我、神樹さまがもうすぐ亡くなることを知らされる
うろから出ると、朝一で赤い実を食べる。相変わらず、あまーーーーーーーーーーーい!
食べ終わったら神樹さまが女神の姿で降りてきた。相変わらずの笑顔です。
「神の子、お話があります」
なんでしょか?うかがいましょう・・・
「私はもうすぐ入滅します」
入滅・・・え?死ぬってこと?急になんでまた?それと、あーた、笑顔で言う話か?
「神の子が昨日食べていたもの、あれはマギ・ファンガスと呼ばれています」
ふんふん。それで?
「あれは我らの体にとりついて我らの力を吸収していくのです。
すべて吸い果たしたとき、我々樹木は枯れていくのです」
いきなりやな!ということは、あれを全部取り除けばいいの?
「あれを取り除けたとしても、近くにあれの大本がいるのです。
デス・ファンガスというのデス(プッ)」
えーーー?そこ、笑うとこー?
「マギ・ファンガスは我らの体に取り付いて、我らの力を吸収すると、デス・ファンガスのところに向かっていきます。戻ってきたマギ・ファンガスをデス・ファンガスが取り込む、という寸法です。我らの力が枯渇したら、デス・ファンガスは胞子を飛ばし、遠くに行ってしまいます」
我が植えた新芽たちはどうなるの?
「デス・ファンガスは我らのうち古くなったものからとりつくのです。あれが現れたということは私の寿命はもうすぐ尽きるということになります」
やっつけましょうよ?その、デスとかを。とりあえず、マギ何とかを片付ければデスが大きくなることはないんでしょ?
「神の子にはお願いばかりしていて申し訳ありませんね。
デスが、私の死が少し伸びるだけデス(プクク)」
なに、面白いこと言うた顔してんの?
とりあえず、我、うろの中のマギなんたらを片っ端から食べていく・・・食べていく・・・気絶する・・・起き上がって水を飲む・・・食べる・・・食べる・・・食べる・・・気絶する・・・
起き上がったとき、あらかたマギなんたらはたべてしまった。が、ちょっと残してる。それは、こやつを木から外すと動き出す性質を使おうと思ったからだ。我、残り少なくなった水を飲んでから、一つマギなんたらを外してみる。
ポロッ
マギは木から落ちると、木のうろから出ていった。都合よく外は暗くなっていたので、あとをつけるのは容易だ。我、うろの外からでてあとをつけることにする。
マギの移動速度は我より少し遅いようなので十分ついていける。きゃつは知能がないので、付けられているとはわかるまい。我はマギを追っていき、森の淵のところまで来た。これからこの森に入るのか・・・南無三!
漆黒の森の中、光るものを探すのは容易だ。しかもそいつは動いている。我、見失わないように、時々跳ねてマギの場所を確認する。道に迷わないように土魔法で森の土を石柱に変えて印を置いておく。下草に隠れないように、木の高さを超えないように・・・追っている間ずっと下り坂だ。帰りは大変だなぁ・・・
7個目の目印を置いたあたりでようやく平地についた。森の木々もなくなっている場所がある・・・その真ん中あたりにでかい木が倒れてますな。神樹さまとは樹種がちがうが・・・
ムム!マギがあの木に向かっていくぞ!我、息を殺して這って近づく。倒木をぐるりと一周したが特に何もないようだ・・・この辺りをうろつくが特に何もない、と思ってたら、我が来た方向から光るものが!別のマギだ!我、息を殺して伏せて待つと・・・マギは倒木の上もよじ登った。我、ぴょんと飛び跳ねる。マギ、木の上で見えなくなった・・・あそこに何かあるな!我も木に飛び乗り、マギの消えたあたりを調べると・・・うろがある!我、にゅるりと忍び込む・・・必要もなく、発見!そこにいたのは・・・




