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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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冒険者ギルドへ来たよ!



馬車は進むよ、カタカタコトコト・・・

道は石畳、快適です。壁から離れるにしたがって建物が高くなってますね・・・

日中だからそんなに人出もないですな・・・

この辺は居住区?そうですか、そのようですね・・・

特に面白いものもなさ・・・あ、子供たちが遊んでますなぁ。鬼ごっこかしらんねぇ?・・・

なかなか着かないね。おっと、広場に出ましたな。ここは市場なんですかね?青空市場?雨降ったらどうするの?雨の時は商売したい人は自分らでテント張る?なるほど。何を売ってるんかなぁ・・・

蚤の市っぽいですな!


あれ?何だかぐるっと回ってますな。でかい鐘楼がありますな。なぜ鐘楼だとわかったかって?そりゃ、たったいまからーん・からーん・からーん・・・てなってますからな!鐘楼が正午をお知らせします!鐘が鳴ったらなんだか人だかりが増えたような・・・広場をそのまま後にしてさらに馬車は進みます。進む方向が変わったようで、太陽が馬車の進む方向の右手側に来てますね。この辺は何だか看板が多く立ってますなぁ。商業地域なんですかね?建物の入り口にこの世界の文字と・・・それとわかるマークがありますな!フム、あれは武器屋!その隣は防具屋だ!その隣は・・・馬が目印?馬刺し屋さんかな?あまり食べ物を売っているような感じではない。その隣は・・・ひときわ大きな建物です。ひーふーみー、五階建てですな。シックなレンガ造りの建物です。えらい人が住んでるんかしらん?さらに通り過ぎますと、今度は何だか匂いますな・・・


「おぉぉ、オニクの香ばしい匂いがしますねぇ!」


もしかしてトラップなのか?ニクトラップ!あんた、さっき燻製肉を食べてたはずだが・・・


「燻製肉とたれをつけたオニクの直焼きは、また違う味わいなんですよ~、あれはタウルス系オニクをなにかの調味料で焼いたのだと思いますが・・・前に来たときは、急いでいたので食べれなかったんですよねぇ!今日こそは!」


ウム!我も気合いが入る!と、言うのもあの匂い・・・間違いなく醤油の匂いだからだ!たれの匂いが鼻に染みるぜ!鼻と言っても、我のは穴が開いているだけだけどな!ペロペロした方がなんだかよくわかる感じがする・・・鼻で匂いをかごうとするのは前世の記憶のせいだろうか・・・匂いが遠ざかっていくのを残念に思っていたら馬車が急に方向転換!そして止まった。





さっき見かけた5階建てのレンガ造りの建物と同じような感じですね。さっきは見かけなかったけど、ここには馬車が20台は止められる広場がありました。


「着いたぞ、ここが冒険者ギルトじゃ!」


ホーーーー、立派な建物ですなぁ・・・ここが冒険者ギルドか。人気があまりないのはやはりお昼だからかな?


「おーい、ポルティエ。荷物番しててくれ!わしらは用を済ませてくる」


えーオレも行きたい!という返事だと思ったら


「ほっほっほー、いいぞい。さっさと用事を済ませてくるんじゃな」


誰?このじじい!ホントにポルちゃんか?急に老けたぞ!


「スネークはワシのことは気にせずに行ってこい・・・お前も中に入りたいんじゃろうて」


そりゃそーだけどさぁ?なんでそーなるの?


「それはランドルドに聞いてみなされ」


急に年をとったポルちゃんを置いて、我ら全員でギルドの建物に入ります。先頭は村長やで!





からんころん♪


扉は観音開き、開けたら鳴るのが一般的だったっけ?上からなんだか風が吹きつけてきますな。よくわからんけど入ります。


“たのもう!”


“何を頼むんですか~?”


“えっ?建物に入るときはこんな掛け声掛けるんじゃないの?”


“スネークよ、そんな決まりはないぞ”


そうですか・・・




入ったら奥に受付け、横に依頼書が張り付けられているボード・・・んー、ここには酒場はないようですな・・・絡まれる要素は少なくなったか。我、きょろきょろしてたらハンナちゃんにとっ捕まって一緒に受付けのところまでつれて行かれた。受付の人は・・・おじさんだった・・・orz髪の毛がふさふさな中肉中背の、背広を着たおじさん。胸元ばいんと開いた服を着たキレイなお姉さんの受付嬢は?メイド服着たケモミミ娘のどじっこ受付嬢は?なぜおじさんが受付嬢・・・受付おじさんをしているのだ!抗議する!我、断固、抗議する!


「あー、済みませぬ。私はシュタイルハング村で村長をしとりますランドルドと言います。この度はうちの若いの二人と、旅で知り合ったエルフ族の二人を新規登録おねがいしたいのです。それと、王家と領主家に献上したい物品がありまして、その鑑定と鑑定書、できるならば献上品の輸送をお願いします」


此処にも急に老けた老人がいた。初めにあったときと同じ感じがした。気配隠蔽の一種なのだろうか?ヴァッへ君とヴェヒター君が驚かないところを見ると、村で時々じじいになったりしてるのかな?エマさんとハンナちゃんがびっくりしないのはなぜ?


”スネークちゃんがきょろきょろしている間にびっくりしました!“



「わかりました。新規冒険者登録が4人、あとは物品の鑑定と鑑定書作成、献上品の輸送ですね。他に何かございますか?」


「私はミア・ボルドウィンという。冒険者登録証はこれだ。買取をお願いしたい。旅の途中でブラックベアを討伐した。その時に解体した肉以外だ」


「ゴーレンブラスはどうされましたか?」


「きちんと乾燥させてある。しかし半分はこちらで使用するので半分買取をお願いしたい」


「見せてもらってもよろしいでしょうか?」


ボルちゃん、ポーチから乾燥した肝胆嚢をとりだす・・・・ゴーレンブラスっていうのか。


「なるほど、素晴らしい出来栄えです。詳しくは買取課の方で値付けされますが、これなら半分だとしても銀貨一枚は超えるでしょうね。最近ブラックベアの討伐はなされませんでしたから、ゴーレンブラスも値があがっているのです。毛皮の方は直接買取課へお願いします。タルさーん!買取品のチェックお願いしまーす!あと、ドンさん呼んできてー!」


ボルちゃんは、タルさんと呼ばれるおじさんに連れられて別室へ入っていった。遅れてまたおじさん・・・と思ったら筋肉ムキムキのゴリマッチョな女性が出てきた・・・背丈はエマさんと同じだろうが、筋肉の付き方は全然違うな。これがドンさんなのだろうか?髪の毛もわもわのぼさぼさだ。


「ドンさん、こちらの方が鑑定と鑑定書をお望みです。別室でお願いします」


ドンさん、じろりとこっちをにらむ・・・何でぇ、エルフ族かよ・・・とつぶやいた。


「ドンさん、そういうこと言わないの!あと鑑定をお願いしてるのはこちらの方!すみませんね、彼女はドワーフ族で、エルフ族は嫌いと公言して憚らないのです。悪い人ではないんですが・・・」


「いや、かまわない。きちんと仕事をしているのであろう?個人的な感情を仕事に持ち込まれては困るがな」


「そう言っていただけると助かります。えっと、鑑定するものは?馬車に積んであるのですか?そうしたら数名馬車に寄越しますので、案内してあげてください。ドンさんは二階の鑑定室で待ってて」


「あーあ、鐘が鳴ってすぐに飯に行っとけばよかったなぁ!」


あの人お腹空いてるの?だからあんなに怒りっぽいの?ちょっと衝撃を受けたけど、あれがこの世界のドワーフ族か・・・ドワーフって背が低くって髭がたくさん生えてる、力が強くって鍛冶が得意な人族じゃなかったっけ?


「スネークちゃん、何事にも例外はあるのです。あの人はドワーフにしては魔力の扱いにたけてるようですね。鑑定士はたぶんあの人でしょう」


え?あれが鑑定士ですか?ドワーフなのに?にあわねー!


「えーと、残ってる四名の方が新規登録ということでよろしいですね?それでは登録料として一人当たり大銅貨一枚お願いします。こちらが申込用紙です。そちらの・・・ヘビは従魔のようですが、どなたの・・・先ほどブラックベアを持ち込まれた方のですか・・・」


「おい、俺ら、お金持ってる奴いるのか?」


「ポルティエさんから借りてくるかよぅ?」


「あの人もお金持ってなさそうだぞ!」


「あ―先ほど買取をされた方がいらっしゃいますので・・・登録料は後でもいいですよ?」


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