帰って来た隊長と稽古を受ける新兵
酒と糖とジョッキを作った後、新貯蔵庫の隣に置いた大木の生木の枝打ちをしている。だいぶ日が傾いてきたな。エマさんもこっちに戻って来たし、ハンナちゃんと奥様達は夕飯の支度でもしててください。晩御飯は昨日みたいに村長宅で食べた方がいいでしょう。こっちは木工屋さんのホルザという人を黒麦運びしてるところから見つけ出し、置いてある大木を見てもらうことにする。
「これはどうしたんですか?まだ生木のようですが・・・根もしっかり張ってるし、落とされた枝も葉がぴんぴんしているのですが?」
やたらと丁寧な口調の人だ。職人さんという感じですね。エマさん通訳で我の話を聞いてもらう。
“これ、我が魔法?で持って来たんだけど、そのままで使えないことはわかってます。どのくらい乾かせば
使えるか知りたくて。あ、とりあえず、根の部分は切り落としますネ”
我が、魔法を使えることをわかってもらえるために、風魔法Lv.10大鎌鼬(別にもう大付けなくてもいいか、大きさや数を変えられることが分かったし)を使って土に埋まっていた部分と地上に出ていた部分を切り落としていく。
ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!
“テロリン”
あれれ~、ここでレベルアップ音ですか?
“風魔法Lv.11”
風魔法は使い勝手がいいので土魔法の次に上がってますな。
“風魔法Lv.11音の波”
よくわからない魔法が来ました。試すのは後ですな。
「おおーーっ、きれいな断面ですねぇ、いい仕事してます!」
驚くところはそこかい!
「木材関連はホルザに任すよ。急いでやってもらいたいことは、ここの木材使って新しくできた貯蔵庫の窓枠とドアを作ってもらいたい。ゆっくりでもいいのは、この村に大きな宿泊施設をつくることだ」
「任せてもらえるのはありがたいですが、この木ではすぐには使えませんよ」
「そこはそれ、スネーク殿がここにいる!やってくれ!」
“ああ、今から木の水分を抜くからちょうどいいと思ったところで止めてくれ!”
唸れ、我の金魔法!一本試しにやってみましょう!
金魔法Lv.1抽出!
“ン デデデデーン”
“なにをどうされますか?”
木材から水分をすこしずつ取り出して
“テ・テ・テ・テーン“
生木だった木材が、徐々に色を変えていく・・・断面に手を当てていたホルザさん
「ああ、この位で止めて!いい感じですよ」
ハイストップー!こんな感じでいいのね?
そこにある生木すべてに金魔法をかけておきましょう。次は、ドアと窓枠用の材木を風魔法Lv.10でホルザさんの言うとおりにシュパシュパカットしていきまして、あと細かいところをホルザさんにやってもらうことになりました。ついでに建築用の木材の成型も我がやっときましょう。足りなくなったら、貯水池の近くの丘から刈りだしてきてくだはい。
木材関係はこれでよいか・・・それなら後は、食器とか作っておくか。プリン用の耐熱の陶器とか、ちょうどいい感じのティーカップとかティーポットとか。お料理乗せたときに映える白磁のお皿とか、シチュー入れる深皿とか。ちょうどいいや、ショ糖入れる壺も白磁にしとくか?遊び心で我の柄模様にしておこう!それなら、我がシッポで立ち上がっている様子の壺にするかい!できる端から村長たちが新貯蔵庫へしまっていく・・・もうたくさん作り過ぎで何を作ったかも思い出せない・・・ああ、夕暮れですな・・・
ぼんやりしてたら、ボルちゃんから額金遠距離通信が来た。
“スネークよ、聞こえるか!応答せよ!”
“ホイホイ、聞こえてるよ、どーぞー!”
“雌のガルスガルスを生け捕りにした。例の塔に持っていけばいいんだな!”
“さよです。我も黒麦持たせてそっちに向かう、どーぞー!”
“もう少しで今日の仕事は終わりだ、がんばれみんな!了解した、オーバー!”
皆さん疲労困憊ですな。我、エマさんに、貯蔵した黒麦一壺、できたばかりのエール十壺をポーチに入れてもらってガルスの塔に赴く。あ、もう村長さん達は村長さんちで集合してて。終ったら乾杯して打ち上げな!
我とエマさん、一足先に貯水池に到着。よし、桃林に行くぞ!
「え~どうしてですか~?」
“これからバウアー関には稽古をしてもらいます!”
「ケイコってなんですか~?」
“相撲の基本は股割り、すり足、四股と鉄砲だ!まずは股割りをやってみろ!”
「股割りってなんですか~?」
なんだかんだ言いながら、相撲エルフは地面に座り足を180度広げて体を前に倒すことができる!柔軟性があるな、こいつ!
“次はすり足だ!腰を下ろして、頭を上下させず、動くとき足の裏を地面から離さないで移動するのだ!”
「えぇ~難しくないですか~?」
そんなこといいながら、軽くやってのけるバウアー関。ウム、天下をとれる素質があるな!
”そして、鉄砲!いまから我が緑魔法で桃を成らすから、その木を今の姿勢を崩さずに、手のひらの手首に
近い部分、掌底に体重を乗せ、打ち込むべし!右、そして左!“
我、目前の桃の木に緑魔法Lv.4で桃を成らす・・・完熟直前でストップ!
ばっすーーーーーーーーーーーーーん!
鉄砲を放つと、すごい音がした!バサバサバサーーーーー!オェーーーーーーーー!
どこかにいたララァがどこかへ飛んで行ってしまった。
バウアー関が鉄砲をするたびに桃がぼんぼん落ちていく・・・我はそれを拾うだけのお仕事です!全部落ちたら、一旦やめさせて、今度は桃林全体に緑魔法Lv.4をかける。今度も完熟直前です!
“最後は四股だ!腰を落とした状態で、片足を高く上げる!タメを作ってから、地面を踏みぬく覚悟で足をおろす!右が終わったら、次は左!”
バウアー関、言われるがまま、四股を踏む!
どっしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
バラバラバラバラーーーーーーー!我落ちた桃を拾い集める。再び
どっしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
バラバラバラバラーーーーーーー!
「スネークさ~ん・・・これ、きっついですね~~~」
“体を鍛えるためだからな!きついのは当然ジャ!”
ヘビの山部屋はきびしいんだぞ!しかし、その厳しさを乗り越えたとき、栄光が見えてくるのジャ!
どっしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
バラバラーーーー!
・・・
どっしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
ポトッ・・・
・・・
「あの~、これ、桃の実を落とすためにやってるんですかぁ?」
“これは稽古なのジャ!”
本日はこれにて。
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