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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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ちょっとだけ、町の雰囲気を味わう

朝の投稿・・・



冒険者ギルトを出たエルフ三人とヘビ一匹。外はまだまだ中天に日があるが、フードのついた白いマントを着ている三人は暑くないのかな?湿気はないから、むしろ日差しから肌を守るにはちょうどいいのか。我は生前、旅行したことがないけど、地中海性気候っぽいのか?夏に雨はあんまり降らないし。なるほど、今は海外旅行中と思えばいいのね?さて、ボルちゃんよ、装備を整えるって何するんだ?


「そうだな、まずは旅程に必要な食材の調達だ。ポーション類は・・・スネークがいるからいらないか。移動用の馬は村長たちが調達してくれる。武器は・・・必要かな?他に何か欲しいものがあるか?」


「あ、隊長!私調味料が欲しいです!」


「あたしはいますぐお昼が欲しいです~!」


あ、我は土嚢が欲しいです!せっかく魔法で袋の拡張機能がつけれるようになったんだから、村の人たちに黒色土の森の土を持って帰りやすいようにしてやるのだ!あとは、いろいろな種があったらいいなぁ!桃もいいけど、葡萄とかメロンとかスイカとかないかなぁ。


「それじゃあ、まずはかるく昼飯にするか」


「たいちょ~、ここに来る前に、おいしそうな匂いのするところがあったんですよ~、そこに行きましょー!」


エマさん、冒険者ギルドに入る前に嗅いだ匂いをたどって、まっしぐらに進みます・・・大通りからちょいと外れたところに食べ物の屋台がたくさん並んでいましたが・・・なんだか片づけている店が多いですね。お昼が終わりそうな時間帯?まだ売っている店に突撃します。


「おじさん!ここにある串焼き全部くださいな~!」


「おお、全部買ってくれるかい!もう店じまいするところだったんだ。ありがとな、お姉さん。こっちの塩味が1本大鉄貨5枚でこっちの調味味が1本銅貨1枚と大鉄貨2枚だったんだが、全部買ってくれるんなら調味味の方は銅貨1枚にまけとくぜ?」


「おんなじ肉の量なのに、値段がぜんぜん違いますねぇ」


「おうよ!自慢のたれだからな!東方の調味料に秘伝の粉を使ってるんだが、これがまた値段が高け~のよ!でも、その分味は保証するぜ!味は保証できるんだが、今日は売れ残っちまったんで、ちょいと肉が硬くなってるかもしれん。全部で塩味が4本、たれ味が10本で・・・銅貨4枚と大銅貨1枚?だな」


エマさん、さっきボルちゃんからもらったばかりの大銅貨を2枚とりだす。


「えーと、銅貨6枚?余るけど、その分このたれくれない?おいしそうなので他のオニクにも付けたい~!」


「そりゃいいけどよ、お前さん、何か入れるものはあるのか?」


ハンナちゃんがポーチから小瓶を取り出しました。


「ポーション用にとっておいた小瓶です。これにお願いします」


「わかった、これくらいなら全部入れてもいいか・・・よっとっと、ほい、これでいいか?」


「わーう、ありがとう、おじさん!はい、これ、隊長と、これ、ハンナちゃんと、スネークさんはハンナちゃんに食べさせてもらってね?それじゃあ、塩味の方から!」


一串五切れの肉の塊が一口に一つ食べられるように調整してあるはずなのだが・・・エマさんは二ついっぺんに口に入れ左右の顎で両方を咀嚼する・・・


「うまーい!ボアやディアもおいしいですけど、タウルスのオニクはまた格別ですねぇ!しかも!普通のタウルスとは違う感じですよ!ちょっと火が通り過ぎているのが残念ですが、それでもこの肉汁はたまりません!」


「お!お姉さんわかるかい?このタウルスはブラックといって東方からやって来た新種なのさ!」


我も、ハンナちゃんに食べさせてもらう・・・ウム!うまーい!久しぶりにギュウニク食ったー!どれどれ?このたれ味の方も・・・これもまた、うまーーーーーい!やはり、これは醤油たれ味ですな!しかも、とろみがつくようにカタクリ粉を使っていると見た!たれの味だけで鉄貨7枚もちがうのか。これをもっと値下げしたらいいのにね・・・もしかして、材料が高いのかしらね?


「・・・スネークちゃんが、おじさんに聞きたいことがあるそうです。このたれの材料が高いのは味、とろみ、どっちが原因?」


「驚いたな!ヘビまでそんなに舌が肥えてるのか!よく見りゃあんたらエルフなんだな!まーいいけどよ。味の方もお高いんだがそれは安定して入荷できるんだ。けど、とろみの方は最近原料の方がとれなくなってよ・・・おっと!何が原料かは教えないぞ!商売のタネだからな!」


ははーん!やっぱり片栗粉が足りないんだな!そしてそれが原因で値段が高くなってる・・・


「原料の代替品がある、といったらもっと安くなる?と聞いてますね」


「そりゃできるけども・・・そんなに簡単に代替品が見つかるわけないだろ?」


「この町の北の方に、シュタイルハング村というのがあるのですが、そこでレオーノイモ粉というのがあるそうです。それを使うと代わりになる、といってますね。信じるか信じないか、あなた次第です!」


「・・・本当かよ。時間ができたらいってみるわ。シュタイルハング村のレオーノイモ粉な!って、お姉さん、もう食べてしまったんか?早すぎだろ!隣のお姉さんなんかまだ食ってる途中だぞ!お嬢ちゃんは、まああんなもんだろうが!」


「あーおいしかったです~、ごちそうさまでした~!」


「店主、この辺でブロートを専門で扱っている店を知らないか?」


ニクをもしゃりながら、ボルちゃんが尋ねる。ブロートってなんや?


“ブロートは黒パンみたいなものです”


「ああ、ブロートなら大通りに出て右に進んで一つ目の通りを右に行ったらすぐだよ」


「それじゃあ、乾物屋さんか、香辛料屋さんはどちらにあるか知ってます?」


「ああ、それならブロート屋の道をもっと奥にいれば香辛料屋があるよ。その隣が調味料屋だからな」


「店主、ありがとう。それではみな、昼食はいいか?いくぞ!」


「ごちそうさまでした~、おいしかったですよ~!」


「ごちそうさまでした。スネークちゃんもおいしかったと言ってます」


「おうよ!また来いよ~!」


「「「それは無理~!」」」


「無理なんかい!」



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