香辛料屋にて
休憩、次は夕方かなぁ・・・
ブロート屋を出て、さらに通りの奥へ進むと、屋台のおやじが言っていた香辛料屋が見つかった。その隣には乾物屋、さらに奥に調味料屋がありますな。どちらも日当たりの悪そうなところにありますな・・・日当たり良かったら品質変わりそうだからか。
「こんにちは~、どなたかいらっしゃいませんか~?」
“ここで何を買うのかな?”
“ニグラムを結構使っちゃったので、補充しておこうかと。あと買取ができるならサルバイとイングウェア、クノープラウホをお願いしようかと。ちょっぴり残しておけば、スネークちゃんがまた増やしてくれるんですよね?”
うむ・・・ニグラム・・・胡椒か・・・あれ、全部熱湯で芽がでないようにしているらしいが・・・たしか、芥子の実なんかはそうやってもいくつかは芽がでるようになることがあると聞いたことがありますな?ホントかどうか知らないけど試してみるのも一興・・・
「はーい、お客様ですね。何をお求めで?」
恰幅のいいおばさんが出てきた。
「えっと、買取りなんかやってます?」
「売値の6掛けですけどよろしいですか?」
「大丈夫です。イングウェアとサルバイ、クノープラウホをお願いします。売ってもらうのはニグラムです」
「ニグラムは100gで銅貨3枚、イングウェアは丸ごと生?乾燥状態なら隣の乾物屋ですね。クノープラウホも同じ。サルバイは100gで銅貨1枚と大鉄貨5枚だから、買取だと大鉄貨9枚になるけど、いい?」
孤児院の九倍かよ!どんだけ金ないねん、孤児院だからか!
「それじゃ、サルバイはここにだして。ニグラムは、入れ物持ってる?それじゃあ、それを貸して?重量を先に計っておくから。ニグラムはそこの四角い壺の蓋開けたらすぐだから、掬ったらすぐに蓋をしてね。香りが飛んじゃうからね」
ハンナちゃんは、乾燥サルバイを天秤に出します。一山こんもりになりました。まだ結構あったはずだが、その辺にしとく?
「うわー、たくさん出したね。どうしたのこれ?」
「旅の途中、森で群生しているところを見つけました。たくさん入る魔道具もありますので」
「たくさんあるならもっと出してもらいたいんだけど?」
「それでは、紙にメモしてください。最初の山が2.5㎏・・・次が・・・2.4㎏・・・これで最後です。3.1kg・・・合計8㎏ですね」
「えと、100gで大鉄貨9枚だから・・・1㎏で銅貨9枚。それが8回ということね」
銅貨で72枚。大銅貨7枚銅貨2枚や!
「銅貨72枚だそうです」
「あら、計算が早いわね!お姉さん感心しちゃった!」
「それではニグラムをいれますので、よろしいですか?」
「はいはい、この瓶に入れるのね?重さは計っておいたから」
ハンナちゃんの陰に隠れて、我緑魔法の用意をする・・・ハンナちゃんが蓋を開けるのと同時に
“緑魔法Lv.1発芽!”
粒の中にもこっと動いた場所を発見!ビンゴ!芽がでた!
“ハンナちゃん!右上のところに芽がでているのを入れて!”
“あっ!ありました。掬ったどー!”
素早く掬って瓶に詰め、さっと蓋を閉めます。
「はいこれでお願いします」
「320g・・・おまけして300gでいいわよ。100gで銅貨3枚だから、銅貨9枚ね。さっきのが銅貨72枚だから・・・」
「銅貨63枚いただければ」
「うわあ、計算早いのね~。銅貨にする?大銅貨にする?」
「そうですね。大銅貨6枚と銅貨3枚でお願いします」
チャリンチャリンチャリン、チャリンチャリンチャリン。チャッチャッチャリーン。
「はい毎度、お隣に行くんだろ?ついて行くよ」
「え?ここの店番はいいのですか?」
「ここは人があんまり来ないからね。それに隣が本店みたいなものさ。私の親がやってるのよ。その隣はうちの旦那がやってる調味料屋」




