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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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我、ドワーフさんに、喝ッ!



ハンナちゃん、とことことオーガドワーフ女のところにやってきて、ネックレス?ペンダント?首飾り?をちょっと見やった。


「これは、どうやら魔力を吸収して、付けている人に強制的に状態異常回復を行う魔道具のようです」

え?どゆこと??


「えと、スネークちゃんの回復魔法の魔力はこの魔道具に吸われたということですね・・・触ってはいけない物の様なので、それ以上はちょっとわかりません。本人の魔力も吸っているのかもしれません。あ、目が覚めましたか?」


むくりと起き上がったオーガドワーフ女。辺りを見回そうとして、ハンナちゃんを見つけて


「さっきは済まなかったな、オレも頭に血が上っていた。ヘビに話があるんだが、お前を通せばいいのか?」


ハンナちゃんの前にボルちゃんがたった。


「一応、私が契約者ということになっているのだが?スネークよ、どうする?一応話だけ聞いてみるか?スネークは賢いから、お前の愚かな行動は許さないかもしれないが」


「けっ!エルフなんかにいわれなくっても、銘を見ればわかるっつーの!賢蛇けんじゃって杯に銘があるんだよ!」


こいつ、反省しとらんようだな!我、無魔法Lv.3でしっぽをゴム化。ジャンプ!ジャンプ!運動エネルギーを溜めてー、向きをオーガドワーフ女の腹に向かって、丸まってアタック!見事命中!合われ、オーガドワーフ女は再び横になられました。我、オーガの腹の上でジャンプジャンプ!我の勝利なり~!オーガに勝ったぞーーーーーー!しゃーーーーーーー!


「ああぁ、やっちゃっいましたか・・・」


「わかってたなら、止めてよー!」


「村でも似たようなことがありまして・・・」


ハンナちゃんがシュタイルハング村で起きたことを説明してた。子供らが蛇を捕まえておこうぜと発言したことに怒ったスネークに、ハンナちゃんが子供なんだから手加減してあげてと言ったら、子供が逆上してハンナちゃんに乱暴しようとしたので魔法を使って成敗した・・・あれ?我、怒りっぽいって思われてる?


「とにかく話を聞かないことには話が進まないのだが・・・もう、このままにしておくか?我々も明日にはここを出ていく予定だし、いろいろ装備を整えなければいけないのだが・・・」


あ、倒したと思ったら、オーガ復活してた!さすがオーガだ!100回殴ってもダイジョーV!あれ?いろいろ混じってしまったか?もう一回、倒しておくか?



「・・・あーすまない、話だけでも聞いてくれ・・・」


我が、ジャンプしているのを見て、オーガが話しかけた。ん?赤鬼だったはずだが、小麦色オーガになったな?怖さが少し減って美人度マシマシになりました。


「どうする、スネーク?話だけ聞いてやるか?」


“いいでしょう、どのみち下らなかったらぶっ飛ばすから”


「了承されたぞ、とりあえず、話すがよい」

・・・

彼女は、自分の話をしだした、自分の名前ドナータ・バドエルから始まって、父親が王国でも指折りの鍛冶師(ルカ・バドエルというらしい・・・知らん!)の娘だということ、父親に憧れて鍛冶師になろうとしたが、当の父親から止めさせられたこと、別の道を勧められたこと・・・


「で、別の道が鑑定士っていうわけさ!」


いや、それがどーした!


「鑑定士はなぁ、鍛冶師と違って何も生まねぇ、どーしようもない仕事するやつさ・・・」


「僕は彼女の父親と知り合いでねぇ。面倒見てくれって言われてさ。鑑定士としては優秀なので、誇りをもって仕事してくれたらいいんだけど、この調子でね。来た当初はもっと荒れててね。酒を飲んで暴れるは、仕事場で絡まれたら即、手を出すわ、休日にストリートファイトをして、警備隊のお世話になるわ・・・1年間そんな調子なんで、父親に何とかしてくれって報告したら、この首飾りを付けに自らお出ましになったんだ。首飾り自体は父親がつくったらしいが、魔道具の仕組みはどこかでつけてもらったんだろうな、話してくれなかった。先ほど、そこのエルフのお嬢さんがいったとおり、自分では外せない仕組みになっている。そして」


「こっからが本筋なんだが・・・このネックレスにはある程度の状態異常を治すという祝福がついてるんだ。もちろん日常サイクルで起きる眠気や空腹といったものは除かれるがな。病気や毒、呪いその他いろいろな状態異常が回避されるんだが・・・」


うむ。ええことやんけ。そのネックレスを自慢しとるんか?


「その、酩酊も状態異常として回避されるんだ」


うん。それで?


「知ってるかどうか知らないが、オレらドワーフというのは酒が好きな人族でな。もちろん基本人族やエルフ族も酒好きはたくさんいると思う。だけどドワーフはそんなのが比じゃなくらい酒が好きなんだ。オレも無論そうだ」


だからどーした?


「鑑定士なんかにさせられて腐っていたところに、こんなもんまで付けさせられて、オレは何のために生きてるかわからなかったんだ。生き甲斐の酒を飲むことさえ封じられた。オレにとっちゃこの首飾りは呪いなんだよ。親父に付けられた呪いの首飾りさ。だけど、今日、お前の作った聖なる杯を見て、そして確かめた。この聖杯こそ、オレの呪いを解いてくれるものだと」


いや、違うと思うよ?


「だから!頼む!オレにもこれを作ってくれ!そしたらネックレスの呪いが解けるんだ!このままじゃ酒を飲んでも酔えない、仕事にも身を入れられない!」


ほーう?つまり、お前は自分の欲望のために、子供に狼藉を働いてまでして、その呪いを回避したかった、というわけですな!完全に私利私欲じゃねーか!結論、やっぱりギルティ!


喝ッ!


“水魔法Lv.7水弾ウォーターショットバレーボールぐらいの大きさで!”


欲にまみれたその顔を、洗い落として進ぜましょう、ドーーーーーーーーーーン!

不意に現れた水球に驚いたようで、そのまま顔にぶち当たり、座っていた椅子ごとひっくり返った。哀れ、ドワーフさんはまたそのまま気を失ってしまった・・・




“さて、村長の息子よ!聞きたいことがある”


「何かあなたに聞きたいことがあるそうですが、えーとギルドマスター?ノルトマルクさんといいましたか・・・」


「あ、一度しか言ってないはずなのによく覚えててくれたね、お嬢さん。それで、従魔殿は何が聞きたいんだろうか?」


「こちらの言うことは完全に理解していますので、スネークちゃんの言うことは私が代わりに話しますね。それで、スネークちゃんは何が聞きたいのでしょうか?」


“あのペンダントをつけさせた父親のことだ、なにか意図があってアレを付けさせたんだろ?外す、または外れる条件もあるはずだが?そこらへんどーよ?”




本日は1話のみです。

お読みいただきありがとうございました。

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