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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
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若者vs老人




本日の野営地に戻って来た。我、その辺にある器に水魔法で水をぴゃーと出してボルちゃんにあげる。まあ一杯!


「スネークの水魔法か・・・出鱈目さもこれに極まりだな!」


“ん・・・飲んでも元気になる人とならない人がいる気がするのだが?”


「たぶん魔力を感知できる奴は飲むと元気になるんだろうな。それより、あれを見に行こう!」


あれとは、村人たちがやってる剣の稽古だ。ボルちゃんどんだけ稽古好きやねん?


「稽古をつけた若者が、どれだけ通用するのか見てみたいとは思わんか?」


確かに。




カンカン!カンカンカカーン!カン!カン!おお!ヴァッへ君が村長とやりあっとるがな!村長の方はまだまだ余裕がありそうだが。


「そらそら、ちょっと剣の使い方がわかるようになったからといって、喜んでおらんか?貴様の剣なぞまだまだじゃ!そら!そら!手を出さんとやられるぞ!そら、フェイントに引っかかった!」


ヴァッへ君、剣を持つのと反対側の肩に木剣を叩きつけられる!痛そーー!ヴェヒター君がいないと思ったら、その辺でう~う~唸っていた!よくわからんが、まとめて光魔法Lv.6格の癒し。


「あ―助かったぜ、スネーク!いいタイミングだった!もう一回あのくそじじいにリベンジだ!」


「スネークさんありがとよう、オレもまた行ってくるよぅ!なんだかうまくなった気がするよう!」


ホイホーイ、がんばってねぇー!我、剣の稽古を見ていようとしたら、背後から・・・


「スネークさんはこっちを手伝ってくださいね~」


「薪はエマさんが昨日の場所に置いてきたっていうから、新しいの持って来たんですよね?」


ああそうでした。我、人気のないところで、木をおえっと吐き出します。金魔法で水分を抜きだした後は、風魔法Lv.10鎌鼬で適当な長さに切り分ける・・・おっとそうだ。ブラックベアの解体用木材を作らないと。こうして解体用の材木と薪用の材木に切り分けて・・・エマさんや、解体用にこの木材を組んでくれ。昨日と同じでよござんすよ。でけた?そしたらこれを吊るしてちょー!我、おえっとブラックベアの頭と胴体を吐き出します・・・


「ブラックベアですかぁ、オニクはあんまりおいしくないんですよねぇ。あ、でも燻製にしたらそうでもないかも!」


解体は稽古を見ていたボルちゃんを呼んできてやってもらいましょ。自分で狩ったんだから自分で解体してくれたまえ。エマさんには薪と燻製用チップを作ってもらって、ハンナちゃんには昨日調味液に漬けこんでおいたオニクを燻製窯に並べてもらいましょう。



ブラックベアを出してボルちゃんを呼んだら、剣の稽古を止めて全員集まって来た。ポルちゃんがクマの頭を見て


「しぇー、これボルさんがやったんだ!相変わらずの剣の冴えだな!ランドルドじゃこうはいかんだろ!」


「ああ、こんなにきれいに首全体は切れんて!おい、お前ら!剣の達人はこれくらいできるものじゃ!この断面をよく見ておけ!」


「このブラックベアはどうするんだ?」


「ああ、これはギルドに常設依頼ででているからニクは解体して、その他は討伐部位証明として残しておく」


「ブラックベアを一人で狩れたら一流の冒険者だな!お前らも早いところ狩れるようになれよ!」


「ポルティエさんは一人で何匹位狩ったことがあるんだよぅ?」


「オレ?俺はいつもチームで狩りをしてたから一人では狩ったことないな!」


「「ないんかい!」」


「だからオレ、一流じゃないんだよ!ガハハハハ!」


「ポルティエ殿も村長殿も一人で狩れるでしょう」


「ま、そうだと思うけどね?機会がなかったのよ!オレ達、獣運ないしな!」


何だよ、ケモノ運って?




「もう今日は稽古はいいか!お前ら、解体を手伝ってやれ!」


「ポルティエさんはどうするんだ?」


「オレはお前、あれだ!スネークがいるから飲むにきまっているじゃないか!」


“そうそう、村長!あれを試してみてくれないか?ボルちゃん、ポルちゃんにわからないように村長に言ってくれる?”


「・・・あー、村長殿?あれを試してくれとスネークが言ってるが?」


「あー、あれな?物はどこにある?」


我、村長を連れて馬車の荷台に行って、コレで飲むと水でも酔える祝福ジョッキを渡した。

石テーブルではじじいがそわそわと待っている・・・あっちは村長案件だな!



我、エマさんが昨日作ってた、調味液にたっぷり使っていたボア肉、ディア肉、ガルス肉を小さ目の燻製窯にどんどん詰めていく。もちろん詰めるのはハンナちゃんのお仕事です。そして、材木担当はエマさんです。昨日同様細かく砕いた木製チップを石板の上に置き、その下に薪を均等に並べていきます。ニクを並び終えたら、上から蓋をして火魔法Lv.1点火イグニッション。10個全部使ってもまだ入りきれないニクがある・・・どでかい燻製窯、作ってよかった^^。全部入れてもまだ余裕ですな・・・そしたら熊のニクもいれますか・・・


「あ、ちょっと待ってください。きも胆嚢たんのうは普通に乾燥させた方がいいですよ。ギルドはどうだか知りませんが、薬屋では結構なお値段で売ってましたから!」


“クマの肝やら胆嚢なんて何の薬になるの?”


「確か消化器系のお薬として使われていたと思いますよ」


“わかった。それじゃ、テーブルの上において、水分を取り除けばいいんでしょう?”


金魔法Lv.1抽出!

“ン デデデデーン”

“なにをどうされますか?”

内臓から水分を取り出して!

“テ・テ・テ・テーン”


ほうほう、見る間にしぼんでいきますなぁ・・・もういいかな。熊の肝ってどんな味がするん?少し味見をさせてくれ。ハンナちゃんがほんのすこ~し乾燥肝をナイフで切り分けた・・・なんかにやついているじじい達。我、ぱくっと食ってみる。


にげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!


おうぉう!光の実以上の苦さやで!じじいども、知ってやがったな!


「それはゴーレンブラスと言ってな?胃腸薬になると同時に、眠気覚ましにもなるんじゃよ。真夜中の夜番時に、眠気覚ましのため冒険者は常備するものなんじゃ。あの二人にも少しだけ分けてやっといてくれ」


「そうそう、気分転換にはぴったりだろ?昔、亡国の王子が、国を亡くした時の屈辱を忘れないように、薪の上で寝起きしてたくさんねれないようにして、国を取り戻すため必死で勉強したそうだ。その時の気分転換がその薬よ」


どこかで聞いたような話だな?臥薪嘗胆がしんしょうたんのことかしら?どこの世界でも同じような話があるのか、はたまた勇者文献か・・・?とにかく、内臓は激苦・・・スネーク・・・覚えた・・・


「ポルティエさんは剣だけかと思ってたよぅ!」


「なに?ヴェヒター、年の功っつーもんよ!ガハハハハ!」


「なーに、ヴァッへだって30年も経てばあれ位は知ってるようになるて!」


「「オレをバカにするな!」」


あ、どっちも馬鹿にされたのはわかったのね^^



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