これは鎌鼬ですか?いいえ・・・
我、頭を軸に回転しながら大蛇ンプ!黒麦畑の場所を把握して、もう一度大蛇ンプ。落下をゆっくりにするため、風魔法Lv.6上昇気流を使ってみる・・・地面の方から我に向かってガンガン風が吹いてくる!なんだか飛んでるみたい!正確に言うと滑空ですな!空飛ぶヘビというのを生前映像で見た記憶があるが、あれはもっとスマートなヘビだった・・・我のようなずんぐりむっくりの体で滑空ができようとは・・・感無量です。
”テロリン”
おや?ここでレベルアップですか。
”風魔法Lv.10”
おお、風魔法も大台の二桁に乗ったぞ!今度こそ鎌鼬か?
“風魔法LV.10 真空風”
真空風?なにそれ??よくわからないときは使ってみるに限ります。我、誰もいない地面に向かって
”風魔法Lv.10 真空風!“
すると、地面に向かって放たれた見えない何かが、ザスッ!という音とともに地面を切り開いた。これだ!これ、鎌鼬でんがな!しかし・・・何というか、大きい・・・ヤダ!大きいなんて・・・我、地面に降り立つと、そこにはボルちゃんが迷い惑わしの森の木に付けていたのとは比べ物にならないくらい大きな傷跡が付いていた。これは殲滅用魔法のような・・・あ、ちょうどいいや!ちょうど収穫できる黒麦があるので、根元で使ってみるか。名前も変えるか!
“風魔法Lv.10 大鎌鼬!”
黒麦の根本に放った大鎌鼬は一区画分の麦をすべて刈りつくしていた・・・何と便利な・・・げふんげふん!なんと危険な魔法だろうか・・・
我は、刈り終わった黒麦畑をあとにして、まだ残っている黒麦畑を見回す。結構あるな・・・10か所ぐらいあるかな?とっとと刈ってしまいましょう。移動に1分、作業に1分、麦を狩るだけの簡単なお仕事です。あっという間に作業終わり。さっさと村長宅に戻って来たよん。
“ただいま~戻ったで。まだボルちゃん達は出発してないの?”
「あ、スネークちゃんお帰りなさい。隊長たちはこれから出発するところですね」
まあ見送りはいらんか。ハンナちゃんは我と一緒に来て、エマさんは・・・とりあえず村長んところの畑の収穫してきて。
「村長さん、スネークちゃんが帰ってきましたよ」
“まずは報告して。黒麦畑は10か所見つけて、収穫できるように魔法かけた後、全部刈り取ったから、皆で運んでね。この黒麦畑だけで村人の全員分の1年間分が賄える?”
「・・・賄えますか?と聞いてます」
「え?もう刈り取って来たのか?・・・10面全部?・・・規格外だな!10面全部が豊作になればぎりぎり飢えない程度には食っていけるぞ」
“ガルスガルスを何匹増やそうとしてるか知らんけど、カルスの雌は人と同じだけ食わせないと卵を産まないんじゃないかな?ガルスの鶏舎は50用意しといたので、村人があと50人増えると思ってくれ。10面でぎりぎりならあと5面は必要だろう。場所は今あるところを2倍にすれば事足りるな?後は・・・食糧貯蔵庫って大きさは大丈夫?”
「貯蔵庫の大きさは問題ない。今まで満杯になったためしがないからな」
“それじゃあ、宿屋を建てるのに必要な木材なんかを置いておく場所は?あと食べ物を加工したりする建物を建てる場所はどうする?それと、金属類はスミスさんに頼めばいいけど、食べ物を貯蔵する容器なんかはどうする?我が作ってもいいけど?”
「色々任せていいか?」
“それじゃあ、まずは建物からかな?いつまでも村長宅で作業するわけにもいかないだろう”
「まあ、人数が人数だしな」
“柿の木とかは今庭に植えているけど、どこかに植え替えた方がいいか?植え替えるなら貯水池の上の丘がいいと思うが”
「どうしてそう思うんじゃ?」
“高いところに木がたくさんあると、土の中に水が蓄えられて土壌が豊かになるのだ!虫もたくさん生まれて、ガルスのえさが増える・・・と思う。柿だけじゃなくて森で採って来た木も植えれば多様性も生まれるぞ!”
「わかった。好きにやってもらおう。すべて任せるよ。ああ、柿の木は庭に植えたままで頼む」
ニヤリ!そのまま自分ところで使う気だな!それじゃ、今日の作業を始めますか。




