危機感ゼロの旅 三日目
チチチチ!チッ!チッ!なんか変な小鳥の鳴き声・・・我、目覚める!
「おう、起きたか、スネーク!」
ポルちゃんのだみ声だ!
「スネークよぅ、この酒飲んでもぜんぜん酔えなくなったんだが!チッ、お前何かしたな!」
我、地面に降り立ち、ぎゅーんと背伸び!どこが腰だかわからんが、腰を左右に回転ツイスト!ツィッツィッツチノコツイッ!ツチノコ体操終わり。石小屋で寝ていた面々も起きだしてくる・・・
“お酒ばかり飲んでると村長に怒られるから、飲んでも酔えなくなるようにジョッキに呪いをかけておいたのジャ!”
「・・・呪いをかけておいたのジャ!と言ってます・・・確かにそのジョッキ、何かの付与がついてますね・・・そんなこともできるのですね、マイダーリンは!」
「クッ!そうだったのか!じゃあジョッキを変えてればよかったんだな!くそー、そんなこととはつゆ知らず・・・ランドルドが怖くて酒が飲めるかってんだ!」
「朝から何を騒いどるんだ!」
「ランドルド~、聞いてくれ!スネークのやつが、飲んでも酔えない呪いのジョッキを作ってたんだ~!ひどいよな!泣けてくるよな!」
「あ、村長さんおはようございます。すぐ朝ごはん食べられるようにしておきましたので、よろしかったら食べてください。飲み物は温かいのとそうでないのとがありますが」
「温かいのでお願いするよ、ハンナちゃん。で、ポルティエよ、貴様は何を言っとるんだ?」
「このジョッキで酒を飲むと酔えなくなるんだってよー!酒に対する冒涜じゃねーか!お前もそう思うだろ~!ョョ」
「ワシも試してもいいかね?ここには酒がもうないか・・・」
「あ、調味料用にとっておいたお酒があります。それで試してください」
ハンナちゃんがポーチから壺を取り出す・・・ジャガで作ったお酒ですな!ちょいとレモン果汁を入れて飲んでみなせい!あ、その前にジョッキは洗っておきましょうね。水魔法Lv.2適当な水量出してザブザブ!呪いのジョッキのできはいかに?
「ふむ、酒の味はするのだが、酔う感覚はないな・・・」
村長、腕組みをしてますな・・・その間に皆朝食を食べたそうにしている。
「スネークさーん、おはようございますー、昨日の燻製、どうなりましたかねぇ?楽しみですねぇ、ワクワクしますねぇ!」
おっと、エマさんの燻製もありましたな!昨晩つくったやつはこれから食卓に出るやつや!そのあともう一度作ってみたぞ!
今朝のメニューは朝っぱらからニクだ!しっとり燻製肉と・・・付け合わせに、ハンナちゃんは我が寝る前に渡したおろし金でダイコン、こっちでいうところの白根をすりおろしたようだ。あとはちょっぴりのワサビ。スープはないがお湯の入ったカップに緑色の液体・・・まさかワサビ茶かと思ったが、普通のお茶でした。黒パンはまだまだあるのね。ナイフとフォークは出してあるのだが・・・手づかみで食おうとするな!干し肉ならまだしも、生乾き燻製肉だぞ!で、お味の方はいかがでしょう・・・?
「オニクが香ばしくなってますねぇ!それにサルバイがよく効いてて、それになんですか?この緑色の?調味料?香辛料?ピリッと辛いのが癖になりますね~、何だかいくらでも食べられそうですよ~!」
おいしかったか!よかった、エマさんが食べられないんなら、誰も食べなくて廃棄になるかもしらんと思ってたぞ!
「これが燻製肉というのかね?干し肉とは一線を画す食べ物だな!作り方を教えてもらってもいいかね?」
「あ!それならもうレシピとしてメモしておきましたから!ほかにもいろいろ書いておきましたよ。燻製作りの道具の構造とか!そうそう、時々谷底の川にシャーケが遡上してくるんですってね!それも燻製にしたら美味しいってスネークちゃんが言ってたので、書き込んでおきました。ニクだけでなくって、チーズや卵も燻製にできるそうなので、他にも燻製になるものがあるかもしれません。他に何かありますか?」
“ああ、燻製用の窯の試作品はここにおいとこか?そう言えば、今日も野宿になるんかな?そしたら今晩泊まるところでもまた作るから。燃料の薪と岩塩の入った壺もここに置いた方がいいだろう、わざわざ値段の高い塩なんかに金使わんでもいいんじゃないかい?”
「そうじゃなー、欲を言えばきりがないからなぁ!」
“そうそう!自分らで何でもできるようにしないとな!”
「ああ、でもこの拠点から谷底に行くまでのルートは作ってもらいたいな!スネーク殿にとっては朝飯前だろ?」
いろいろ言ってくれるねぇ・・・それじゃあ、土魔法で谷底までの階段を作りますか!崖のそびえる方に穴を開けてそれから螺旋状に下に下る道を作ればいいかね?
いきます!
“土魔法Lv.9横に長い穴!”
“テロリン”
え?ここでレベルアップ?まだ横穴掘っただけですよ?
“土魔法Lv.30地形操作 これにてレベルアップを終了します!”
えええ?ちょっと待てよ!どーゆーこっちゃ?説明してくれ!
“クレームの受付はできません。悪しからず”
誰だ貴様―――――――――――――――――――――!
ま、ええか。地形操作ってことはさっきみたいな構造の階段ができるってことやね、きっと!やってみるべさ・・・
“土魔法Lv.30 地形操作!”
我の思い描いたように螺旋状に下り坂の穴ができていった。だいたい100mくらい降りたところで横に伸ばしてみると、ビンゴ!谷底に行き着いた・・・はぁ、朝からなんか疲れたな・・・かなり魔力を使ったのだろうか?
我、大ジャンプして馬車の中に入り込む・・・
“ボルちゃん、我疲れたからいったん休憩・・・朝からお休みなさい・・・”
がんばった・・・ORZ
本日はこれにて。
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