表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第3章 風の谷、ナウ危機!
158/786

厄介なのが最後に来た!



真夜中の夜番は特に何もなく若手ズがぼこぼこにされて終わった。交代要員のポルちゃんとハンナちゃんが起きてきて、感想を語る。


「お!今宵もやっとるねぇ!元気のあることで、いいですな若いって!」


「隊長のトレーニングについていけるなんて、お二人とも優秀なんですね!」


ハンナちゃんのセリフはお世辞なのだろうか?よくわからない。




小屋に帰る時には光魔法は使わない。心地よい疲れでよく眠った方がよいでしょう。




「おい、スネークよ!こりゃなんだ?新しいかまどのようだが・・・」


ポルちゃん目敏いな!


“これは燻製窯です。燻製肉を作っているのですよ!”


「そうなのか!さっそく味見しようぜ!酒付きで!」


そう言うだろうと思った。ジャガイモはたくさんテーブルに用意してたからな!沢山飲みたけりゃ、たくさん皮むきをしな!


「・・・と言ってます。私も手伝いましょう」


「さすがハンナ嬢ちゃん。たすかるぜ!スネークよ、燻製肉の他になんか新しいメニューはないんか?」


お手軽につまめる奴なら、やはりポテチだな。今ジャガを剥いているからそれで作る?そう言えば、燻製にした卵とかチーズはどうなったかな?ポルちゃんちょっと開けてみてちょ!


「・・・開けてみてちょ!と言ってますよ。その石のフタをとるといいそうです」


「おうそうか!簡単な構造なんだな!村に帰ったら村長に作らせよう!」


ポルちゃんが石板をとると、燻した煙がもわわわ~っと立ち上った。ポルちゃんはじじいのくせに反射神経がいい。さっと煙を避けたぜ、くそ!ひっかぶるかと期待してたのに!


「・・・おおぅ、何だかうまそうな匂いがするぜ!いろいろあるな・・・とりあえずボア肉っぽいのからいっとくか!嬢ちゃん、カット頼む!」


燻し器から肉塊を取り出したボルちゃん、ハンナちゃんに切り取ってもらう・・・我は一斗壺を用意して、剥いたジャガイモに金魔法Lv.1抽出をかけてデンプンを取り出し壺の中に入れ、水魔法で壺に水を満たす。さらに金魔法Lv.2分離を使ってでんぷんからアルコールをとりだした。ハンナちゃん用には村で採取した茶葉をおえおえと吐き出して茶葉からテアニンを抽出。粉をお湯に入れてください。ハンナちゃんはニクをカットしてポルちゃんに出してあげます。どんな感じでしょうか・・・


「ん!これは干し肉にしてはしっとりしてて、しかもなんだ?干し肉にしてはやたらと香ばしいな!新しい料理といってもいいな!だけど干し肉としては不合格だな!スネークにしては珍しい失敗作だ!」


そ、そうですか・・・失敗したか。


「ダーリンは木から水分を出す魔法が使えましたよね?それを使えばいいのでは?」


誰がダーリンか!それはそれとして、確かにそっちの方が早いね!


“金魔法Lv.1抽出”

“ン デデデデーン”

“なにをどうされますか?”

燻製肉から我がいいと言うまで水分をゆっくり取り出して!

“テ・テ・テ・テーン“

しっとりの燻製肉が徐々に乾いていき・・・この辺りかな?

“ハイストップー!”



“ポルちゃんよ、こんな感じでどーよ?”


「どれどれ?」


ポルちゃん、ためらいもなく我が触ってた燻製肉を取り上げ、ふーん・・・じろじろ見まわしながら、手触りを確認しています。食に厳しい人が一人!


「見た目はいい感じだが・・・味はどうかな?」


ムシャリ!ムシャムシャ・・・モグモグ・・・ごくん。


「ま、いいんじゃねーか?ちと塩味がうすいようだが、保存食としては合格だろう!」


ポルちゃんによると、しっとり系の干し肉もあるそうだが、1週間以内にご賞味ください、というものだそうだ。短期の冒険用にはもってこいらしい。しっとりとカチカチの中間、カチカチ干し肉、とグレートがあるそうだ。値段は塩分を使う分だけお高くなります。


「でも、干し肉わざわざつくらなくったって嬢ちゃんたちのポーチに入れとけばいいんじゃないのか?」


「ああ、これはそんなに軍支給品で高級なやつでもありません。なかに入れてもお肉は腐ります」


ふーん、そうなんだ・・・


「別のやつも味見しようぜ!お勧めはどれだ?」


“肝とかハツを試してくれないかなぁ?”


「お前、また通なものを燻製にしたなぁ・・・ん?中に卵やらチーズがあるぞ?」


“肉だけじゃなくっていろいろ燻製にできるのだ!確か、谷底の川にシャーケが時々遡上そじょうして来るらしいな!あれとっ捕まえて燻製にしたら・・・うまいぞ~!”


「ほうほう・・・シャーケをなぁ!よし、そう言うのは村長に言っとけ!俺たちは別のやつを味見だ!」



中にあった燻製をすべて取り出し、新たに調味液に付けていたニクを吊り下げます・・・燻し用チップはまだあるからそれを石板の上において・・・薪を均等に並べて、窯の上に蓋を乗せて、再び、火魔法Lv.1点火イグニッション。さて、あとは待つだけという名の宴会ですな!気の早いポルちゃんは、馬車の中からクリスタルジョッキを取り出してきていました。勝手にさっき作った炭酸アルコールをグラスに注いでいます。あ、ハンナちゃんはお茶にしとき?我がさっき作ったテアニン粉があるからジョッキに粉を入れて・・・あーあ!ポルちゃん幼女にお酒出してどうするねん!アルコールだぞ!・・・これ、分解できねーかな?


”金魔法Lv.2分解“

“ン デデデデーン”

“何を分解しますか?”

“アルコールを水と炭酸ガスに分解して”

“テ・テ・テ・テーン”

“アルコールを水と炭酸ガスに分解しました“



でけた!なんだかシュワシュワしています!


“ハンナちゃん、それに糖とレモンを絞って飲んでみてちょ!”


「ふむふむ・・・これはーーーーーー!新機軸の飲み物ですねーーーー!うぉいしーーーーーーーーーー!」


「んーーー?そんなにうまかったか?ちょっと俺にも飲ませて!」


ハンナちゃんからジョッキを貰って飲むポルちゃん・・・


「ん?おんなじ飲み物のはずなのに酒の味がしない・・・さわやかピリピリだな?」


“これは我しか作れないぞ!”


「ま、いいけどさ!俺にはこれがあればいい!」


ジャガイモでできたアルコールの入った壺を抱いてます・・・だめだこりゃ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ