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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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雑貨屋にて



「ご店主さーん、この辺に雑貨屋さんなんかありますか?」


「雑貨屋さんかい?それなら、大通りに出て、左に進んで2番目の通りを右に曲がってちょっといったら左側にあるよ」


「はーい、ありがとうございましたー」


「お嬢ちゃん、覚えられたかな?」


「はいー、大通りに出て左、2つ目の通りを右、そのあと左ですね」


「あらぁ、賢いわねー」


「それじゃあ、お世話になりました~」




香辛料屋のおばちゃんに見送られ、大通りに戻って、アラさホイさと進んでいくと、横切る通りがあった。それを渡ってさらに進むと、また通りが出てきたのでそれを右に進み、ちょいと行ったところに雑貨屋があった。雑貨屋の看板は遠目では何だかよくわからないが、近くに寄ったら目についた。売ってあるものが看板に書かれているんや!


「こんにちはー!」


ハンナちゃんが率先して歩く。にゃ~お!うお!ネコや!ネコがおるー!異世界に来て初のキャット!異世界猫はいずこにおるの?と思ったら、ボルちゃんがあっさり捕まえて撫でていた・・・いつのまに!


「はーい、お客さんですかー?」


何とものんびりした調子のお姉さんが登場。雰囲気はエマさん風なのに体型はボルちゃん風だった。


「お客さんですよー!ノートと筆記具買いに来ましたー!あと、ここに土を入れる袋ってありますか?」


「土を入れる袋―?それは土建材屋さんに行かないとないよー!ノートは大きさと枚数、行数多いのと少ないの、無地、いろいろあるわよー!見てって好きなの選んでね~。あら~ミャアちゃん、かわいがってもらってるわね?」


「ご店主、この子は貴方の飼い猫ですか?私はミアといいます」


顔がデレデレしている。我、気配を消しておこう・・・ハンナちゃんは前世でいうところの大学ノートを指差した。


「お姉さん、これ沢山欲しいんですけど一冊おいくらですか?」


「あら、かわいいのにこんな無粋なノートを使うのね。おじさんみたい。ミアさんもそう思わない?あら、失言」


「業務用ですので・・・普段ならこちらの方を買いますが」


と、言ってハンナちゃんが手に取ったのは、何とか学習帳みたいな表紙に大きな写真?詳細な絵の載ったノートだった・・・よりにもよってアナコンダが表紙のを選びやがった!会話こそ似たり寄ったりの二人だったが、動物の嗜好については真反対のようだ。お姉さんの顔が愛想よくひく付いていた・・・


「はい、コレ5冊で大鉄貨3枚。筆記用具は・・・あなたエルフね?魔法が使える人ならこれ、使えるんじゃない?じゃじゃーん!魔法ペン~!」


魔力を込めて書き込むと、ペン先から念じた文字が紙に転写されるそうだ。ペン先と反対側を使うと、文字が消えてしまうという優れものらしい。


「これだと筆記用具に困らないわよ。ちょっとお高くて大銅貨5枚なんだけど・・・?どうする?止めとく?」


「あ、持ってますのでそれお願いします。あと、ノートは100冊。銅貨6枚分ですね。大銅貨6枚お渡ししますので銅貨4枚のお釣りをお願いします」


「・・・すごく計算早いのね・・・ちょっと待ってて。奥からまとめたものを持ってくるから!」


「ハンナちゃん、たくさん買いましたね~」


「これでスネークちゃんが新しい料理を教えてくれても大丈夫ですね!それにしても・・・」


いつもとはまるきり様子の違うボルちゃんに戸惑う二人であった・・・




お姉さんが帰ってくるまでの間、店内をうろつく我・・・客観的に見たらヘビが這っていて怖いと思う・・・雑貨といっても文具から調理具、裁縫道具etc.etc.多岐に渡っておりました。


「はいはーい、お待たせしました~。ノート百冊と魔法ペン、お釣りが銅貨4枚でーす。これはおまけね?」


そう言ってお姉さんが渡してきたのがアナコンダ学習帳だった・・・


「これ、ずっと売れてなくって・・・喜ぶ人がいたらあげた方がいいかなって思ったの」


「うわぁ、ありがとうございます!・・・あれ?スネークちゃん?お礼にスネークちゃんを見せてあげようと思ったのに!」


“馬鹿もん!ヘビが嫌いな人にお礼にヘビを見せるとか、お礼どころか嫌がらせじゃ!もう用が済んだのなら撤収せい!あ、土建屋の場所は聞いといて!”


「あ、そう言えば、土建材屋さんってどこにあるかご存じですか?」


「土建材屋さんはちょっと遠いわね。大通りをまっすぐ進んで鐘楼のある広場に出たら・・・左に回って二つ目の大通りを進むと、その辺が大きな商会だから。砂とか石板とかたくさん置いてあるからすぐわかるわよ」


ボルちゃんは・・・聞いてないな?大通りを鐘楼まで進んで、左回りをすると2つ目の通りがあるから、それを進めばいいのね!


“ほら、ボルちゃん!いくで!”


「あぁ、名残惜しぃ、ふわふわモフモフの手触り・・・」


“3秒で離さないとパラライズな!さん!にぃ~~!い”


一、といおうとしたら、ボルちゃんがやっとネコを手放した。床に降りてきたネコは・・・我と目が合うと一目散に逃げだした!そーでしょーねー!


「あらあら、ミャアちゃんお別れのあいさつをすればいいのにね~?」


なるほど。我、ハンナちゃんの頭にジャンプ。お別れの挨拶をば!


”それじゃ、お姉さん、世話になり申した。さらばジャ!“


お姉さん、ゆっくりと倒れていった・・・倒れる前にボルちゃんが支えたので大事にはならなかったが!



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