サンドウィッチとハンバーガー
スーパーチューするでぃ^^
“サンドウィッチとは、パン・・・薄切りした2枚のブロートに、野菜やチーズ、食べやすくしたオニクを挟んでできる料理じゃ!”
「あれ?それは{はんばあがぁ}とは違う料理なのですか?」
はんばあがぁ?ハンバーガー・・・それはもしや、勇者文献?
「そうです、勇者文献です。ブロートを半分に切って、その切断面に野菜やオニク、お子のみでチーズをのせる食べ物である、と書いてありました・・・その文章を書いた人は自分でその料理を作ってみたそうですが、ブロートの量が多すぎて、単に冗談としてつくられた食べ物なのではないか、と寸評されていました」
“もしかして、さっきリュックに詰めていたブロードを、そのまま使ったのかしら?”
「恐らくそうだと思います。こんなに食べきれるものではない、とも書いてありましたから」
“ハンバーガーはもっと小さい、ハンナちゃんの付けてるポーチぐらいの大きさのブロートで作らないとダメなんやで!そうじゃないと食いきれないがな!それと黒麦・・・ローゲンじゃなくって、小麦・・・ヴァイツェンブロートじゃないと、歯ごたえがあり過ぎて中の具を食べるまでにアゴが疲れてしまうがな!”
「そうだったのですね・・・( ..)φメモメモ!ふむふむ!それと、さっき言ったサンドウィッチとハンバーガーとは何が違うのでしょうか?」
”ハンバーガーは中にハンバーグ・・・村で作ったよな!アレをはさまないとハンバーガーにならんのじゃ!サンドウィッチはなにをはさんでもいいが、ブロードはヴァイツェンにして、食べやすいようにブロートの耳を切り落として、三角形にしないといけないのじゃ!“
「ブロートは食べ物なので耳はありませんが、何を言っているのでしょうか?」
あ、しまった!我、誤解を生む表現をしてしもた!ハンナちゃん、1個ヴァイツェンブロートもろてええ?耳っていうのは、この四角いヴァイツェンブロートをな、切断するとな、外側の焼いた色と真っ白な場所があるやろ?焼けたところが耳っていうんよ。え?なんで耳っていうかって?なんでやろな?つまみやすいから耳っていうんじゃないんかな?え、それなら鼻でもよくないかって?鼻は食べたくないやろう?耳は食べてもいいかな?
「いやーん!スネークちゃんのエッチーー!」
どうやらエルフにとって耳は性的な意味を持つ・・・のかな?
・・・
「・・・と、いうわけで、“さんどうぃっち”と“はんばあがぁ”の作り方をメモしておきました!」
あ、耳がたくさん残ると思うので、ブロードの耳を揚げて、糖を塗したものを作って販売すれば、無駄なし!
「それはすごい!{エルフの耳}という名前で売り込んでいいでしょうか!」
話を聞いていた店長さん、急に食いついてきた!
「名称がいやらしいです!却下!{ブロードがあなたの話を聞いたげます}にしなさい!」
それもどうかと思うけど!パンにはさむ具材の野菜は、この辺だと何があるの?そもそも生野菜って食べる習慣があるの?
「生野菜は普段から食べてますよ。野菜市場に行ったら、除菌魔法を施した野菜を売っているので生でも安心して食べられます。今時期ですと、キュキュミスやコプフザラト、コールやトマーテが旬ですね」
キュキュミスはどこかで聞いたな、コプフザラト?コールはキャベツだったけか?トマーテはきっとトマトやな!
「現物見せてもらった方が早くないですか?」
そーだな!あと、そこで飽きてくたびれている村長!商機なんやで!
「村長さん、ここは商機ですとスネークちゃんが言ってます!」
「嬢ちゃん?どういうことか説明してくれるかの?」
「それはスネークちゃんが!」
“ここに、マヨネーズとケチャップ。あとクリームを売りつけるチャンスなんやで!桃だけやないんやで!ここで安定的に商売できればいい金づるになるんやー!げっへっへ!”
「・・・と言ってますよ?」
「チーズやバターは作っておるが、クリームは・・・」
何言ってるねん!さっきヘンテコ魔道具買ったやろ!あれ、クリームを作る魔道具やで!冷やしてやればアイスクリームの完成や!アイスクリームは村で販売するしかないかもしらんが!
「お待たせしましたー、これがキュキュミスとコプフザラトです。他はちょっと見つかりませんでした」
そうかいそうかい。キュキュミスはやはりキュウリやな!コプフザラトはレタスか・・・それじゃ店内で調理させてもらうで!料理ば貸してーな!さっきかッとした薄切りブロートに・・・ハンナちゃん、スライサー出して!あれでキュキュミス薄切りにして!レタスは、どうしよう?二枚剥いて、あとしっとりボアの燻製肉だして、食べにくいからこれも薄切りにして!あとは、バターある?ニグラムは、ハンナちゃんが持ってるな。ちょっとだけだして!つぶして!それじゃあ、薄切りしたブロートにコプフザラト乗っけて、スライスキュキュミス乗せて、燻製肉乗せて、ニグラム振りかけて・・・
「ここで村長さんのところで作っている、マヨネーズ、ケチャップをかけるともっとおいしくなると言ってます」
「そうですか!そしたら是非お取引をお願いしたいです。私、この店の店長をしております、アンデルセンと申します。村長さんのお名前は何とおっしゃるのでしょうか?」
「ワシはシュタイルハング村で村長をしとります、ランドルドと言います。実はまだ値付けができておりません。それと量産もまだできておりません」
「かまいませんよ、良き伝手を得られたと喜んでいるところです」
おっさんとおじいさん、できたよー!それ召し上がれ!
「ふむ・・・片手でつまんで食べるのかね?なるほど、中の具材を切り分けているので食べやすくなっておりますな・・・何か仕事中でも食事できるので便利なのですね。それにこのオニクは・・・」
「あ、これも村で作ることはできますよね?」
「え?ええーー?」
いや、こっちでニクを大量に買い込んで、我が置いてった燻製機でつくればいいでしょ?原価を計算して、人件費を考慮して販売すれば、仕事ができますがな!
「ああ、これもまだ始めたばかりですので2か月ほどお持ちいただければ、販売できるようになりますぞ・・・たぶん」
「よかった。それではできましたら領主様に献上しようと思います。連名にされてよろしいでしょうか?」
「いや、ブロートのことはブロート屋に任せます」
「こちらの方々、あ、エルフさんでしたか。えと、お名前をお聞きしても?」
「いや、我らは旅の者です。名乗るほどでもございません。また明日の朝起こしになってください。お礼をさせていただきたい」
「ご好意を無碍にもできませんな。それではまた明日の朝にでもお伺いします」
「ランドルドさんは、村から来られたのならどこかへお泊りなのでしょうか?」
「ああ、泊まるあてはある。ギルド長と知り合いなのでそのうちに止まることになってる」
「ノルトマルク様とお知り合いなのですか。何かあればそちらへ伝言すればよろしいですか?」
「うーん、家の方に連絡されると本人も困るじゃろうから、ギルドの方がいいと思います」
「そうですか、ではなにかありましたら・・・今日はよき出会いになりました」




