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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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ギルド支部史上最速の依頼達成&ランクアップ!



「もうしばらく時間がかかりそうですので、皆さん、よろしければギルドカードが出来上がるまでの間、掲示板でもご覧になっていてはいかがでしょうか?」


勧められるまま、残った4人と1匹は掲示板のところに移動する。


「掲示板の色が違うなぁ、赤が1枚、黄色が3枚、青が6枚か・・・なんだろうな?」


「赤いのは高ランク、黄色は中ランク、青が低ランクってかいてあるよぅ」


「赤いのは依頼書が少ないのではないのでしょうか?ランクが上がる毎に在籍する冒険者数も減っていきますからね。私達は青のところを見ないといけません」


「まあ待てよ、赤いところも何があるか確認しようぜ。なんか数は少ないな・・・」


「触ったら取れるかもしれないから読むだけにしとけよぅ。とったら持ってかないといけないんだよぅ。そしてランクが違うから怒られるんだよぅ!」


「わかってるって!なになに?ヴェスヴィオ火山に生息するファイアーバードの従魔契約・もしくは卵の採取?どこにあるかもわからねぇ。どんな生き物かもわからねぇが・・・鳥ってのはわかるな!」


「ヴェスヴィオ火山というのは、ここからさらに西に行ったところにある活火山ですね。火山帯に住んでいるのがファイアーバードという魔物です。フェニックスバードに似ていますが、飛んだりはしないそうです。溶岩の中に生息しているらしいのでなかなか捕まらないときいたことがあります」


「なんでそんなのを従魔契約しようとしてるんだろうな?」


「依頼者は・・・アルノー・ド・ポンポンヌ・・・貴族の方のようですね。魔物の研究をされているのか、それとも道楽か・・・これだけではなんとも」


「他には・・・メディタ―海の海流調査・・・ゲ!拘束期間が1年だってよ!」


「どなたも受けたがらない依頼のようですね。発注日からもう4ヶ月は経ってます。拘束時間が長い割に大銀貨5枚・・・高位冒険者には魅力的に映らなかったようです」


「何をやるか具体的に書いてないしよぅ。危ない仕事かもしれないし、こんなの取ったらダメな依頼だよぅ」


「他には・・・新しいのもあるな。王国軍軍事訓練指導。へー、そんなのもあるんだ」


「高位の冒険者は軍人より強い場合が度々ありますので、そういう人たちを王国は囲っておきたいのでしょうね。報酬は、1週間に付き大銀貨1枚。これはなかなかの依頼ではないでしょうか?ランク7の依頼ですね。ああ、これは今日張り出されたばかりですね。明日には残ってないと思います」


「ここは俺たちには関係ないところだから、さっさと青掲示板に行こうぜよぅ!」


「せっかちな奴だな」



青掲示板にみんなで移動する。誰もいないから見放題だな!


「あちゃー、三枚掲示板があるのにスカスカだな。どんなのが残ってるんだ?イングウェア採取、乾燥状態で。100gに付き鉄貨1枚。なんじゃこりゃ。安すぎて話になんないな!依頼主は・・・孤児院か・・・」


「スネークちゃん、イングウェアってたくさんありましたよね?」


”これ、受ける気?“


「イングウェアは風邪を引いた時にクスリとしても使われるのです。隣に同じ孤児院からクノープラウホやサルバイも依頼が出されています。依頼金額はお安いですが、ここはひとつ!人助けだと!ハッ!思って~ぇ~~え!お受けいたしましょーーーーーーーヒョーーーーーーーーーーッ!」


結局、ハンナちゃんに従って、イングウェア、クノープラフホ、サルバイ、ヤム(やまのいも)を依頼書の4倍だすことにした。ハンナちゃんが依頼書を4枚受付に持っていき


「これをお願いします。道中で見かけたので4人分お願いします」


おじさんさんさんさんは、こちらを見ていたようで、いきなり掲示板から依頼書をとったときには驚いたそうだ。


「それでは買取場のところに依頼書と一緒にお持ちください」


4人と一匹、買取場につれて行かれ、色っぽいお姉さんに物を出すように言われる。まあ我がおえっと吐くんだけどね。イングウェアとサルバイはハンナちゃんに渡していたので、我はクノープラウホとヤムをおぇおぇっと吐き出す。


「・・・えっと、すべての依頼書は100gで鉄貨1枚だから・・・イングウェアが8㎏・・・よく乾燥してあるわね・・・サルバイが7.5㎏・・・クノープラウホは、あら?皮つきね?生なのね?これが10㎏・・・ヤムが5本で、まあ、こんな太いの見たことないわ!」


ぴくっ!


「ヤムの重量が全部で15㎏。クノープラウホは皮つきで生だから2割減量ね。合計38.5㎏。鉄貨にすると385枚。4人で分けるんでしょう?初めての依頼みたいだしサービスして400枚に勉強してあげる。そしたら一人100枚でわかりやすいでしょ?あの依頼書、金額が安くて受ける人があんまりいないので助かるわ~。今後もお願いしたいんだけど?」


「あ―、私とエマさんはここにはずっとはいないので無理です!」


「俺たちはたまたま一緒だったから達成できただけだよぅ!」


「そぅ・・・残念ね。とにかくお金は袋に入れてあげる。それともうギルドカード貰った?まだもらってない?サンサン、ちょっと作るの遅くない?」


「いやあ、こめんなさい、そんなに早く依頼を達成するなんて思ってもみなかったので・・・はい、これが皆さんのギルドカード!できてすぐ依頼達成なんて本ギルドができて以来、初めてなんじゃないかな?」


「はい、これで一人100ポイントです。ランクが上がりました。あなたたちはランク2になりましたよ。サンサン?ギルドカード更新よ!」


「え?もう?一回の依頼でランクが上がったなんて久しぶりですね?ルーキーでは初めてじゃないですか?」


「そうねぇ・・・私の記憶にもないし、あなたたちが初めてね。エルフさん達はずっとはいないけど、君たちはここにいるんでしょ?お名前聞かせてもらってもいい?私はルナ、ルナ・マリーン」


「オレはヴァッへ、剣士だ!」


「オレはヴェヒター、同じく剣士だよぅ!」


「へぇ、剣士さんが採取の依頼でランクアップね・・・これも珍しいわね。覚えておくわ、新人剣士さん達。それじゃあ鉄貨100枚か、大鉄貨10枚か銅貨1枚か選んで」


「「「銅貨一枚でお願いします!」」」


マイペースな奴が一人いた!掲示板を見ても何の関心も持たなかったのだろうか?いや、香ばしい匂いに心奪われていたに違いない!



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