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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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そこは魔道具屋だった



「お二人さーん、そこで何やってるんですかー?」


一番気安いハンナちゃんが、ヴァッへ君とヴェヒター君に声をかける。


「あっ、ハンナちゃん!全員そろってるな!もうギルドから解放されたのか?」


「あのまま話し合いが長引きそうだったんだけどよぅ。それにしてもひどかったなぁ、あの人。俺たち、ビビッて動けなかったんだよぅ!」


「お、オレはビビってなかったぞ!あまりの速さに体が動かなかっただけだ!」


「あー、また夕方お話しするということで開放してもらいました。それよりお二人さんがここにいるということは、村長さん達もここに?」


「ああ、さっきまで商人ギルドにいたんだ。そこで荷馬車の荷物、全部おろして売却したって言ってたぞ。だいぶ儲かったから、ここにきて借金完済できるって喜んでいた」


「俺たちは荷馬車の番をしてるんだよぅ」


「それで、ここには何の借金を返しに来たんだ?」


「ここは魔道具屋なんですよぅ。村で使ってる、大きな“冷やす”魔道具、バターやチーズを作るときに使ってるんだけど、ここが売ってるところだったんだってよぅ」


「村長とポルティエ殿はまだ中に?」


「ああ、来たばっかりだからまだまだかかると思うよぅ!」


”ボルちゃん、我、中に入りたい!”


「ヴィン、バウアー。スネークが中に入りたいそうだ。ちょっとここで待っててくれないか。彼らと情報共有しておいてくれ」


「わかりましたー!」


「は~い!」




ということで、我とボルちゃん、大きな建物に入ることにする。入り口には受付があり、そこで対応するようですね。


「すまない、私はミア・ボルドウィンという冒険者だ」


身分を冒険者と言ってきたか。


「ここに世話になったシュタイルハング村の村長がいると聞いて話ができないかと思い尋ねた。無論、良い魔道具があれば購入するにやぶさかでないぞ!中に入ってもよろしいか?」


「冒険者の方ですか、失礼ですが冒険者証を拝見しても?・・・確認できました。そちらの従魔も中に入るのですか?」


「そうだ、こいつが中を見たいと言ったから」


今日は魔道具記念日!


「それでは案内人を二名付けさせていただきます。中へお入りください」


受付の人が何やら大きなボタンを押すと、パカン!と金属の扉が開いた。両脇に黒服サングラスの人がたってたよ。どんな店やねん?ボルちゃんが中に入ると両脇を黒服が黙ってついて行く。我、ボルちゃんの頭にダイブ!右の黒服の人はちょっぴりびっくりしたみたい。左の人は平然としていたな。左の人がボルちゃんに話しかける。


「まずはシュタイルハング村の方とお会いなさいますか?」


「うむ、そうだな!そうしてくれ」


一階はお会計するところ?銀行窓口みたい。そこをスルーして二階に通される。なんだか懐かしい声が聞こえた。


「だからー、いっぺんに払ってしまえばいいじゃん!その方がいちいち村に帰らなくってもいいじゃんか!」


「しかしそうすると契約金に違約金が生じてしまって金がもったいないと思うが・・・」


「そんなんたかが銀貨の10枚ってところだろう?お前、今日がっぽり儲かったんだろうがよ!」


「ほう、景気のいい話ですな!」


「あ、ボルドウィン殿!どうしてここに?」


「いや、村の馬車を見かけてな?ここが魔道具屋だと知って、スネークが来たがって。あと少し話があるのだが?人払いをしても?」


「わかりました。我々は部屋の外でお待ちしています」


その部屋にもともといた黒服二人とボルちゃんについてきた黒服二人がそろって出ていった。


「話とは?」


「ああ、すぐすむ。この町で土嚢袋を見つけたので50L入りのやつを50枚買ってきた。スネークが君らの村の農地の土壌が痩せているのを気にしたらしい。付加をかけて容量が50倍、重量が1/50になるようにしてある。それを使って、黒色土の森の土を運ぶとよい、と言ってたな。袋は・・・馬車の荷台に乗せておくか?ちょっと物騒な気もするが」


「最後の最後まで手間をかけるな・・・ありがとうスネーク殿!」


「それで何をもめていたのだ?」


「以前村で購入した牛乳やヤギ乳を冷やすための大型魔道具なんだが、分割払いで返却しててな・・・一括で返すと違約金が発生するのだよ。それでもめててな・・・」


「あんまり大金を持ってるとよ、良からぬ輩から狙われねーとも限らないだろ?


「しかし、一括で払ってしまうと、皆がのる馬の代金が心もとなくなってしまうのでの・・・お前、それを考えてないだろう?」


「そ、それもそうか・・・てか、馬っていくらするんだ?」


「時価だからな・・・最高級を用意すると言ったので金貨は必要だろう?ああ、明日の朝、馬専門店に案内していいか?それですぐ乗れそうならいいが、練習時間が必要なら通りで騎乗の練習をするとよい」


「わかった・・・が、そんなに無理をすることはないぞ?我らも多少稼いできたからな?どうだ、この店の魔道具とやらを一緒に見に行かないか?スネークが的確な助言をしてくれるだろう」


「わかった、支払いの方はワシの意見でいいな?ポルティエ」


「ああ、どのみちスネークが来たからには新しい魔道具とやらも買っていくことになるんだろうて」


おお!ポルちゃん鋭い!我、氷のできる魔道具を買わせようとしたのよねー!というか、村では冷える魔道具を見なかったな・・・そんなのがあるとわかってたらエールもどきやジャガ酒を冷やしておけたのに!もったいないことをしたな!


4人は立ち上がって部屋を出た。すぐに黒服が4人、各々について回る。


「魔道具品は上の3階、4階は魔石や魔導書売り場にになっております。それではまずは3階からご案内させていただきます」



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