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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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見ればわかる、すごい奴やん!

ポルティエさん視点のお話です。




俺たちは村の門を出ると、全員駆け足で道を下る方向ではなく、緩やかに登る方向へと進んでいった。その先は崖だ。とはいってもこの辺りでは一番狭い崖で、すぐ向こう側は黒色土の森へと続く崖となっている。スネークの話(ボルさん談)によると、ここに橋を架けたということだったが・・・


「なんじゃこりゃーーーーー!」


俺の目の前にあるのは馬車が二両同時に進めるような幅の石橋が向こう岸までかかっていた。ご丁寧に門と欄干らんかんまで作られていた。門は閉じられていて、よく見ると、スネークとエルフ三人さんのレリーフが彫られていた。


「すげーな、ボルさん!こんなもんまで一夜にして作ってるとは。あのとき門で見せたのはほんの一部だったんだな!」


俺はボルさんにそういうが、彼女はそれには返事をせず


「・・・先を急ごう」


門を押し広げて、俺たちは橋を渡る・・・渡りながら橋の具合をそれとなく調べたが、相当頑丈なようで、これなら荷車で通っても橋が落ちることはないだろう。門のところに居住用の小屋まであった。ここで番をやれってことだな。至れり尽くせりだ。


「ここからは私が先頭になって進む。ポルティエ殿はあそこまで皆を案内してくれ。その間に雄のガルスを狩れたら狩っておく」


そう言うと、ボルさんあっという間に森の中に消えていった・・・


「おい、ヴァッへ、お前、あれについて行けるか?無理だよな!俺でもついて行けない。昨日は崖を跳び越えて黒色土の森に来たが、お前、あの崖跳び越えられるか?オレやランドルドならできるが、お前らはどうだ?身体的能力で劣っているものが剣技で勝てると思うてか?かたわら痛いわ!そら、がんばってついて行くぞ!」


俺は皆に発破をかけて昨日のスネーク作成の簡易ハウスとやらを目指して進んでいく。






2時間ほど森の中を進んだころ、ようやく簡易ハウスが見えてきた。簡易ハウスから煙が立ち上っているのが見える。皆を急ぎ足で進んできたせいで遅れるやつはいたが全員でこれた。


「あれが中継地点だ。あそこまで行けば休めるぞ。煙が上っているところを見るとボルさんが火を使ったようだな」


「ひぃーーー、やっと着いたか・・・」


「疲れた・・・休憩はできるんですか?」


「のど渇いた・・・なんか飲むもの・・・」


みんな疲労困憊だな。確かもう少し先に岩場があってそこには水が流れていた。そこに行けば水が飲めるな。ん?ボルさんが待ってるな?そこには枝に吊るされたガルスガルスが、ひぃふぅみぃ・・・たくさん、たくさんあるぞ!もうあんなに狩ったのか!


「やあ来たな。ここで休憩にするか。近くで水を汲んでそれを沸かしたから飲んでくれ。君らが追いつくまでにガルスガルスを狩っておいた。休憩したら、すまないが何人かでこれを村まで持って帰ってくれ。血抜きが済んでからでいい。昨日はここに来るまでにそんなに狩れなかったからな。ガルスガルスというのはこんなに繁殖するものなのかな?」


俺に聞かれても知らねぇとしか言えん!


「ひいふうみぃよ、いつむなぁや、ここのつとぅ・・・十四羽も狩ったのか?スネークもそうだがあんたもたいがいだな!」


「そうか?基本人族はガルスガルスをどうやって狩るのだ?」


「近寄ると奴らはすぐに逃げるから、大体は罠だな。しかし罠も学習されたら使えなくなる」


「気配を消せばよいのではないか?私はそうやってから弓で射るが」


「森の中で弓はあまり使わんぞ。持ち運ぶのが大変だからな。できたとしても獲物を見つけるのが一苦労だ」


「そうか、基本人族は気配を感じるのがエルフ族に比べると苦手だったな」


「中には得意な奴もいるんだけどな。この村にはいないな。それで、どうする?」


「まあ少し休憩してくれ。それから、この先行程がきつくなるが、それに脱落しそうなものはガルスを運ぶのをやってもらいたい。運んだらもう一度戻ってきてもらう。ああ、この場所は覚えておいてくれ。私たちが村から去ったら拠点として使ってくれて構わない。ヴァッへ、ヴェヒター、どうだ?まだついてこれるか?」


涼しげな顔で若手門番達に聞いてくる。成人してもう一年経ったか、そろそろこいつらも村外へ修行に出していい頃だな。次はヴェルダーブーホとフレンデのやつらか。この二人は今のやつらに比べたらまだ素直だからやりやすいか。


「子供はまだまだ元気いっぱいだろう!年寄りから先に帰るとするか!なぁ!ミテラルター、オンケル、アルターマン、トーターバウム!」


「「「「一番年配のアンタに言われたくねぇ!」」」」


「ハハ、まだまだ若いもんには負けねーってか!そんじゃ一番足が遅かったゲッツとギュンターとメイブ、シュタイン頼まれてくれるか!」


「えっと、4人で14羽、どうやって運ぶ?」


「まあ、公平に2人一組で7羽づつ、木の棒に吊り下げて運べばいいんじゃね?道は覚えたよな!」


「まあ、このくらいなら。村長宅に運べばいいか?」


「そうだな、そのあとは昼めし食ってからまたここに来てくれ。誰もいなかったらここでしばらく待機な。夕方になる前に誰も来なかったら村長に連絡して応援を呼んできてくれ」



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