魔力切れもお久しぶりです
今日は頑張れない・・・なぜなら花粉症になったから・・・ORZ
がたごたがとごた・・・ごたがとごとがた・・・揺れる体・・・うーん!我の目覚めー!丸まった体をまっすぐ伸ばししっぽで立ち上がると、背面海老ぞり!体を左右にくねらせて、ツィッツィッツチノコツイッ!ツチノコ体操終わり!ここは馬車の中ですな・・・お外を見ると昼間のようです・・・
「お、目が覚めたようだな。気分はどうだ?」
ボルちゃんが横にいました。何してるかと思ったら、長剣の鞘を木で作っているようですね。
“はい、おはようさん。どのくらい我寝てた?”
「スネークが馬車で寝だしてからかれこれ半日・・・昼休憩をとってからだいぶ経つな」
“そうか、8,9時間ぐらい寝たかな?ボルちゃん、桃くれ”
ポーチから桃を取り出すボルちゃんです。あむ!ウム、うまい!
「お前はそれだけでいいのか?燻製肉とかいろ作っていたようだが・・・」
“そうだね。あんまりお腹減らないのよね~、なんでだろ?幻想生物だから?“
「さあな、私にはさっぱりだ」
“グラニーラムゼーとやらからは何か連絡があったかい?”
「なにもない。あれば緊急連絡が来るはず。ということはまだ猶予が残っているということだろう。焦っても仕方ないさ」
“この後の予定はどうなってるんだ?”
「あと一泊野営して、明日の昼頃にふもとの町につくな。着いたら装備を整えてそこで一泊。次の日の朝に出発する」
“馬を駆って、どのくらいでグラニーラムゼースミスに着くんだ?”
「そうだな、馬にもよるが・・・1週間から10日ほどか・・・馬を街ごとに買い替えていき、夜も休まないで行けば3、4日で着くとは思うが、それだとそのあとがな」
“確かボルちゃんは、神樹さまのところに来る前にグラニーラムゼースミスまで、行ったんだよな?謎植物ってのはどんなんだ?鎌鼬で刈り切れない植物というのは、なかなかないと思うんだが?”
「ああ、私は初めて見たのだが・・・幹がお前ぐらいの大きさでな、中身は空っぽなのだ。切っても切っても次から次へ地面から新しい茎が出てきて、あっという間に成長するんだ。怖いのはその成長速度だ。あまりに生えすぎていて、しかも里の周囲に繁茂してしまって、里への出入りができなくなったそうだ。近づこうとすると硬化した葉が飛んで来るし、盾を持って飛び込んだら、幹が鞭のようにしなってくるし、地面からは新しい茎が槍のように生えてくる。お前だったらどう攻める?」
”植物なら、根の生えていないところまで掘り進めて、周りから養分吸収できないようにして、一気に緑魔法で枯れるところまで成長させる、かな?魔力が足りるかどうかわかんないからそれは最終手段。火魔法使ったり、土魔法使ったりとまだ方法はあるかな・・・魔法使わないでも、技能“溜める”で土を飲んでいくこともできる。ボルちゃんの鎌鼬の威力は知ってる。あれやってもそれを越える成長速度が厄介なんだということは了解した”
ボルちゃん、感心したように頷く。
「それだけ考えてるんなら安心だな。お前を連れてきてよかったよ・・・」
“お?なんだなんだ?ボルちゃんにしては、やたらしおらしいではないか?”
「そうか?私はいつもこんなものだぞ?」
”いや違うな。いつも自信満々・威風堂々、たまにデレデレ、それがボルちゃん!君だ!さぞやアナちゃんの毛皮が恋しかろうて!“
「ウム!アナちゃんの毛皮は恋しい!しかし、そんなに私自信満々にみえるか?いつも嗚でもないこうでもない、どの道が正解なのか悩んでばかりいるぞ?」
“そうは見えないなぁ。あの二人に稽古をつけているとき、すげー楽しそうだった”
「そうか、楽しそうにしてたか・・・私も変わったのかもな・・・」
変わったかどうかなんて我にわかるわけもない。
「あ、そうだ。村長殿から伝言があった。お前がかけた呪いのジョッキ、あと1つ作ってくれ。そして、できるなら、反対の呪い?飲んだらすぐに酔ってしまうのも2つ頼みたい。そう言ってたな」
“そんなもん、何に使うんだろう?飲んでも酔わないジョッキなんて何の意味もないし、飲んですぐ酔っぱらうジョッキなんて迷惑甚だしいと思うのだが?”
「そうでもないさ。飲んで酔えるのなら中身水でもいいわけだし、飲んでも酔えないのなら黙っておけば酒豪と評されるからな」
“酒豪自慢て・・・どんだけ見栄っ張りやねん?”
「村長殿は、ここの領主と国王に献上すると言ってたぞ。お前が貴重なものをポンポン作るものだから、目をつけられた時の保険だそうだ」
貴重なものとはなんぞ?
「やれやれ、その様子ではまるで分ってないようだな?お前が作った器や、剣だけでも大変貴重なものだぞ?特に目を引くのはこのジョッキとやらだ。こんな透明度の高い石?石なのか?見たこともない。宝玉クラスの逸品だ。それに加えて、付加がかかっているんだ。その価値は天井知らずというところだな」
そ、そーなんだーーーーー!なら、一個と言わず、たくさん作ればいいかな?
「そんなものがたくさんあったらまずいだろう?価値とは少ないから価値があるのだ。あまりつくらない方がいいぞ。よく切れる剣を作ってもらった私が言うのもなんだが」
“そうかなぁ・・・たくさんあった方がみんな使えてうれしーたのしーと思うのだが・・・ま、いいか。ほんじゃ、そこになるジョッキに・・・なんだっけ?酔えなくなる呪いと酔う祝福・・・逆じゃね?酔わなくなる祝福と酔う呪いだと思う・・・祝福と呪いの違いって何?”
「そういうのはヴィンに聞いてくれ・・・」
そうか、魔法知識はハンナちゃんの方が詳しいのか。そんじゃ後で聞くとしてその辺に並べてあるジョッキの一つに
“赤魔法Lv.4付呪!”
“プップ~”
“どのような付呪を施しますか?”
“このジョッキにどれだけ飲んでも酔えなくなる呪いを!”
“パヤヤヤ~ン”
さらにジョッキを二つ並べて
“青魔法Lv.4祝福“
“プップ~”
“どのような祝福を施しますか?”
“この杯で飲んだらすぐに酔える、というのはできる?”
“パヤヤヤ~ン”
何でもできるもんだねぇ・・・見た目まるで変わらないのだが、どこかにわけておいた方がいいかな?
「できたみたいだな」
わかりますか?
「・・・ああ、魔力がほんのり見えるからな。どんな付加をつけたのかはわからないが」
本日は一話のみにて。
お読みいただきありがとうございます。




