細書と受領証だ。村長サインをして、リュックから硬貨袋を取り出し銀貨3枚大銅貨9枚をトレーに置いた。


「ふむ、きちんと仕事はしてくれたみたいだな。あのまま投げ出されるかと思っておったぞ」


「我がギルドが誇る優秀な職員ですから」


「いくら仕事に優秀でも、職場で客に狼藉を加える人物は有害だとは思わんかね、ギルドマスター?」


「今後このようなことがないように職員全員に通達いたします」


「全員に通達する必要はないじゃろう?たった一人に通達すればよろしい」


「それならもう通達しておきました。その人物から正式な謝罪をしたいとの申し出がありましたので、よろしいでしょうか?」


村長、エルフ三人に顔を向けた。三人とも頷く。どじょが(土壌じゃないよ、ドワーフ女子のことだよ!)ロの字の真ん中にやってきて土下座謝罪!あれれ~?この謝り方、この世界に共通なの?


「この度は、私、ドナータ・バドエルの愚かな行為によって、エルフ族並びに基本人族の皆様方に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした」


「謝罪は受け入れる。だが、その気持ちがいつまでも続くものでもあるまい?其方の愚かな行為とは、其方自身の立場と気持ちが一致していないためにその葛藤かっとうから生じたものであろう。ならば」


ボルちゃんは続けます。


「その原因を断ち切らぬ限り、再びまた愚かな行為を繰り返すのは自明だ。どうだ?ギルドマスターはそうは思わないか?」


「つ、つまり、あくまで彼女の処分をお望みだと?」


「彼女が鑑定士という職業に不服がある、という話は昼聞いた。不服のある職業についていても不満はたまる一方だと思うのだが。おまけにドワーフ族のストレス解消の手段を封じられているようだし」


「すみませんが、発言を続けてもよろしいですか。私は鑑定によって素晴らしい物品がこの世に存在することを今日はじめて知った。このような物品を鑑定し、世に広めることが私の天職であることも理解した。だから今後は昼のような行為はやらないことを誓います。それでも処分を求められるなら、意のままに従いましょう」


“スネークよ、お前はどう思う?”


我、どじょ・・・ドナータ・バドエルを見る。くるしゅうない、面を上げよ!


「スネークが顔を見たがっている・・・頭を上げてくれないか?」


ドナータさん、顔を上げましたな・・・真剣な眼差しですな・・・我、前世に、道で出会ったらさっと道を開ける、美しさと怖さで。


“嘘を言っている感じには見えないな。本当に心を入れ替えたのかもしれない”


“それではギルド追放処分はやりすぎだな!”


“ああ、鑑定の能力は優秀なようだし、辞めさせるのはギルド、というより街の不利益になりそうだ”


“街の不利益か・・・スネークは志が高いな”


“そんなこたない。鑑定士ってのは大事な人材だからな。だけど・・・”



問題はあの首飾りだな。いくら今は反省しているからといっても、今後それがいつまで続くかわからん。なら、早めにどうにかしてやった方がいいと思うのだが・・・ところで、あの王杯(聖)はまだ欲しがっているのかな?



「さて、君は謝罪した。ということは罰を受け入れるということでよろしいか?」


「すべてを受け入れる覚悟があります」


「そうか。それでは、明日から今後1年間、冒険者ギルドでの給与の2割カット、鑑定作業を無償奉仕。本冒険者ギルドは1年間鑑定料を無償で受け付けること。これでいいか?」


ギルド職員の面々は大きく息をついた。どのような処分をするか、内心ひやひやしていたに違いない。追放処分どころか、給与の一部カットだけで済んだと安堵あんどしているのだろう。


「今日からにしてくれてたら、今日の分だけオレら得したのにな!」


「お前はすっこんどれ!」



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