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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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パン屋再襲撃



我ら、4階に行き、必要な魔石を購入。製氷機魔道具用魔石が1つ大銅貨2枚で使いっぱなしでも1年は持つそうだ。ヘンテコ魔道具用魔石は小さ目の魔石が2つ必要。100回使ったら取り換え時期だそうです。2つで銅貨1枚。値段がえらいちがうな!


「討伐のレベルが違うからな」


スライムが2匹で大鉄貨1枚だっけ?スライムの10倍強いやつかしらん。




1階に戻り、お会計を済ませてしばらく待っていると、物を木箱に入れて猫車?でも車輪がないね・・・風で台を浮かせているのか・・・そしてそれを引っ張って来た。


「毎度お買い上げいただきありがとうございます。商品は馬車の方にお乗せした方がよろしいですか?ここで受け渡しをしますか?」


「馬車まで頼む」


「それでは本日はお買い上げありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」


荷物は荷物専用出口から、人間は入った受付から出るように決められているそうだ。





馬車に戻ってみると、ヴァッへ君とヴェヒター君、ハンナちゃんで話が盛り上がっていた。あのオーガドワーフ女のことで盛り上がっとったんかい!


いつの世も人の悪口の種は尽きまじ それにつけても姫のいとしさ 詠みへび知らず





「話が盛り上がってるな。ところで君ら道中ニク屋を見かけなかったかな?」


「いや、俺ら馬車の動かすのに夢中で回りはあまり見てないんだよぅ」


「それにしても、また何か買って来たのか?せっかく荷台が伽藍洞になったと思ったのに」


「荷台と言えば、思い出した。村長殿のリュックはあるかな?ポルティエ殿のでもいいが」


「ポルさんのならここにあるよぅ」


「よし、ポルティエ殿のリュックに土嚢袋を詰め込むぞ!」


ボルちゃん、自分のリュックから土嚢袋50枚を取り出しポルちゃんのリュックに詰め込む。 


「あっ!おれのリュックに何詰めてるんだ!」


「先ほど言った、土嚢袋だが?馬車の荷台に乗せておくには不用心だし、こちらの二人の今後はわからないし、村長殿かポルティエ殿のリュックに詰めないと引き渡せないからな!」


「そういうのはランドルドのリュックに詰めてくれよ。オレのは別のやつを詰めたいんだ!」


「ポルさんは何をリュックに詰めるんだ?」


「夢とか・・・希望だよ!」


「何言ってんだ?」


「ヴァッへ!冒険者の背負う袋にはなぁ、夢や希望が詰め込まれているのだ!それを理解できないとは・・・」


「理解せんでいいぞ!どうせくだらないものを詰めたがってるにきまってる」


「ランドルド!貴様のリュック貸せ!お前のに土嚢袋を詰め込んでやる!」


低レベルな争いだった・・・さて、この後はどうする?


「村長殿は、ニクの、できれば卸をやっているところを知らないか?道中狩ったニクの量では足りなくなるかもしれない」


「卸か・・・朝方なら開いとったと思うのじゃが、明日の朝でもいいなら案内するぞ」


「そうか、ではよろしく頼む。この後の予定は?我らはブロート屋によるつもりだが?」


「そうか、そっちを先に済ますか、冒険者御用達の雑貨屋にこいつらを連れて行こうと思ってな!場所を知っとかないといけないし、相場も教えなきゃならん。それはそうと、こいつらの登録料出してもらってすまない、失念していた」


村長懐から硬貨袋を取り出すが


「かまいませんよ、我らは街の入場料を払っていただいたのですから」


「そうか・・・・お言葉に甘えるとするか。それじゃ、ブロート屋とやらにいくとするか。場所がわかるんならボルドウィン殿が先頭馬車を頼む。我らはそれについて行くから」


だいぶ日も傾いてきた。もう焼き立てのほやほやパンが完成しているでしょう。


・・・


ブロード屋に到着。なんだか人だかりができてますな。並ばなきゃ入れないの?


「すまない、馬車は邪魔にならないところで止めておいてくれないか?」


ボルちゃんは村長に馬車を託し、部下二名とヘビを連れて店内へと入る・・・


「あっ、店長、昼のお客様がいらっしゃいましたよ!」


「お昼のお客様ですね、注文をいただいたヴァイツェンブロート30斤、ヴァイツェンミッシュブロート30斤、ロッゲンブロート30斤すべて出来上がっております。えと、何か入れるものはございますでしょうか?」


「ヴィン、バウアー。10斤ずつ自分の袋に入れてくれ。食べたくなったら食べてよいぞ。と言っても、定時の食事に食べられなくなるようには食べるなよ」


「あ、あの、お客様。お昼に教えていただいたパンのことなんですが!」

そう言えば、桃を半乾燥させて、パンの中にいれたらレーズンパンならぬ桃パンができるんじゃねー?とか言ったっけ。どんな感じになりましたかな?


「お陰様で頂いた桃の分をヴァイツェンブロートに仕込みましたところ、すべて売り切れてしまいました。できましたら、本店で専売にしたく思いまして、桃の仕入れ先をどこかご存じないでしょうか?こちらはその売上げの全てです」


「ああ、そう言うことならちょうどいい人物を紹介するぞ!」


ボルちゃん外に出て、村長を連れてきた。


「この町から北にあるシュタイルハング村の村長だ。詳しくは彼に相談するとよい。村長殿、こちらは村の桃を安定供給して欲しいそうだ」


「桃なんて季節もの、通年で安定供給は無理じゃ!」


“皮を剥いて乾燥させ、糖でつければよい!まだ村には桃がなっていたはずだ!”


「・・・とスネークが言ってるな。価格交渉は任せても?」


そう言って、ボルちゃんは再びブロートをリュックに詰めだした。ああ、あとはサンドウィッチなんかもあると売れるだろうね。手を汚さずに食べられるから、書類仕事で忙しいご領主様にぴったりや!


「・・・スネークちゃん!あなたはこんなところで何ということを。今すぐ、そのサンドウィッチとやらを教えろ下さい!早よ!さあ早よ!」


相変わらず、料理のことになると目が逝っちゃってる幼女エルフだった・・・



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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